- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480860729
作品紹介・あらすじ
この星に生きているという、奇跡。好き嫌いでは変わらない、科学的な事実。思い込みが生む、奇妙な「ニセ科学」の数々-。科学的な「考えかた」をめぐる、とびきりポップなエッセイ。
感想・レビュー・書評
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科学と神秘の間
ここで指摘したいのは、物語と事実とを混同したみょうちくりんな議論が、あたかも科学に基づいた議論であるかのようにまかり通っていたという事実。そして、それは実際には科学でも何でもないということ。これを「科学の乱用」と呼ぶこともできるし、あえて「ニセ科学」とよんでもいいだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サイエンス
思索 -
科学に対する毅然とした姿勢と神秘に対する温かい目線に好感。妙に軽い語り口は多少気になるが、内容は真摯でかつわかりやすい。
[more]<blockquote>P074 第一種永久機関というのは、何もないところからエネルギーを取り出すもの。それに対して第二種はエネルギーを供給しなくても動き続けるもの。もちろん、どちらにしても実現できない装置なので、これに人生を賭けるのは絶対にお勧めしない。【中略】
「まずありそうにない」と「ありえない」の違いが、とてつもなく大きいんだ。
P075 熱力学第一法則=エネルギー保存則 第二法則=エントロピー増大則
持っているエネルギーのすべてを何か意味のある作業に使うことはできず、必ずエネルギーの一部を無駄に捨てなくてはならないというのが第二法則。この無駄なものは、最後の最後には「熱」になる。
P145 個人的な体験としてなら、ホメオパシーの効果だと思っておいたっていいかもしれないね。ただし、それは全く客観的な事実じゃないので、自分以外の誰にも当てはまらないし、自分の身にだって、そんな体験が再び訪れるとは限らない。
それでもその体験自体は自分で大事にすればいいのだと思う。その体験に深い意味を求めるべきじゃないにしても、貴重な体験として大事にすればいい。
P196 希望は持たなくちゃならないけど、できないものはできないという身も蓋もない事実も受け入れるしかないんだ。希望は持つもので、事実は受け入れるものだから。
</blockquote> -
75:ニセ科学にも造詣が深い菊池さんが「科学」「神秘」「ニセ科学」について語ってくださいました。語り口調のため読みやすく、こんな講義があればずっと聴いてたいなあ、なんて思います。科学と神秘は決して互いを否定しあうものではない。現役の方にこう言い切ってもらえると、何だか少し「ゆとり」が広がったような気がします。
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面白かった。どちらかというと「ニセ科学とどう向き合ったらいいか悩んでいる科学者」にこそ読んでほしい本だ。
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ふわっとかしたエッセイ。
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自分の好きなロックに趣味、個人的体験を通してエッセイのようにかる~く書かれた科学について考える本。かる~く解説されているが、それはやはりきちんとウラウチされたもの(知識とモノ言うマンパワー)があるからだろう。まだまだ寒い時期、こたつにあたってゆっくり科学の話を読みふけろう!!
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ほとんど作者のスタンスを語るエッセイなので新しい知見が身につくわけではないが、こういう一歩引いたニセ科学バスターがいるとほっとする。
と学会は内部でどんどん先鋭的になって一般感覚を忘れてるように見えるので。
善意の前で途方にくれてしまう、という表現は秀逸。
香山リカ氏との共著があるのは困りものかと思ったが、そういった大人の対応も出来るのだと好意的に解釈。 -
いろいろ示唆に富んでる