- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480864185
作品紹介・あらすじ
愛すべき日本の酒、東京の町。赤提灯に誘われ、酒と町の歴史にどっぷり身を浸した現地調査体験記。
感想・レビュー・書評
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『菊と刀』のルース・ベネディクト然り、後継者に悩む稀少な伝統工芸を学ぶ留学生然り、そこいらの日本人よりもよっぽど日本の文化や歴史に精通した驚くべき外国人がいる。
この本の著者である、マイク・モラスキー教授もその一人。”赤提灯国粋主義”と自称するほど、日本の居酒屋文化をこよなく愛し、チェーン系ではない、個人経営のいわゆる大衆酒場への一本気を貫く。(コンビニのおでん売り場に安易に赤提灯を提げることに憤慨するほど)
タイトルからは一見呑み歩き探訪エッセーのひとつに見えるのだが、ダイガクキョージュとだけあり、読み手を知的刺激させる素晴らしい名書(酩書?)であった。
およそ外国人と思えぬ、非常に巧みでユーモアに溢れた日本語の表現を交えながら、東京という都市(の中でもとりわけ”辺境”と思われがちな町)における酒場およびその周辺空間の機能や役割を、充分な”フィールドワーク”をもって文化人類学的あるいは考現学的に考察してみせている。
戦後の闇市や赤線疎開区域、旧軍用地等、所以あってそこに長年構える酒場がもたらす”場の作用力”を、酒場での人間観察にとどまらず、その地域の郷土史文献や文学作品、関係者をあたるまでする行動力にあっぱれ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00206548 -
逆に日本人女性1人では入りにくい店の数々。
楽しそうだけど、できないなぁ。 -
2021年1月期展示本です。
最新の所在はOPACを確認してください。
TEA-OPACへのリンクはこちら↓
https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00278358 -
昭和51年初来日、お花茶屋にホームステイし高田馬場の大学に通い、共同トイレ・共同電話の生活をしている西荻窪の友人に会い・・・、そんな暮らしを始めたマイク・モラスキーさん。住めば、都。呑めば、都。ですね(^-^) 東京の居酒屋、詳しいですw。私は黄金の三角地帯、大衆酒場の聖地、赤羽・十条・王子地区を中心に読みましたが。何曜日の何時であろうと、「呑み屋が開くまで」というフレーズは、赤羽では全く無用、必ずどこかの赤提灯が灯っている。
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図書館で。
うわ~。なんでこの人、母国語でもない言葉がこんなに上手なんだろう、ととりあえずびっくりする。すごいなぁ…
居酒屋(個人経営)は確かに女性一人では入りにくい感じ。特に場の雰囲気を壊してしまいそうって感じが。でも大分前だけれども浦安っ子の友人が近くの居酒屋に連れて行ってくれたことがあったけど… あそこの料理は何でも美味しかったな~ そして地元民に愛されていていつ行っても常連さんで満員って感じだった。
ああいう雰囲気はいいなぁって思うけど…でもやっぱり地元民じゃ無きゃ難しいんだろうな、なんて思ったりもする。ウン。 -
たいへん良かった。呑み屋の本の顔をしながら中身は東京の本である。赤提灯で人々と交流をすることでツーリストからトラベラーになる、と。街を見る目が変わる本でした。
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面白かったぞ!
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ブログに掲載しました。
http://boketen.seesaa.net/index-2.html
筋金入りの「ニッポン居酒屋ナショナリスト」
著者は、1976年(昭和51年)にアメリカから留学生としてやってきて、今は一橋大学社会学研究科教授。
専門は日本の戦後文化とくに文学。
在日歴、ほぼ30年。
「世界のどこに行っても、ニッポンの赤提灯にまさる呑み屋文化はあるまい!」と熱弁をふるう。
全国赤提灯千鳥足探訪協会東京本部副部長を自称する。
酒場での愛称はモラさん。
じつに奇特な御仁だ。