ヒロシマに来た大統領: 「核の現実」とオバマの理想 (単行本)

  • 筑摩書房
3.67
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 27
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480864475

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アメリカ大統領の被爆地訪問を提案したのは、まず被爆者であり、被爆地だった。1985年、日本被団協のべこく覇権代表団は軍備増強路線をとるレーガン政権に対して「8月に広島と長崎を訪問し、被爆者と会ってほしい」と要請した。2002年8月の弘沿いましの平和宣言には「広島・長崎を音御ずれ、核兵器が人類に何をもたらすのかを自らの目で確認すること」との一文が盛り込まれた。日本政府が初めて、米国を含む世界の政治指導者の被爆地訪問を呼びかけたのは2014年4月に広島市で開かれた核軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)の外相会合だった。議長役の岸田外相が「成果いの政治指導者が被爆の実相に触れることが大切だ」と提言した。後手になったのは、日本のある軍縮大使経験者は「外務省内では最近まで広島・長崎を重視するのは左がかっているとみられる雰囲気があった。被爆地広島選出の岸田氏が外相になったことおで主要なテーマになった」と打ち明けている。

  • 昨年5月にオバマ前大統領が広島を訪れてから既に1年以上が経過した。あのときの熱を帯びた報道、そして広島の、日本の人びとの反応、意見、感想等長い間余韻をもって受け止められた。
    しかしその後、アメリカ大統領選で民主党はやぶれ、「アメリカファースト」をうちだすトランプ大統領が登場、一年前の訪問やあのオバマ氏の演説がどうなってしまったのだろうというくらい「過去のこと」という印象がある。
    この本は1年前のオバマ氏来訪時に取材した記者達の取材内容をまとめた1冊である。これを読むと、今なお原爆が広島、長崎にもたらしたものがどれほど大きなものだったかがわかる。そしてそれは広島、長崎にとどまらず全世界に関わることである。そのことを戦後70年以上経った今も、もっと世界の指導者を始め、地球人に広めていかなくてはいけないことを痛感する。
    国を代表してやってくる政治家達はなかなか本音を言えない。オバマ氏の演説も崇高で歴史に残るものであろうが、政治家の発するものとして上手にオブラートにくるまれている部分が多々ある。それに不満を感じる人たちも多いだろう。
    ただ、これは大きな一歩として受け止めるべきだろう。
    アメリカ自体が大統領交代で大きく変化し、内向き思考になっていることも辛いところだが、日本はこれからも継続的に世界に動き続けるべきだろう。

  • たまたま見つけて、これはめっちゃ読んでみたいと思って予約してた本。
    ニュースでみてこの事は勿論知っていたけど、あまり詳しい事は知らず。広島訪問の実現に向けての色々な行動や、広島訪問に対する人々の反応。あとがきにあったけど、これらの事実が記事にならずただの取材メモで終わらなかったのは本当に良かったと思います。

全3件中 1 - 3件を表示

朝日新聞取材班の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×