ユダヤ人国際弁護士が斬る! だから損する日本人

著者 :
  • CCCメディアハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484112299

感想・レビュー・書評

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  • 言ってることは、正しい部分もあるが、語り口調がなかなか癇に障る

  •  ユダヤ教徒の試験を受けてユダヤ人になり、米国認定国際コンサルタントでスウエーデン在住の著者による日本人論。



     日本国内では、日本のこんなすごいところ、匠の技、おもてなしなど耳に心地いい話題をマスコミは電波や活字で流しているが、必ずしも日本がよい評価を得ているわけではない。だからと言って日本はこんなにいけませんと言う自虐史観もよくない。



     一昔前、あの豊洲問題ですっかり雲隠れしている「暴走老人」が盛田昭夫と書いた『「NO」と言える日本』がベストセラーになった。しかし、ノーと言うだけではただの駄々っ子できちんと理由を言わないと大人として扱ってもらえない。



     サービスと言えば、きめ細かいというのが日本の売りだ。いい面もあるが、「ガラパゴス携帯」と言う言葉があるように、サービスが行き過ぎると本当に必要なニーズにこたえられなくなってしまう。著者曰く、革新的な技術は、今あるものをガシャンとして一から作り直すことが必要だ。例としてiPhoneが挙げられている。日本企業は同じものを作る技術力はあっても発想力が弱いようだ。

     


     高齢者を差別する日本では、年齢を意識しすぎだと述べている。新しいことにチャレンジするのに年齢で区切る必要はないと述べている。一律で定年退職させるから、日本の技術者が韓国や中国企業でやとわれて虎の子のハイテク技術を真似されて苦しくなる。



     ほかにも耳の痛いことがたくさん書かれている。あまりテレビでは聞く機会がないことが多い。視聴者に受けのいい番組作りをするのにリスクを負いたくないという事情もあるからなあ。


     

  • 石角完爾/著
    話題作「ファイナル・クラッシュ」の著者が、ゼッタイに損をしない「世界標準の作法」を語る。国際的には有名なのに、当の日本人は気づいていない盲点から、思わず反論したくなるものまで怒涛の49項目。

  • ――――――――――――――――――――――――――――――○
    私の娘がアメリカのボーディング・スクール(全寮制校)に留学しているとき、同室になったルームメイトの子がうるさく音楽をかけていたそうです。けれども日本人的な発想で、彼女は「注意をすれば、後々の関係を悪くする」と思って、最初は我慢していました。すると日を追うごとに音量が大きくなり、その時間も長くなります。たまりかねて二週間後に寮長のところに駆け込むと、「初日に文句を言わなかったうえ、二週間も経ったのなら承諾したも同じだ」と裁定されてしまったのです。(…)世界では瞬間的にすぐ反論を口に出さないとダメなのです。「瞬間沸騰」が世界の常識です。29
    ――――――――――――――――――――――――――――――○
    国の二面性に気づくはずです。独裁者はけしからんとイギリスのキャメロン首相は大声で叫んでいますが、リビアのカダフィ大佐の大量の資金が置かれていたのも実はイギリスで、その資金運用を担当していたのもイギリスの銀行だったりする。9・11事件以来、イスラムを大変警戒するアメリカですが、そのイスラム世界からの莫大な寄付金を受けているのもアメリカの大学や研究機関なのです。(…)裏表二面の駆け引きをしているのが世界の常識なのです。これはロシアや中国もそう。158
    ――――――――――――――――――――――――――――――○
    これからは日本人の「金儲け下手」がますます日本の首を締めつけるでしょう。この本で私が「金儲け」と言っているのは、ビジネス、政治、文化、軍事、科学、日常生活、宗教と、あらゆる分野における「戦略展開力」のことです。215
    ――――――――――――――――――――――――――――――○
    私は、日本人が「金儲け下手」な理由のひとつは教育にあると思っています。(…)ユダヤが行っているのは、子どもの頭がやわらかいうちに、子どもにも分かりやすい寓話を通じて子どもと親とが徹底的に討論、対話、議論し、子どもが独創的な思想を持つように発育させていく大脳教育なのです。(…)こういうことをやっている日本の親がいないから(受験塾に連れて行き、エリート校に入れることしか考えていない親が多い)今の日本の哀れな姿があるのではないか。221
    ――――――――――――――――――――――――――――――○

  • ほとんどの内容が自分にあてはまっていて、読んでいる最中に嫌になった。
    かなり辛辣な言葉があり、時々カチンときました。

    ●ハウツー本が書店にズラリ。他国で書店にこれだけハウツー本が並ぶ事はない。何をするにしてもハウツー頼り。日本人は自分の頭で考えることが苦手。
    自分で考える事が苦手なので大多数の意見に流されやすい。
    そして政治も教育も他人まかせ。そのツケが今まわってきている。
    ●日本は何でもありの多神教。世界では一神教の国がほとんど。
    少なくとも日本は宗教に関しては異例であることを知っているべき。ほんとにそうなのか?
    ●いわゆる空気を読む、気持ちを察するためにイエスかノーかはっきり言わない。それを美徳としていることで、他の国からは何を考えてるかわからない。
    なぜ空気を読むことが美徳なのか。反論や議論をして関係を壊したくないから。また、そういった場面に慣れていないし、しないほうが楽。
    「雄弁は銀。沈黙は金。」っていう言葉があるけれど、世界で沈黙はもっとも嫌われる。
    ●テレビの情報に左右されやすい。歴史に学ばない、過去の歴史を親から子へ伝達しない。

    その他諸々…。

    日本は他の先進国に随分前から見放されているらしい。
    面と向かって悪口すら言ってくれない(一方的に友好的と思っているアメリカからでさえ)。それくらい相手にされていない。
    それは多神教による何考えてるかわからないという不信感であったり、イエスかノーかをはっきりと言わない体質(空気を読むため)であったり。
    また、自身の宗教も持たず日本の古典ですら学ぶこともしない部分であったり。

    まー何を言われても、それが日本人なんです。短所でもありいい所でもあると思います。思いたい。

    著者が言いたい核心の部分は2つ。教育と宗教かなと感じました。ですが、これをなんとかしようとするには膨大な時間がかかると思います。システムがそうなってるから。

    この本を読んで強く感じたことは、教育は非常に大切だなぁということです。
    自分がまず勉強し続けなくちゃいけいない。もし、子供ができたとしたらその子と一緒に勉強していく。教師に全てをまかしてはいけない。
    世界のこと、あらゆる正義のことや、日本を含めて過去の世界の歴史について議論をかわし合う。
    そんなことができたら素晴らしいなーと思ってます。

  • ◆概要
    ユダヤ教に改宗したという元日本人の本です。
    ユダヤ人と比較して、国際的になぜ日本人がダメなのかを書いています。

    少しネガティブな感じですので、反面教師的にとらえて前向きに考えれる方はよいですが、日本人の悪口ばかりなので読み終わった後味は悪いです。

    子どもの教育に関係しそうなことが書いてありましたので、少し紹介したいと思います。


    ◆感想
    2つのポイントで感想を書きます。


    1.日本人はすぐにあきらめる。

    欧米では、日本人の留学生は一番あきらめが早いと言われているそうです。
    また、日本人は「減点主義」で育ってきているので、加点を求められると何もできなくなると書いています。

    確かにあきらめやすい子どもが増えているような気がします。

    著者は聖書のように信念になるようなものが日本人にないと言っていますが、教育や親の教えによっては、「あきらめない心」を身につけることができると私は思います。

    それは、例えば下記の方法があります。

     ■我慢することを経験する
     ■努力をして何かを成し遂げる経験する

    なかなか我慢や努力が苦手な子でも、少しずつ経験を積ませてあげれば、自信につながり、やり遂げる楽しさを身につけれるのではないでしょうか。


    2.日本人は多数に合わせる

    これはよく言われますね。

    「普通はそうする」「みんながするから」とまわりを意識してる人が多いと思います。

    学校でも自主性を尊重するところが増えては来ていると思いますが、まだまだ「みんなと一緒」の教育が多いです。

    たしかに、

     ■友達と一緒じゃないと仲間はずれになる
     ■目立つといじめられる

    と日本では出る杭は打たれる文化がまだまだ根付いていると思います。

    ただ、国際化している中で、自立した人間になるためには、自分を信じて、自分で考えて行動できるようになる必要があると思います。

    そんな大人になれるような教育をしたいと考えている人は多くいると思いますが、この日本の周りの環境を考えると難しいところもあります。

    ただ、親がどれくらい子どもを支えてあげれるか、そして、「いつでも支援してあげる味方なんだ」と子どもが感じていれば、自然と子どもも自立できるのではないでしょうか。

    私も自分の子どもたちにも、しっかりと愛情をかけ、勇気づけてあげたいと思いますね。

  • 日本人は世界からどう見られているのか?
    ユダヤ教徒でもある著者が、国際的な常識にはそぐわない、日本人の特徴を指摘。

    ・日本人には、ユダヤの「ヘブライ聖書」、欧米の「聖書」、イスラムの「コーラン」といった基本精神に当たるものがなく、事に当たるときはハウツー本に頼りがち。そのため、想定外の事態に弱い。

    ・日本人はすぐに諦めるが、欧米人は諦めない。その根底には「神は私達に諦めることを許さない」という聖書に基づく考え方がある。

    ・ユダヤ人は「他人と違う人間」になることを徹底的に教えられる。一方、日本人は「皆がどうしているか」を気にし、「多数に合わせる」傾向がある。こうした態度は、海外から見ると無責任に映り、国際社会では損をすることになる。

    ・日本人は、物事の二面性を見る習慣に欠けている善の裏側には必ず悪の側面もある、という概念がないため、表裏二面の駆け引きをする国際社会では騙されやすい。

  • 日本人がどれだけダメで、ユダヤ人がどれだけ素晴らしいかを説いた本。

    「ふつう」を言い訳にする日本人を批判しながら、グローバルで認められている事が「ふつう」なこととしているし(ま、本のテーマがそれだか仕方ないのかもしれないけど)、日本人がすぐに人を叱ることを咎めながら、しっかりこの本では日本人を「叱っている」、という、なんだか突っ込みたいところは満載の本、です。他人と違う選択肢を選ぶのがユダヤ人なのであれば、グローバルに交われない日本人は最も素敵な選択肢のはずですね。

    どれだけ「あとがき」でフォローを加えようと、後味が悪いんだよな。たぶん、この本から「愛」を感じ取れないからかな〜。よくもまあ、これだけ悪口を並べられたなぁ、という感じで(笑)
    この本に流される必要も全くないし、作者が言っているように「自分で考えて解釈すればいいんだと思う。(なんかこういう書き方をするのも、自己防衛のようにしか、僕には読めなかったんだけど・・・)


    ただ、グローバルで活躍したいと思うのであれば、こういうフィルターを通して見ている人がいるのだ、ということを知っておくことは重要だと思うので、読んでおいた方がよいとは思います。
    常にヒト対ヒトで接していれば、日本人がどうだとか、外国人がどうだとか、上司だとか部下だとか、あんまり関係ないと思うし、海外の人と一緒に仕事をする事も多い自分の立場からすると、グローバルの世界に出て、失敗しながら、バカにされて、損をしながら学んで行けばいいんだとも思うんだけどね。

    ふんふん、なんて、簡単に納得しちゃう日本人ではいたくなかったから、ちょっと辛口批評ですが、読んでその是非は確かめてもらえればいいかなと思います。

  • ■マインド
    1.日本人には基本精神に当たるものがなく、事に当たる時はハウツー本に頼りがちである。そのため、想定外の事態に弱い。
    2.ユダヤ人は、「他人と違う人間」になることを徹底的に教えられる。一方、日本人は「皆がどうしているか」を気にし、「多数に合わせる」傾向がある。こうした態度は、海外から見ると無責任に映る。
    3.日本人は、物事の二面性を見る習慣に欠けている。善の裏側には必ず悪の側面もある、という観念がないため、裏表二面の駆け引きをする国際社会では騙され易い。
    4.書店に行けばハウツー本が溢れているのは日本だけである。ヨーロッパの書店にはハウツー本はまずないし、アメリカではネットに流れていても、書籍として出しているものは少ない。
    5.ユダヤ社会では、普通であることはマイナスの評価である。
    6.ユダヤ人は最初から政府に依存などしない。「景気をよくする」「暮らしを楽にする」といったことは、あくまで自分で何とかするもので、国になんか頼らないというのが根本なのだ。

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