- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488013196
感想・レビュー・書評
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A Year Down Underの邦訳版。
とてもよい訳だと思う。原文を読んだ時受けた印象に近い。原書は私には少々苦手なタイプの英語だったので、情景がよりよくわかった。
Audiobookも合わせて聞くと、各場面が絵になって生き生きと頭に浮かぶ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前作「シカゴよりこわい町」は兄ジョーイの視点から、今作は妹のメアリ・アリスとおばあちゃんの話になっています。
パワフルで素直ではないけれど、実はとても優しいおばあちゃんも健在。女性同士の話なので、前作よりより物語りに入り込めたように思います。 -
「シカゴよりこわい町」のその後。
相変わらずおばあちゃんパワー全開。しかも孫娘との心の交流ある。ひねりすぎだけど。
私の亡くなったばあちゃんも料理が得意で菊の季節には連日菊の花の酢の物を作り家中むっとする匂いでいっぱい・・・。家族はお陰さまでその後、菊の香りも酢の物も好きになれませんでしたとさ! -
権威や権力は大嫌い
こんな ばばぁ
は
ほんとうに
すてきやね
自分の村にも
一人は
居て欲しい
そんな
ばあちゃん
の 物語 -
前作が、1929〜1935年迄の夏休みの1週間のお話。
今回は、1937年が舞台。
いつも兄と一緒に過ごしていたけど、今度は妹がひとりきりで、しかも、夏の一時という期間限定ではなく過ごす日々の物語。
世間は大不況の真っ只中。
父が失業したため、やむなくひとり、田舎の祖母の家に身を寄せることになったメアリ・アリス。
今度もまた、様々な事件が巻き起こることになるのだが・・・
相変わらず、おばあちゃんはパワフル!
メアリ・アリスも高校生になったので、学校のこと男の子のこと、服や靴のこと、なんとも微笑ましい。
晴れた日に、庭で大釜でお湯を焚いて、おばあちゃんとシーツの洗濯をして、暑いからついでにと、お互いに髪を洗いあったり・・・
厳しい時代でも、あったかい光景です。 -
「シカゴよりこわい町」の続編です。前作はジョーイが語り手でしたが、今度は妹のメアリ・アリスが語り手です。
『1937年9月、メアリ・アリス15歳。以前から続いていた不況の最後の一撃で、お父さんが失業してしまった。住んでいたアパートを出なければならない。ジョーイはもう仕事を見つけて西の方に出かけていた。両親が二人で住むのがやっとという狭い部屋が確保できたが、15歳の少女の居場所がない。おばあちゃんの世話になるしかなかった。
前みたいにジョーイと一緒でなく、一週間どころか1年もあの変人のおばあちゃんと暮らす。耐えられるだろうか。』
町に着いたそうそう、家にも行かずおばあちゃんはメアリ・アリスを学校に連れて行った。不況で高校教育を受けれない子供が多く、生徒の数は少ない。校長先生は解雇された用務員の仕事までしている。
シカゴから来たお嬢さんということで、敵視してくる子もいた。その子に家まで付いてこられてしまったのだが、おばあちゃんが負けるわけがない。見事撃退。たぶん彼女はもう学校に来ないだろう。(すごすぎる!)
不況が重く影を落とす中で、ジョーイほどおばあちゃんが好きでなかったメアリ・アリスが女同士として交流できるようになります。ある意味ジョーイよりずっとおばあちゃんを理解します。
そして卒業するときがやってきました。あんなにいやだと思っていたのに、今度はシカゴに帰りたくない。でもお父さんに仕事が見つかったし、帰ってくるのを待っています。決めれないメアリ・アリスに対しておばあちゃんはきっぱり帰るように言うのです。
「それから」という2ページで、読者である私はほっと安心しました。 -
1930年代、不況下のアメリカ中西部の田舎町を舞台とした、豪快なおばあちゃんとシカゴからやってきた孫娘の物語。前作『シカゴよりこわい町』の続編で、前作は兄ジョーイの視点で話が進められていたが、今回は妹のメアリ・アリスが主人公。不況が深刻化して父親が失業したため、メアリ・アリスは一人、おばあちゃんの住む町で高校へ通うことになる。田舎町で起きる事件(というよりはおばあちゃんが引き起こす事件!)を描いた8編の物語が収められているが、お馴染みとなった町の人々も相変わらず健在。メアリ・アリスの学校生活が中心に据えられているけれど、豪快で破天荒なおばあちゃんのやることも相変わらず。むしろ前作よりも破壊力が増している。さすがに、語り手が女の子に変わったことで情愛に満ちた表現も増えたせいか、ほろりとする場面も多い。面白おかしく読み進めていくうちに、ただ乱暴なだけでなく、実は心やさしいおばあちゃんの心が伝わってきてしんみりしてしまう。同じアメリカでありながら、大都会シカゴとは打って変わった古い田舎町の貧しい自給自足的な暮らしがむしろ新鮮。アメリカにもこんな時代があったんだと思うとなぜか安心する。リチャード・ペックは、なかなかの曲者。泣かせる最終章はそれまでの伏線が良く効いた一編だ。子供だけではなく、むしろ年配者に進めたい作品。
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ひゃー、面白かった。
メアリがどんどんおばあちゃんの町に馴染んでいくところがほっこりします。
あと、恋!キュンとしました。
おばあちゃんの許を離れる場面ではグッときた。 -
『シカゴよりこわい町』の続編。
15歳になったメアリ・アリスは再びおばあちゃんと暮らすことになった。
彼女の父親が失職してしまったのだ。
今度は、今までとは違い夏だけの1週間ではないし、兄のジョーイと一緒でもない。
相変わらず無愛想で、銃もぶっ放す豪放なおばあちゃんとの二人暮らし。
こんな無愛想なおばあちゃんだけど、困った人には実は本当は思いやりがある。
メアリ・アリスとおばあちゃんの結びつきもとても強くなった。
前回よりずっとこのおばあちゃんが実はとても暖かい人として描かれていて、読んでいても楽しかった。
二階に郵便局の壁画を描くことになったニューヨークの画家アーノルド・グリーンのこと。
転校生にロイスに恋心を抱くようになったこと。
日常の細々とした出来事がとてもさわやかに描かれている。
最終章では、数年後おばあちゃんの家でこのロイスと結婚式をする。