忘れられた花園 下

  • 東京創元社
4.12
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本棚登録 : 486
感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488013325

感想・レビュー・書評

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  • ミステリ

  • ネルの過去が次第に明かされていき、カサンドラは自分の進む道を考え始める。上巻ほどではなかったのだが、下巻も面白かった。少しずつ修復が進んでいくコテージと庭が、ひとのこころが補われていくのと似ているのかもしれない。こういう「しあわせな場所」を持つことは、ひとの幸福のひとつである気がする。

  • レベッカ、秘密の花園などの雰囲気を持ったゴシック・ミステリー。一気に読んでしまった。面白かった♪

  • 湖畔荘と似ている… と思いきやあたりまえだがちがった風合いの作品だった。
    一人の女性の過去を辿り探るという点では同じだけれど……。

    著者としては救いのある結末だと認識しているのだろう。
    私にはどう受け止めて良いのか判断しづらい。

    考えてみれば分かりきっていた謎解きだったのかもしれない。
    そう思えば、たしかにこの結末は救いのある未来なのだ。

  • 途中から嫌な予感がしていたのだけれど,やっぱりこういうことだったのかと悲しくなった,イライザに関してはもっと他に選ぶ道はなかったのかと,やりきれない思いだ.それぞれ主人公を変えて3つの時代がめぐるましく交差し,場所もイギリスとオーストラリアを行き来しているのに,スッキリと纏まって,カサンドラが謎に迫っていくところはドキドキワクワクしながら読んだ.挿入されている物語もいかにも昔の物語風の姿で,雰囲気があって良かった.とにかくどっぷりイギリスのゴシックロマンの雰囲気に浸れた時間だった.

  • 2017.08.24 図書館

  • 「物語」を読んだー!という感じ。『嵐が丘』『レベッカ』に、胸を躍らせたあなたに←帯通りその世界でした。
    時代もヒロインも違う3つの話が交差していく構成がとても良かった。現代の話の中で、疑問で終わったら次の話ではその答えである過去の話が綴られて行く、というカタチがこの小説の世界を損なわない最善な方法だな、とまで思ってしまった。
    作中の童話が読後だと更におとぎ話度が上がるほど素敵で悲しくもあった。
    恋や愛の対象はあったけれど、性としての男の不在が良かった(ライナスはやや存在か)。
    そんな安直な設定をせずとも不遇な女たちの人生を描き出し、そのままで終わらせずに繋がった温もりが伝わるラスト。良かった。。。
    あまり外文は読まないから言い切れないんだけども、きっと翻訳も良かったのではと思った。

  • オーストラリアの港に1人取り残された幼い女の子。彼女はどこで生まれ育ち、どんな事情でここに来たのか?家族はどこに?
    色々な時代、土地が交差しながら謎が解き明かされていくのだが、読み始めは複雑すぎて入り込みにくかったし、途中からは結末がなんとなく想像できてしまったので少しまどろっこしく感じた。でも、元々イギリスの小説が好きなので、舞台となるコーンウォール地方の海辺の城や庭園の描写が堪らなかった。
    訳者のあとがきもとても面白かった。他人様に借りた、紙の年代物の資料をお風呂に持ち込んで読む場面は私も引っかかったので、訳者や編集者も違和感を感じたと知って笑ってしまった。日本人て律儀。

  • ネルの出生の秘密は下巻の途中で大体の見当がついた。ただ、この物語は謎解き以外のところでもグイグイと惹きつけられました。ロンドン時代の母親を亡くしたイライザの状況はディケンズみたいな要素があったり、ブラックハースト荘に引き取られた後の閉鎖的なお屋敷での人間模様は『嵐が丘』を彷彿とさせるものがるし、秘密の花園だとか、従姉への嫉妬、意地悪な伯母と、楽しめる要素がてんこ盛りの大人のための極上のお伽噺で、3代に渡る女性の物語にどっぷりと浸りました。翻訳も、この雰囲気を壊さず読みやすい文章にしていてとても良かった。

  • 夏休み中の読書。ジャンルとしては何に当たるのかな。YA?
    基本ゴシックな世界観、+オーストラリアのパート(作者の筆が生き生きしてる)との相乗効果で、不思議に魅力的な物語世界を生み出している。
    記憶の庭を探索するような感覚。家族関係に悩む自分の経験を投影してしまって、読むのがほんの少しつらい部分もあった。
    全体としてはハーレクイン(読んだことない)みたいな印象だけど、長編をどっぷり読むことでストレス解消になりました。ラストは未来に希望をつなぐ作品だし、読後さわやか。
    同時にタドキストでもある私、作品中に登場するfamous fiveも読みたくなった。

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著者プロフィール

1976年、南オーストラリア州ベリに三人姉妹の長女として生まれる。クイーンズランド大学で舞台芸術と英文学を修めた。現在は夫と三人の息子とともにロンドン在住。2006年に『リヴァトン館』で作家デビュー
『湖畔荘 下 創元推理文庫』より

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