アルファベット・パズラーズ (ミステリ・フロンティア)

著者 :
  • 東京創元社
3.20
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本棚登録 : 140
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488017118

感想・レビュー・書評

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  • Y……おまえ諭吉やったんか(驚!)
    ってなりました笑
    そして最後に想定もしていなかった展開に
    驚きました。

  • 装丁に惹かれて読んでみた作品。
    それぞれのタイトルにでてくるアルファベットが組み合わされた装丁が面白いなぁと思いました。
    中身は、「Pの妄想」「Fの告発」「Yの誘拐」の3本。

    全体的に、トリックとしては面白いのだけれど、動機とか人の感情の部分が微妙なのが多い気がします。
    読んでいて、何でそういう発想になるの? え?そこでそう考える?という部分があって、峰原さんの推理が秀逸とか言われてもピンとこない事もありました。
    トリックを先に考えついて、動機とかは後付けみたいになっているのかなぁ、と思いました。

    「Pの妄想」は、そもそも缶紅茶を飲み出した理由が「?」でした。そんな理由でアフタヌーンティーに缶紅茶を出して、今後はどうするのだろうか、とか、理由があれなら、人に出す紅茶はともかく自分で飲む分は缶にする必要はないし、などなど気になる点がある。
    「Fの告発」は、私としては3つの中で1番面白かったかなぁと思うのですが、やっぱり動機というか犯行に至るまでの言動に納得がいかない部分があります。
    「Yの誘拐」は…峰原さんの推理に全然納得がいかなくて、前の二つのように明確な証拠に基づいての推理ではなかったし、何でそうなるの?としか思えなったのですが、そのあとの真相を語る部分にしても、いやそれどうなの、と突っ込まずにはいられなくて、何とも微妙でした。ただ、確たる証拠がなければ、どのようにでもそれらしくつじつまを合わせてしまえるんだなぁ、と感心はしましたが。

  • 雰囲気が好みの小説だった。マンションオーナーの峰原の部屋に店子でもある友人3人が集まって、身近にある事件について検討し合う。峰原の安楽椅子探偵ものかと思いきや、最後の章でのどんでん返しも意外だった。
    面白かった。

  • 2回目の読了。

    アルファベットでというのはまぁこじつけっぽさがでちゃう感じ。そういう作品というか、あえてそういう雰囲気を出しているのかもしれない。

    ただ、全体としてしっかりパズルっていう感じでよかった。作品の雰囲気も変な作られ感はなく。

    1つ気になるのは、最後のYの話。大オチの章への転換がいきなりすぎて、理解がおいつかない。それもねらいだと言われればそうだけど、オチをつけたあとなんの前触れもなく大オチって。個人的にはYは最終話じゃなく、むしろ伏線として前の方で展開しておくほうがよかったのではないかという気もする。どうだろうなぁ。

    -----
    1回目の読了:2015/11/30

  • 再読

  • 最初のお話:「Pの妄想」だけ読んだ。悪くないけど、、、登場人物が多くて、読むのに疲れちゃう。推理小説って読者に対してのヒントはこのくらいが普通なのかな?スッキリ感が少なくて、ここまででいいかもと思ってしまった。

  • 「Pの妄想」、「Fの告発」、「Yの誘拐」の三編が収録された連作集。
    ちょっと納得がいかないと思うところもあるのですが、些細な矛盾から展開される推理は論理的で、本格に対するこだわりが伝わってきます。
    特に他の二編の倍以上のボリュームがある「Yの誘拐」は、連作の最後を飾るのに相応しい作品で読み応えがありました。

  • 【Pの妄想】【Fの告発】【Yの誘拐】収録。

    四階建てマンションのオーナーと住人三人(刑事、翻訳家、精神科医)が事件の推理合戦するお話。
    【Pの妄想】は、「何故、彼女はペットボトルの紅茶ではなく缶の紅茶を飲んだのか」に対しての解答に納得出来ず。トリックもそんな都合良くいくとは思えませんでした。
    【Fの告発】は、古典的なトリックをアレンジして大きなサプライズを生んでいますが、相当無理があるので手放しでは賞賛出来ませんでした。
    【Yの誘拐】は、犯人の一人が発した「Yという奴が偽物なんだ」という一言から二転三転していくプロットと、連作短編集ならではの仕掛けが秀逸でした。

    三編とも突っ込みどころは多々ありますが、ミステリーのポイントはしっかりしているので読み応えはあると思います。

  • 130715読了。
    もったいない。
    面白いからいいけど、
    トリック先行でつくっているのかな。
    つじつま合わないところがある。

  • +++
    東京、三鷹市の井の頭公園の近くに“AHM”という四階建てのマンションがある。その最上階に住むオーナー・峰原卓の部屋に集まるのは、警視庁捜査一課の刑事・後藤慎司、翻訳家・奈良井明世、精神科医・竹野理絵の三人。彼らは紅茶を楽しみながら、慎司が関わった事件の真相を解明すべく推理を競う。毒殺されるという妄想に駆られていた婦人を巡る殺人事件、指紋照合システムに守られた部屋の中で発見された死体、そして三転四転する悪魔的な誘拐爆殺事件―精緻なロジックと鋭利なプロット、そして意外な幕切れ。本格ミステリ界期待の俊英が満を持して放つパズラーの精華。
    +++
    「Pの妄想」 「Fの告発」 「Yの誘拐」
    +++

    マンションの最上階にあるオーナーの部屋に、年齢も職業も性格も異なる人々が集って、紅茶を愉しみながら謎解きをする、という設定は興味をそそられる。精神科医・理絵の目のつけどころに感心し、翻訳家・明世と刑事・後藤の掛け合いに苦笑いさせられ、オーナー・峰原の慧眼に驚かされる。だが、いささか偶然に頼りすぎている感が無きにしも非ず、なところが勿体無くもある。そして最後の作品では、峰原の慧眼によって説かれたと思った謎が、それでは終わらず驚かされるが、そこもちょっぴり詰めが甘いような気がする。面白くないわけではないが少し物足りなくもある一冊である。

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著者プロフィール

1971年、埼玉県生まれ。京都大学推理小説研究会出身。サークル在籍中は「犯人当て」の名手として知られた。2004年、『アルファベット・パズラーズ』でデビュー。13年、『密室蒐集家』で第13回本格ミステリ大賞を受賞。18年刊行『アリバイ崩し承ります』は「2019本格ミステリ・ベスト10」国内ランキング第1位に、20年には連続ドラマ化され、大きな反響を呼ぶ。著書に『仮面幻双曲』『赤い博物館』『ワトソン力』『記憶の中の誘拐 赤い博物館』、訳書にエドマンド・クリスピン『永久の別れのために』、ニコラス・ブレイク『死の殻』がある。

「2022年 『時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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