- Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488018160
作品紹介・あらすじ
日夜“怪獣災害”と闘いつづける気象庁特異生物対策部(気特対)。目前に迫った宇宙怪獣との最終決戦、鍵を握るのは謎の巫女ひかる。本格SF+怪獣小説『MM9』第3部。
感想・レビュー・書評
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MM9、遂に完結!(続編は作らないでね)
シリーズ通して出ずっぱりの怪獣「ヒメ」はとうとう女神様に。神話宇宙とビッグバン宇宙の世界観から怪獣・怪物の存在を正当化させて始まったウルトラQもどきからどんどん話を大きくさせて円谷プロが昭和29年から20年かけた怪獣バトルの進化を3作で済ませてしまいました。
本作は我々の世代にはストレートなインパクトがありますが、若い世代はどうなんでしょう。どうみても「三大怪獣・地球最大の決戦」のオマージュですよね。表紙が円盤怪獣(合体する!これはキングジョー?)だから怪獣神ギガントは文章から想像するしかないけどメガロにガイガンを足した感じ?赤い熱線を吐くゴズは勿論ゴジラ、空を飛ぶ姿がドーナツ状のカガミはガメラ、ヒメはスーパーヒーローでも滅多にやらない二段変身するし。(サンダーマスク以来か?)こういうオマージュ・引用が何処から来たのかを想像をするだけで楽しい、終わってしまってホントに寂しい。昔オタクだったオジサンの心を熱くさせる怪獣小説の傑作でした。詳細をみるコメント1件をすべて表示-
まえすとろさん文庫になるまで、しっかり我慢しますww文庫になるまで、しっかり我慢しますww2013/10/02
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☆ 4つ
前半。筆者のギリシャ神話受け売り大量コピペ文章や、思い込みの激しい天照大神(アマテラスオオカミ)に関するくだりは一切いらない、とかオモタ。こりゃ今作は☆2つがいいとこだな、ともオモタ。
しかぁし、ページ稼ぎにしかなっていないその前半部分を喘ぎながらなんとか乗り越えて、ストーリーの本筋へ戻ってからは、こりゃもう怪獣映画の本流を小説で渡る醍醐味を満喫。
まるで宇宙怪獣キングギトラ、ガイガンと戦うゴジラ、モスラ、ラドン連合軍のようでした。もちろんそういう怪獣は登場しなくて、あくまで「ヒメ」とその一派(ここポイント!ね)が戦うのですけどね。隠れSFマンのわたしにとってわもう垂涎ものの後半でした。
というわけで後半-ラストは☆6つ!
民主的平均値採用にて☆4つ。前半はほぼ不要。すまぬ。 -
特撮小説は三部作で完結なのかな?今回は半分は説明でその割にはバトルシーンが少なくてちょっと不満。だけど仮面ライダーとウルトラマン、ゴレンジャーの特撮は新シリーズがあるのにゴジラとガメラ、モスラの怪獣モノがなくて淋しいと思ってたので読めて良かった。これからの気特隊が気になるしここらへんが落としどころだしなと気持ちがせめぎ合ってます(笑)。
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ウルトラマンと仮面ライダー、ゴレンジャーより怪獣モノの方がお互いフェアに闘ってる気がするから好き。ゴジラ<ガメラ<<モスラの順に好きです。ウルトラマンと仮面ライダー、ゴレンジャーより怪獣モノの方がお互いフェアに闘ってる気がするから好き。ゴジラ<ガメラ<<モスラの順に好きです。2014/04/29
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見かけよりもお婆ちゃんなひかるの存在は良かったけれど、物語にはあまり入り込めなかった。
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「MM9-destruction-」
本格SF+怪獣小説。MM9第3弾。
☆あらすじ☆
地震、台風などと同じく自然災害の一種として“怪獣災害”が存在する現代。有数の怪獣大国である日本では、気象庁内に設置された怪獣対策のスペシャリスト集団“特異生物対策部”略して“気特対”が、日本を守るべく昼夜を問わず駆けまわっている。スカイツリーを襲った宇宙怪獣を辛くも撃破してから二日。一騎と亜紀子、そしてヒメは茨城県内のとある神社に護送された。
ジャンルは“SF+怪獣”。なるほど。怪獣の響きからするに自然とウルトラマンが頭に浮かんでくる。M78星雲のパイセンが倒してきた怪獣に負けない猛者どもが登場するのだろう。
しかし、このワクワク感に水を差す事象が発生。気特対、伊豆野幹生、ヒメ(外見は10歳程度の人間の少女そのものだが、それを14倍に巨大化した怪獣)、ジェミー(精神生命体)が説明無しで当然の如く登場してきた為、変だなと思ったが、MM9はシリーズもので「MM9-destruction-」は第3弾だったのだ。がっくし。
■想定外のラブコメ(濃い目)
案野一騎(15歳)がヒメのことを異性として見ていると序盤で発言。しまった。これはラブコメだ。
亜紀子という同級生の恋人(実際は、友達以上恋人未満?)がいながらの恋の暴走。プラスでひかるという巫女(実年齢不詳。人身御供だから歳をとらない)にまで恋心を。15歳と言え、青春真っ只中過ぎ且つご乱心が過ぎるぞ。
■怪獣との対決
本筋は怪獣である。男児が大好きな巨大で強靭な怪獣達が、我が物顔に東京やNYを闊歩するシーンを見たいわけだ。そんな思いを汲み取ってか、第3章「消された時間」で遂に透明怪獣が暴れ出す!これぞ怪獣という暴れ振り。
何より、カガミ・ゴズ・ヒメvs3怪獣の闘いぶりは、ウルトラマンとゼットンの闘いを上回るだろう。何せとにかくデカすぎるw
■全体を通じて
怪獣も吸血怪獣や透明怪獣などなど多彩。怪獣神等の神々や宇宙神話やビックバンの法則等、民俗学や宗教学、物理学っぽい部分のディテールが細かい為、お陰で怪獣と言うあり得ない存在が最もらしく思えました。
一騎とヒメの最後を見るに完結の様だが、どうなんだろう。怪獣モノが好きで、ラブコメ(このdestructionだけかも知れないが)あってもオッケーな人にはオススメです。但し、第1弾から! -
『MM9─invasion─』の続編。チルゾギーニャ遊星人の送り込んできた怪獣をひとまず倒してやれやれという前作にひき続いて、本命の宇宙怪獣が送り込まれ、対する地球側は日本の守護神的怪獣が迎え撃つという、ただそれだけの話だ。『三大怪獣 地球最大の決戦』か『怪獣総進撃』みたいなものか。
宇宙論の人間原理とは、この宇宙の物理法則が、なぜかくも知的生命が発生しやすい値になっているのかという疑問に対し、そういう宇宙だからこそ、われわれ人間が発生して、この物理法則を観測し感心しているのだ、と考えるものである。物理法則がこうでなかったら、知的生命は発生せず、そんな宇宙は誰も観測してくれないというだけのことだ。
これを転倒すると、人間がそう思って観測するから、そういう宇宙が生ずるのだという論理になる。怪獣は存在すると思っている人間がたくさんいると、怪獣が存在する神話宇宙が成立し、それが科学法則に従うビッグバン宇宙と重畳しているというのが『MM9』の世界である。この神話宇宙に属し、人間に混じって生きてきた妖怪たちが、やはり神話宇宙に属すると思われるチルゾギーニャ遊星人の地球侵略を手助けしているのだ。
チルゾギーニャ遊星人に居場所を悟られないようにするため、巨大化する少女型の怪獣に宇宙パトロールの如き宇宙人ジェミーが憑依したヒメ、ヒメとテレパシーの通じている一輝少年らは茨城県のある神社へと匿われる。そこには一見若く美しいが、実はとんでもなく高齢という巫女さんがいて、怪獣でありかつ日本列島の守護神であるゴズ様、カガミ様と通じている。こう説明すると何だかとってもジュヴナイルな感じ。
前半は、ラブコメ風の展開と、世界各地の神話が侵略民族によりどうねじ曲げられてきたか、その元型は何だったかといった話が延々と続き、いささかだれる。トンデモ本的こじつけを駆使して、古来、戦う女神の神話があったという話に持っていき、地球怪獣に神話的な根拠を与える伏線になっているのだが。
チルゾギーニャ遊星人に攻め込まれる神社、逃亡のアクション、遊星人の攻撃に敗北するヒメ。後半は怪獣ものの王道、宇宙海獣と地球怪獣の激突である。そのX点ををめざしてストーリーが収束していくあたりは、60年代怪獣映画を見ているかのような不思議に色あせた「総天然色」。 -
2014/11/25
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SF伝奇ジュブナイルのMM9第3弾。
新たな未来史をつむいでいくのがSFとしたら、過去の歴史を新たに紐解いていくのが伝奇。そう決めてしまえば、SFと伝奇が共存してても良いんじゃないかと。
そして、SFとジュブナイルの親和性。
最終のような幕引き、と思うんですがどうでしょうか。ジュブナイルなら、きれいかなと思うんですよね。
とはいえ、強大な外敵の存在に対して、一時的に伊豆野と共闘関係結んだだけ。神話宇宙を維持しようとする彼らとの戦いは、まだ終わってません。
表紙のゴウキングは、アッガイにしか見えないんだけどな。 -
面白くないわけじゃないんだけど、もはや気特対の影が薄くなってしまい、当初の路線とは違ってきている感じ。最終的にちょっとセカイ系になってくるし…。神と怪獣についての説明も、もうちょっとシンプルにして欲しかったなぁ。
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MM9シリーズ、最新刊まで読了。文字だけなのに、地上を蹂躙する怪獣の姿が目に浮かぶ迫力。常に残りページを気にしつつ読み終えた感覚は久しぶり。一巻は短編集で世界観の紹介、2巻は宇宙からの侵略、3巻は壮大な神話と融合する、という流れなので、平成ガメラ三部作のような構成かと思った。2巻の市街戦など、ぜひ映画で見てみたい迫力だが、ヒメが難しそう…