アリス殺し (創元クライム・クラブ)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 363
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488025465

感想・レビュー・書評

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  • このミスにランクインしていたので手に取ったが。
    最後まで読み切れなかった。地の文がほとんどなく延々と続く会話。これは作者のスタイルなのかな。しかしながら会話は『アリス』を意識しているんだろうが、あの世界的な名作にかなうべくもなく。延々と三文芝居の脚本を読まされる気分。

    Amazonのレビューを見るとトリックは面白いらしいので、試しにラストを読んでみたが、これまたただ残酷なだけのチープな描写。

  • [内容]
    複数の人間が夢で共有する〈不思議の国〉で次々起きる異様な殺人と、現実世界で起きる不審死。驚愕の真相にあなたも必ず騙される。鬼才が贈る本格ミステリ。

    --
    表紙とあらすじ買いしたもの。
    予想以上にグロい。普通に色々と詳しく描写してくれるので想像力が豊かな人は結構ウッと来るかもしれない。
    ちょっとホラーチックなミステリだけど、不思議の国のアリスモチーフも手伝って、夢の世界と現実でのリンクの仕方とか、随所の会話が面白い。急展開が後半に待っていて思わず一気に読んでしまった。面白い。

  • 「不思議の国」の住人が順に殺されていく。容疑者は「アリス」――「不思議の国」で殺された人間が「現実世界」でも次々と死んでゆく・・・。二つの世界がリンクしつつ、物語は意外な方向へ。

    ほぼ会話で物語が進む。『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』を読んでないと少しわかりづらいかもしれない。
    ラストに近づくにつれてどんどん現れてくる残虐な描写が書きたくて、この物語が出来ているのではないかと思える程だが、『不思議の国のアリス』の世界の奇妙さ・不条理さが物語の隅々まで行き渡っている。

  • 夢の世界と現実世界の死がリンクする不思議な状況で、殺人事件に挑む主人公たち。SF的要素は入っていますが、しっかり謎解きしています。
    夢の中は「不思議の国のアリス」の世界、不条理なのに変に論理的な会話にニヤリ。
    展開は早く意外性もありどうなるのかと気になって一気読みでした。読むのが楽しかったです。

    読みながら登場人物らとともに頭を悩ませるのは、犯人は誰なのか、そして現実と夢の中の登場人物の相関。犯人探しに直結する物語中の重要問題ですね。これは物語を読んでいけば、自ずと意外な真相が示されてくる。
    そして、そもそもこの夢の世界とは何なのか。登場人物たちは、目の前の事件に精一杯なので、早めにそういうものだと割り切ってしまっていますが、ずっと気になりながら読んでいました。世界観を割り切ることで物語はテンポよく読みやすいものになっているのかなとは思います。終盤、一応の答えは示されますが、果たしてどこまで信じてよいものか。

    読み終わり、感想を書きながらまた読みたくなってきました。

  • 最初の方はダラダラと進み、「あっ?もしかしてハズレの本かなー?」と読み進んでいたら、ビルの事件位から、あれ?あれ??という間に引き込まれました。

    確かに不思議の国のアリスと、現実世界(という設定)の間を行き来するので普通のミステリーとは違うけど、ところどころの伏線が中間のあたりから綺麗に回収されています。
    この伏線の結果を求めるために最初の頃は「アリスの世界は見ていて、話が通じない住人が多すぎて読むの面倒ー」とか思っていたのに「あぁ、早くアリスの世界の方に章がかわってー!」と思うまでになります(笑)



    ただ、最後に言うならば。。。グロいです。。。
    特に、トカゲと家政婦の事件が・・・

  • 合う人には合う!
    合わない人はとことん合わない!
    そんな小林さんの本領が発揮された後身の非常に悪い本です。
    グロたいせいがついてない人にはキツイでしょうね。
    わたしは面白かったですが。

  • あらすじ読んで興味持ってしまい、
    読んでみたら、やっぱり大正解。
    面白くて一気に読んでしまった。

    不思議の国のアリスをモチーフにして、
    夢と現実が交錯する物語。

    小林泰三作品だし、夢と現実のリンクということで、
    これは信用ならないなという部分を気をつけながら
    読んでいたのに、気付けなかったことが悔しい。
    悔しくもあり痛快でもあり。
    久しぶりにミステリ作品を堪能。

    「アリスと立場が逆じゃない」
    「何が逆なの?」
    「人類と齧歯類の立場が」

    の件には声を出して笑ってしまった。

    小林泰三作品の常連である谷丸&西中島の
    刑事コンビが出てくるのもファンなら嬉しく
    なってしまう仕掛けだし、
    単にミステリで終わらないSF仕立てであり、
    哲学チックなのもやっぱり小林泰三作品だなと。

    死んだハンプティ・ダンプティの卵の殻に
    こびりついてる内臓をスープのようにすするとか、
    その他にもグロ描写が満載なのも
    やっぱり小林泰三作品だなぶれないなと
    ある意味安心。

  • 「不思議の国のアリス」をモチーフにした、奇想天外なミステリ。雰囲気や馬鹿馬鹿しい会話の応酬が「不思議の国のアリス」ファンにはもうたまりません! でもオリジナリティもしっかりとあります。そして本格ミステリ度もかなり高いぞ。
    「不思議の国のアリス」ファンからすれば、不思議の国で起こった事件の犯人はすぐに分かってしまうなあ。あの勘違いは原典でもあったことだし。だけど、そんなのは全然問題じゃない! ラストの展開にはひたすら愕然。慌てて伏線を拾いまくりました。
    不思議の国での凶器も面白いなあ。まさかあんなものやこんなものを使っちゃうだなんて! 事件の数々や犯人の末路は実に凄惨なのだけれど、なんせ不思議の国なので。どことなくユーモラスです。

  • 不思議の国の住人たちとの会話に何度も笑わせて貰った!
    ミステリーとして読んでいても面白く多少強引な感じもするが全体的に良く纏まっていたと思う。小林泰三らしいブッ飛んだ感じも健在でラスト少しグロテスクになって行くが其処がまた良いです!
    「不思議の国」と「地球」の二つで起きている殺人事件や其れに関するルール等は中々面白かったです。すんなり読めるしお勧めです。

  • 初めての小林泰三作品。「地球」と「不思議の国」の世界の話が交互に進んで、それが人の死のみについてリンクしている、というのが斬新で面白いです。もともと不思議の国のアリスのお話は好きだったので、登場人物の個性含めあちらの世界の話にもすんなり入り込めました。(これから読む方は「不思議の国のアリス」の知識を少し知っておいた方が楽しめると思います。)後半、グロい表現が続いたのでそこが少し苦手でした。

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著者プロフィール

1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門、2014年『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他、『大きな森の小さな密室』『密室・殺人』『肉食屋敷』『ウルトラマンF』『失われた過去と未来の犯罪』『人外サーカス』など著書多数。

「2023年 『人獣細工』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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