アリス殺し (創元クライム・クラブ)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488025465

感想・レビュー・書評

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  • 名作と呼ばれている理由がわかる気がする。
    最近だとファンタジー要素が入っていて(魔眼の匣の殺人とか)その世界のルールに乗っ取り犯人探しをする作品も増えてきているけど、これだけ前に書かれた作品でこれはかなり異例な気がする。一気読みしてしまった。今は2:43AM。明日の仕事はきっと起きるのきついけど、満足。

  • 最後が気色悪すぎてこの評価になってしまったが、謎解きのところまでは、アリスの世界観はそのままに本格ミステリを形成していて純粋にすごいなと思った。話も面白かった。
    ヘモフォビアなので最後はむり。

  • メルヘン殺し。
    犯人はなんとなくわかったけど後半の展開は全く予想できなかった。
    やられた……
    面白かった。
    『クララ殺し』と『ドロシイ殺し』も読む。

  • いかれた会話の「不思議の国のアリス」っぷりを、そうそうそんな感じだった!っと楽しんでいたら、終盤、二度に渡るグロテスクのオンパレード。
    同シリーズの作品も、こんな風に原作の個性がたっぷり出ているのかなー

  • 最初読んでいるときはいみわからんって思うけど読んでいくうちにそれが面白くなっていく。現実世界と不思議の国の世界。この二つがリンクしていて読めば読むほど面白いって感じる。

  • 言葉尻をまぜっ返す、人をイライラさせる会話が面白い!結構残酷な描写があるけど、原作アリス世界の延長線上にあるグロさに感じた。
    私はバターフライになりたいかな。

  • 全体を貫くトリックは本書が持つような世界観では想定をすべきもので、後になってみれば想像がつくようなものなのに、読んでいる最中は切れのいい会話にひきずられてしまい推理のきっかけを見落としてしまうという、ミステリとしての出来が素晴らしい作品。

    終盤における世界観の逆転含めて、とにかくすごい小説だったという一言に尽きる。ミステリ好きも、SF好きもぜひ手に取って欲しい。

  • 夢で見る不思議の国のアリスの世界と現実世界がリンクしていて、アリスの世界で起きた殺人が現実世界でも起こっている。容疑者にされてしまったアリスが真犯人を探すという設定。ルイス・キャロル風に書いているので、やたら回りくどい文章になっているところがあり、ちょっと戸惑った。それに慣れてしまえば、二つの世界を行き来しながらの謎解きも、凝っていて面白買った。

  • 文章の雰囲気は癖があるが、後半のどんでん返しの連続は読んだ後にスカッとする爽快さがある。読み終わってみれば、会話パート主体で物語が展開される特殊な文章自体がラストのための伏線だったように思う。

    童話「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」の知識があればより楽しめる作品だと思う。

  • 大学院生・栗栖川亜理は、最近不思議の国に迷い込んだアリスの夢ばかり見ている。ハンプティ・ダンプティの墜落死に遭遇する夢を見た後大学に行ってみると、キャンパスの屋上から玉子という綽名の博士研究員が墜落死を遂げていた。次に亜理が見た夢の中で、今度はグリフォンが生牡蠣を喉に詰まらせて窒息死すると、現実でも牡蠣を食べた教授が急死する。夢の世界の死と現実の死は繋がっているらしい。不思議の国では、三月莵と頭のおかしい帽子屋が犯人捜しに乗り出していたが、思わぬ展開からアリスは最重要容疑者にされてしまう。もしアリスが死刑になったら、現実世界ではどうなってしまう? 彼女と同じ夢を見ているとわかった同学年の井森とともに、亜理は事件を調べ始めるが……。邪悪で愉快な奇想が彩る、鬼才会心の本格ミステリ。

    ほとんど会話文で進む構成にまず驚き、不思議の国での進まない会話に若干イライラさせられたが、後半の二転三転はとても面白かったし驚かされた。
    まさにやられた、という感じ。とくにアリスと亜理の正体には騙された。
    不思議の国での会話は本当に、らしいと言えばすごくらしくて、自分もその世界観に巻き込まれていくような感覚が凄い。ただ堂々巡りする会話を長々読まなきゃなので、好みは人によって割れそう。おまけに原作を知っていないと分からない単語がまま出てきて、思わず検索かけたほど。
    ビルが徐々に可愛く見えてくるのがすごかった。それだけにまさか後半で彼が殺されるとは思わず、衝撃だった。井森くんの死に様が残酷すぎて…。
    広山先生は人間性に問題あるけど、まぁまぁ良い人なのかと思っていたから驚かされた。絶対に近くにはいてほしくないタイプ。なんで大学の准教授になれたのかが何よりも不思議。犯人としてはかなり杜撰な計画なんだけど、それがまかり通ってしまったあの世界凄い。アリスの殺し方と本人の処刑法がグロくてちょっと読むのが辛かった。
    後半で分かった世界の秘密、そして最後のオチの壮大さには驚かされた。これSFだったのか。続きがあるらしいのでそっちも見てみたい。

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著者プロフィール

1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門、2014年『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他、『大きな森の小さな密室』『密室・殺人』『肉食屋敷』『ウルトラマンF』『失われた過去と未来の犯罪』『人外サーカス』など著書多数。

「2023年 『人獣細工』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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