- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488028787
作品紹介・あらすじ
知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風は、その場に居合わせた高校生の錬とともに咄嗟に犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。犯人の落とし物に心当たりがあった春風は、ひとりで犯人捜しをしようとするが、錬に押し切られて二日間だけの探偵コンビを組むことに。かくして大学で犯人の正体を突き止め、ここですべては終わるはずだったが――。《本の雑誌》が選ぶ2020年度文庫ベスト10第1位『パラ・スター』の著者が贈る、〈犯罪と私たち〉を描いた壮大なミステリ。
感想・レビュー・書評
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たまたまひったくりの現場に出会した女子大生と男子高校生が、2日間限定で犯人探しをする。犯人は意外なところで判明したが、予想もしない事実が次々と明らかになる。後半に行くにつれ、全貌が徐々に明らかになるのだが、何気ない出来事が見事に繋がって、唸らされる。小説のベースとなる、個人の問題、家族の問題、社会の問題は、極々ありふれていて、本当に身近なもの。それだけに、救いようのない絶望感もリアリティがある。この作者の本、他にも読んでみたいと思いました。
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犯罪を描いたこの物語
登場人物たちがするすると吐き出す嘘の数々
その度に胸が締め付けられ、そして愛おしくてたまらない
大学生の春風が引ったくりを目撃し、犯人を追いかけていると、通りかかった学ラン少年も追跡に加わる。
そんな場面から始まる物語は、青春ストーリー?
それとも学園ミステリ?
といった雰囲気。
ずいぶんと足の速い二人は、とっても魅力的なキャラで良いコンビ。
これからも軽やかに展開する予感……?
しかし第二章
同じ大学生の理緒が登場すると、ガラリと雰囲気は変わる。
理緒の妹と母親。
学ラン少年(錬)の弟と妹、母親、更に錬の隣人で友人の正人などが登場し、どんどん厚みを増していく。
そして最初はバラバラだったものが、次々と繋がっていく気持ち良さ。
今までの、これからの、全ての言動や描写に意味があり伏線なのだと気付き、音を立てて嵌っていく。
でも題材が犯罪なだけに、苦しく辛い場面も多い。
特に子どもたちを巻き込む犯罪は悲しい。
どうかあちら側の世界へ行かないで!
錬、あなたは一人じゃない。
もう一人で戦わなくていいんだよ。
ぎゅっと抱きしめたい……
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優しいですか?
ありがとう(*´ω`*)
Manideさんは約1年前に読了ですね
私は皆さんがレビュー上げてるのを見て予約したか...優しいですか?
ありがとう(*´ω`*)
Manideさんは約1年前に読了ですね
私は皆さんがレビュー上げてるのを見て予約したから、およそ1年待っていたんだわ(@@)
さっきManideさんの本棚へお邪魔しましたが、テストだったんですか?
いつも色んなことに挑戦していて、すごいなって思います!
私もダラダラしてちゃダメですね(─.─||)2024/03/17 -
優しいですよ(^^)
いつもそう感じてます。
1年ですか…
長いですね。
予約ている人の、分類ごとの平均貸出期間を計算して、おおよその受取...優しいですよ(^^)
いつもそう感じてます。
1年ですか…
長いですね。
予約ている人の、分類ごとの平均貸出期間を計算して、おおよその受取日を示して欲しいですよね。図書館システムの進歩に期待ですね。
そう、テストだったんですよ〜
ギリギリうかってそうで、ホッとしてます。
少し前に帰ってきて、いま、だらだらしてます。
久々に本を読むか、勉強するかを迷っているところですが、なんとなく、そのまま寝そうな気もしてます…
お昼寝が好きな私です(*´꒳`*)…zzZ♡2024/03/17 -
2024/03/17
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春風と錬、二人のテンポ良いやり取りに、序盤から、ぐいぐい引き込まれた!
登場人物それぞれの過去が壮絶すぎたことと、終わり方に拍子抜けしてしまったので、そこはちょっぴり残念だったかなぁ… -
熱心な書店員さんなど、口コミで広がっているような感じで、発売前から気になっていた。
が、あいにく年間のランキングでは上位に入らなかった印象。
タイトルが文学的?なので、純文学かな、とふんわり思っていたら全然違ったが、一気読みだった。
ミステリというかサスペンス?糸がつながっていくところは、気持ちよく読める。
登場人物たちの意外な裏の顔にも、背筋が凍るような思いをしたり。
そんなに事情を抱えた若者ばかりではないだろうけどね… -
主人公がひったくり現場に遭遇したことをきっかけに、さらに大きな事件に巻き込まれていく話でした。
女子大学生と男子高校生のかわいいバディものかと思ったら、違いました。
現代日本の闇が色々と出てきました。読みやすく、悪くなかったと思います。 -
ページターナー本。一気読み必須。
ひったくりにあったおばあさんを助けたことが、思いもよらない展開に発展していく、その裏切られ感がなかなかよい。次々と展開する第二の顔、第三の顔に翻弄させられるのもまた楽しい。
それぞれに深い傷を負った若者たちが、トラブルを解決する中で自分を成長させていく。でもそんなに簡単に傷は癒えないわけで、続編がありそうな予感。 -
人は綺麗事では生きられない。
犯罪に手を染めたくなくても手も染めてしまう人、息をするようにそれを行う人、実際にいると思う。そんな人たちが一つのきっかけで集まって事を明らかにしていく。
犯罪に巻き込まれた人が犯罪を犯す側にもなる、という、これって当たり前を壊された時の反動なのだろうか。これでもかって犯罪に巻き込まれた人と犯罪を犯した人が集まっているのがエクスペンダブルズ的なものを感じる。
各登場人物の心情は結構しっくりきたけど、主人子にだけ同調しきれずに終わった。相性がよくなかったなぁ。
2024.2.4
18