エラリー・クイーンの冒険 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488104429

作品紹介・あらすじ

犯罪学の講師になったエラリーが、学生たちと推理を競う「アフリカ旅商人の冒険」、サーカスの美姫殺しを扱った「首吊りアクロバットの冒険」、切れ味鋭いダイイングメッセージもの「ガラスの丸天井付き時計の冒険」、『不思議の国のアリス』の登場人物に扮した人々が集う屋敷での異様な出来事「いかれたお茶会の冒険」など、名探偵の謎解きを満喫できる全11編の傑作が並ぶ巨匠クイーンの第一短編集。初刊時の序文を収録した完全版。

感想・レビュー・書評

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  • ライツヴィルシリーズでクイーンを改めて読みたくなり図書館で長編を借りたが歯が立たず返却。今回新訳短編集を購入して再挑戦。今となってはそのアイデアは‥という物もあったが『アフリカ旅商人の冒険』『いかれたお茶会の冒険』などは面白く雰囲気も好み。

  • 旧訳版で読んだのはだいぶん昔の話で、その頃はエラリー・クイーンの諸作を読み始めたばかりでしたが、当時の感想を読むと、私は「探偵エラリー・クイーン」にかなり拒否感があったことを思い出し、個人的に興味深かったです。
    例えば「いかれたお茶会の冒険」の当時の読後の感想は、(ネタバレは控えますが)エラリーのやり方は悪ふざけの度が過ぎるのではないか、というもの。
    これは、『エジプト十字架の謎』に対して当時の私が抱いた感想と似ており、どうもエラリーの高飛車な態度が馴染めなかったのでした。
    それが、後期クイーンまで読んだ今、改めて本作を読み返してみると、どの作品も面白く読めました。これは中村有希さんの翻訳が親しみやすいことも一因だと思います。
    今回収録された「序文」も軽妙洒脱で良いですね。

    だいぶん先の話になるとは思いますが、『エラリー・クイーンの新冒険』の方もぜひ新訳で出版してください!

  • 一言で言うと大好きな作品でした!
    しっかりと論理で固められていて
    物語重視でふわっと終わるわけでなく
    なるほどなと毎回なった!
    ちょっと分からない表現もあったりしたけど
    気にならないレベル。
    次は長編を読みたいです!

  • 最大級に素晴らしい!!どれも内容が濃いのに無理なくまとまっています!

    アフリカ旅商人の冒険
     時差のために時間が違うままだったいうのは盲点でした〜笑。エラリーが3人の学生たちを微笑ましく見守っていた(?)ので、学生が羨ましいです!
    首吊りアクロバットの冒険、双頭の犬の冒険
     犯人は何となく想像がついだのですが、やっぱりそこに至るまでの推理が、流石だと思います!エラリーの演繹法めちゃ好きです...
    一ペニー黒切手の冒険
    カモフラージュが多くてついて行くのに大変でしたが、まさか重ねてあるとは!!
    ひげのある女の冒険
     何故アーレンが殺されたのか、その理由が診察されたら男だとバレるから!これ程理にかなった動機はあるのでしょうか。感服です...!
    三人の足の悪い男の冒険
     警視がワックスで滑るところにもう伏線があったなんてびっくりでした。意識のない体を窓から出すのは、体型的に不可能だというのたどり着くまでのロジックが好きですね〜
    見えない恋人の冒険
     弾が貫通したということは何を意味するのか、それを考えられるのが流石と言ったところです
    チークのたばこ入れの
     警官たちがいる中の堂々たる犯行!
    ガラスの丸天井付き時計の冒険
     閏年!まんまと私も犯人の思惑に嵌りました...一番面白かった話です!
    七匹の黒猫の冒険
     成る程、毒味に使われていたのですね...可哀想ですが、何故おばあちゃんが同じ見た目の猫ばかり買い取っていたのか納得です
    いかれたお茶会の冒険
     全部エラリーにはめられていたなんて!隠密行動が多くて一読目は何やってるか謎でしたが、エラリーの推理を聞くと成る程そういうことだったのか〜と楽しく読めました!

  • 初エラリー・クイーンだったが、冒頭の「アフリカ旅商人の冒険」の謎解きでホームズやポアロとの雰囲気の違いを感じ、最後の「いかれたお茶会の冒険」が一番おもしろく印象に残った。有名な国名シリーズもぜひ読んでみたい。

  • ぽんぽんとキレよく進む手品をみているよう。
    舞台設定に遊びがある作品が多く、読者の反応をみる実験的な試みもあったのかなと思ったり。
    「双頭の犬の冒険」は怪奇的でゾクゾクして、うだるような真夏の夜にまた読みたい気持ち。
    国名シリーズよりエラリーがちゃらちゃらしていて、同じ人?という違和感だけほんの少し残った。

  • エラリー・クイーンといえば「国名シリーズ」ですが、短編も素晴らしいロジックで解決していきます。大胆なトリックがないので、途中で犯人が分かってしまうこともありますが、逆にいえば正々堂々と読者に常に謎解きの情報を開示してくれているのが分かります。

  • 「心ときめく名探偵を求めて古今東西のミステリー小説を読み漁ろうプロジェクト」は頓挫している。進まない理由に私は気づいた。要は昔好きだった気がするエラリー・クイーンにときめきたいんだ。もっと素敵な人がいるかも…などと余計なことは考えず、ここはひとつ自分の気持ちに素直になって、読みたいものを読もう。まずは読みかけだったこの短編集『エラリー・クイーンの冒険』(1934年初版発行)を。創元推理文庫から2018年出版の、中村有希さんによる新訳で。表紙がかわいい。

    で、彼と改めて向き合ってみて、「やっぱりいい人だった?」と聞かれるとよくわからない。でも、「やっぱり好きなの?」と聞かれたら「好き!」。ということで一度、エラリーの人物像を整理する(紛らわしいので、以降、作中人物のほうは「エラリー」、著者名のほうは「クイーン」とする)。
    エラリーの本業は推理作家。それなりに有名人らしい。父親がニューヨーク市警の警視で、ただそのコネだけを根拠に事件現場にやってきて、パパの部下も使い放題で好き勝手に捜査をする。言動も人格者のそれとは言い難く、皮肉屋だし自惚れ発言も多い。つまりなんというか、わがまま王子様っぽいんだな。
    王子がわがままでも許される理由といったら、一に「位が高いこと」、二に「位に相応しい徳を実は備えていること」、そして三に「見目麗しいこと」…ではないかしら。エラリーの場合、父が偉い(=位が高い)、名推理をする(=徳じゃないけど、立場上必要とされる能力を十分に持っている)。ここまでは異論なしとして、さらに見目麗しかったら最強なのであるが、容姿に関する描写は曖昧だ。でも、「長身」とか「すらっとした長い脚」くらいのことは語られるし、たまに出てくる若い娘や美女キャラはエラリーに対して概ね好感を抱くようなので、おそらく“ふつうに”カッコいいのだろう、そして能力と合わせて魅力三割増しに映るパターンなのかも…(それはそれでリアルで良い!)。

    一般的には、クイーン作品の魅力は(こんな軟派な話ではなく)堅牢な推理ロジックにあるとされている。ミステリーの中の位置付けとしても「本格ミステリー」とか言われたりもするくらいだ。私は、探偵とそれを取り巻くレギュラー陣たちのキャラクターや相互の人間関係を楽しむばかりで、ミステリーの本格と非本格の差がわかるような真面目なミステリー読者ではないが、そう言われて思い出してみると、確かにホームズではもっとご都合主義的な事件解決シーンが多かったかもしれない。

    『エラリー・クイーンの冒険』の話で小ネタとして覚えておきたいのは、とある事件でハリー・ポッター氏が登場すること、かな。

  • ミステリー
    短編集 全11編

    エラリーが応用犯罪学の講師として、学生たちと現場を見て事件を解明する「アフリカ旅商人の冒険」

    “不思議の国のアリス”のコスプレ衣装のまま失踪した男性の家に次々と送りつけられる奇妙な届け物とは…「いかれたお茶会の冒険」

    ほか、NY警視の愛息子エラリー・クイーンの推理が冴えわたる傑作品。

  • エラリーがクールでスマートでとても良かった。好きです。推理も良き。他の本も買おう。

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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

エラリー・クイーンの作品

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