かくして殺人へ (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488118426

作品紹介・あらすじ

処女作がいきなり大当たりしたモニカ・スタントンは、ロンドン近郊の撮影所へやってきた。小説を映画化する、ついては脚本を――という話になるかと思いきや、脚本は脚本でも他人の原作を手がけることに。撮影所内で執筆を始めたモニカは、何度も危ない目に遭う。硫酸を浴びかけたり銃撃されたり、予告状も舞い込みいよいよ生命の危機。モニカに一目惚れした探偵小説作家が証拠をひっさげてヘンリ・メリヴェール卿に会い、犯人を摘発してくれと談判するが……。

感想・レビュー・書評

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  •  主人公モニカ・スタントンが、初めて書いた小説『欲望』が売れ、映画化されることになり、プロデューサー・ハケットに会う。当然脚本も書くことが出来ると信じていた。
    映画撮影の敷地内で、モニカの身辺に起こる危険な出来事は、彼女自身への怨恨なのか。読み進めても、何処にキーワードがあるのか分からない。しかし殺人に向かって時は刻んでいた。
    現場は、それぞれのキャラクターが持ち味を出し生き生きとしています。
     巻末の解説には『カーが選出したミステリー十傑に対抗するプロ中のプロが書いた小説に真っ向から挑戦している』と書いています。
     解説者は「カーの勝利」「読者の方々に挑戦状を送って幕とさせていただこう」と締めている。  お薦めです。

  • 2023/7/23読了
    今回は、カーお得意の不可能犯罪は無く、突飛な業界人だらけの映画界に、第二次大戦という二重の狂気の舞台が、煙幕になったお話であった。

  • 第二次世界大戦頃のイギリス・映画撮影所を舞台にしたミステリ。登場人物やストーリーの展開が非常に分かりやすく、終盤で登場する探偵役の謎解きも、本を遡るとなるほど、そうだった、となるので、スッキリと飲み込みやすい探偵ものだと思う。全体的に少しコメディ調というか、映像作品チックな印象を受けるのは、映画がテーマだからなのだろうか。個人的には、話の端々で挟まってきていたワーテルローの戦いの映画の完成品を見てみたい。

  • H.M.卿シリーズ。
    ですがまあ、主人公はあの2人ですね。
    コメディリリーフにして探偵役と、H.M.卿は忙しいですな。

    親切なことに、伏線になりうる場所には「ここは覚えておいて欲しい」と書いてあるので親切です。
    とはいえ、トリックというか推理のとっかかりは他にも色々。
    H.M.卿の推理とともにページを遡れば、きっと面白い。
    やりませんが。

    なんというか。
    そうか、これがラブコメか、と、あとがき見ながら思いました。
    本格ミステリラブコメ。うむ。

  • サスペンス&ロマンス(コメディもあるよ!)な作品。カーにしてはサスペンス色が強いのでちょっと珍しいかな。舞台が映画撮影所なので、ヒッチコック辺りで映像化されたらどうなるかと脳内で妄想してたらすいすい読めました。
    カーにはよくある、ヒーローとヒロインが出てきたらとりあえずこの二人はくっつくのね、が見え見えなお約束な展開ではありますが、それがいい!
    幕間で、映画監督と助監督が掛け合い漫才のようにめちゃくちゃなことを話してはいるのは分かるんですが、その面白みが分かるにはもうちょっと英国の歴史に対する知識がないと理解できないところがまだまだ精進が必要ですね……。

  • 2017/03/20読了

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著者プロフィール

Carter Dickson (1906-1977)
本名ジョン・ディクスン・カー。エラリー・クイーン、アガサ・クリスティーらとともにパズラー黄金時代を代表する作家のひとり。アメリカ合衆国のペンシルベニア州に生まれる。1930年、カー名義の『夜歩く』で彗星のようにデビュー。怪事件の連続と複雑な話を読ませる筆力で地歩を築く。1932年にイギリスに渡り、第二次世界大戦の勃発で一時帰国するも、再び渡英、その後空襲で家を失い、1947年にアメリカに帰国した。カー、ディクスンの二つの名義を使って、アンリ・バンコラン、ギデオン・フェル博士、ヘンリー・メリヴェール卿(H・M卿)らの名探偵を主人公に、密室、人間消失、足跡のない殺人など、不可能興味満点の本格ミステリを次々に発表、「不可能犯罪の巨匠」「密室のカー」と言われた。晩年には歴史ミステリの執筆も手掛け、このジャンルの先駆者ともされる。代表作に、「密室講義」でも知られる『三つの棺』(35)、『火刑法廷』(37)、『ユダの窓』(38)、『ビロードの悪魔』(51)などがある。

「2023年 『五つの箱の死』 で使われていた紹介文から引用しています。」

カーター・ディクスンの作品

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