裏窓―アイリッシュ短編集 (3) (創元推理文庫 (120-5))
- 東京創元社 (1973年3月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488120054
感想・レビュー・書評
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「殺しの翌朝」「いつかきた道」とも幻想的な感じ。その幻想の感じは微妙に違っているが、遡る時間、が鍵ともいえる。ふたつともうまく映像化したらおもしろいだろう。アイリッシュもこんな作品をかくのか、と思ったが、殺人、という行為そのものが、巻きこまれれば、一種の幻覚世界なのかも、と思った。
「殺しの翌朝」(Murder on My Mind 改題:The Morning after Murder)ディテクティヴ・フィクション・ウィークリイ1936.8.15
俺は真面目な刑事なのだが、今朝はやけにベッドのマットレスの調子が悪い。連絡を受けた殺人現場に行くと、既視感のある建物が・・ しかし微妙に壁の色とかが違っている・・ 読んでるうちに、もしや犯人は? となるのだが、不思議な作品。
「いつかきた道」(Guns,Gerntlemen 改題:The lamp of Memory、:Twice-Trod Path)アーゴシイ1937.12.18
由緒ある家に育った私。先祖の肖像画のある部屋があり、その中でもひときわ目についたのが25歳で死んだという、曾祖父の弟で名前も同じ青年の肖像画。以来私は肖像画とともに大きくなり、家業に就く前に船で世界旅行に出て、とある場所に着いたが・・ 既視感のある風景と出来事が・・ 幻想的。
「帽子」(The Counterfeit Hat 改題:The Hat ;The Singing Hat)カレッジ・ライフ1939.2.18
真面目な勤め人の青年。やっと帽子を新調したが、入ったカフェで隣の人の帽子と取り違えたばっかりに、殺されてしまう。刑事たちの推理と追い詰める様を楽しむ作品。帽子が男性もファッションの一部として定着していた時代の作品なんだなあと感じた。
「だれかが電話をかけている」(Somebody on The Phone)ディテクティヴ・フィクション・ウィークリイ 1937.7.31
妹は電話におびえていた。5回鳴らすと一回切り、また鳴らす。問い詰めるとギャンブルで負けたらしい。兄の俺は待っていろと言い部屋を出たが、妹は窓から身投げした。こうなったら相手をとっちめるまで・・ やったぜ・・ そうなのか?・・
この巻は初出がついていた。
他に、
「裏窓」(It Had to be Murder 改第:Rear Window)(コーネル・ウールリッチ短編集4、ホテル探偵ストライカー に所収)ダイム・ディテクティヴ1942.4
「死体をかつぐ若者」(The Corpse and the Kid 改題:Boy with Boy :Blind Date)(コーネル・ウールリッチ短編集1)ダイム・ディテクティヴ1935.9
「踊り子探偵」(Dime a Dance 改題:The Dancing Detective)(コーネル・ウールリッチ短編集2)ブラック・マスク1938.2
「じっと見ている目」(The Case of the Talking Eyes 改題:Eyes that Watch You ;The Talking Eyes)ダイム・ディテクティヴ1939.9
(コーネル・ウールリッチ短編集別巻6に”眼”の題で、「絶望図書館」に”瞳の奥の殺人”で所収。)
「ただならぬ部屋」(Mystery in Room 913 改題;The Room with Something Wrong)カレッジ・ライフ1938.6.4
(「ホテル探偵ストライカー」に”913号室の謎”の題で所収)
1973.3.30初版 1975.9.12第5版 図書館詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初・アイリッシュ作品。
読めれば面白いが、読みにくい。ミステリというよりサスペンスか。
まだ『幻の女』を読んでないので、この作品だけでは諦めないぞ! -
戦後の日本に紹介されたミステリ作家の中でもっとも広く歓迎されたサスペンス、スリラーの第一人者アイリッシュの傑作の粋を集めた待望の短編集です。
常に意表をつく技巧と主題の多様性に加えて、作者の独壇場ともいうべき哀切な雰囲気描写と緊迫したサスペンスは永遠に読者を魅了せずにはおかない強烈な磁力を秘めています。
映画でもおなじみの名作「裏窓」、ファンタジー「いつかきた道」、卓越したアイディアとサスペンスに富むストーリー「じっと見ている目」、ショートショートの「だれかが電話をかけている」、アイリッシュには珍しい密室ものの中編「ただならぬ部屋」等の9編が収録されています。 -
表題作の裏窓がイイ!ヒッチコックはほぼ忠実に映画化しました。裏窓が好きだという方は是非一読を。他のオススメは「じっと見ている目」
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イイ!!
視線で言葉を交わす話、窓辺から犯罪の糸口をつかむ話、印象深い短編集。 -
すごくよかった!!!
裏窓
じっと見ている目
ただならぬ部屋
帽子
特に好きだった