自殺の殺人 (創元推理文庫 M フ 13-2)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488159177

感想・レビュー・書評

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  • ありえなくなくない!?
    否定語「ない」が何回あるかで、文章が全く逆の意味になる。
    本書の謎解きテーマは、「自殺に見せかけた他殺」なのか「自殺に見せかけた他殺に見せかけた自殺なのか」。
    自殺なら保険金が下りないので他殺にカムフラージュするという動機が発生するが…。ことはそれほど単純ではない。ややこしい人間関係の織りなすもつれた糸をエピローグで完全に謎解きされる爽快感は格別です。
    英国ミステリー系譜には女性作家が多いという有栖川有栖の解説も乙でした。

  • 嵐の中、身投げしようとしていた男を助けたトビーとジョージ。しかし翌朝、男はピストルの銃弾で死んだ。自殺だったのかと思われたが、警察の捜査の結果、自殺見せかけた他殺、あるいはその逆なのか。事件に巻き込まれるトビーとジョージのやり取りも楽しいが二転三転する推理も楽しい。いかにも20世紀の英国ミステリらしいシリーズ。

  • 初めてエリザベス・フェラーズを読む。
    会話の文体や運びが好みでなかった。
    人物の性格描写も掘り下げが無い感じがした。
    自殺か殺人か、なんか途中からどうでもよくなってしまった。

    有栖川有栖氏の解説でイギリスの女性推理作家がたくさん紹介されていたのでこれから読んでみようと思います。


    1941発表
    1998.12.25初版 2000.9.8第3版

  • 積読していたがやっと読めた。1941年に書かれ、この文庫が出版されたのが1998年。
    解説が有栖川有栖先生でお得感がある。
    英国特に女流本格は読み尽くしたという自負があったが、有栖川先生言うところのまさにミッシングリンクでスポッと抜けていた。
    タイトルからして何?だが、内容はタイトル通り、いやタイトルのさらに倍という、本格をこじらせた読者はニヤリとさせられる。
    新刊を追っていると時間がないのだけれど、過去の作品に読書漏れがないかのチェックもたまには必要かな。

  • 登場人物たちは良く描かれてるし、会話が生き生きしてるのが楽しい。殺人があったかどうかさえなかなか分からない展開も惹き付けられる。一人怪しい人物が中途半端な描き方だったのが残念。

  •  嵐の夜に自殺しようとした男を助けたトビーとジョージ。その男は翌日、一発の銃弾とともにこの世を去る。自殺か他殺か。男の周辺を飾る人々は何を考えているのか。事の真相はいかに。
     自殺か他殺かをめぐり推理が様々に展開されていく作品。自殺か、もしくは他殺か、それとも自殺と見せかけた他殺か、自殺と見せかけた他殺と見せかけた自殺、自殺と見せかけた他殺と見せかけた自殺と見せかけて実は他殺か、自殺と・・・・・・。

  • 「まあ坐って、ゆっくりお茶でも飲んで。人の言うことを、いちいち深刻に受けとめる必要はないって、習わなかったのかい?」p206

  • 自殺をはかったエドカー・プリーズ。現場に居合わせ自殺を止めたトビーとジョージ、エドカーの娘の友人ゴードン。自殺の翌日、娘のジョアンナに標本館に送らせたエドカー。発見されたエドカーの遺体。自殺ではなく他殺と考えられたエドカー。収入以上の生活をしていたエドカー。エドカーの友人ヴァネッデンの秘密。死の直前、エドカーに解雇されたペギー、解雇の理由。

    削除

  • 初フェラーズ。ユーモアと二転三転する真相、意外な探偵役に好印象。

  • 相変わらずのトビーの迷探偵ぶり。最後まで間違った推理を自信満々に語り続けるトビーはむしろカッコイイ。そしてやっぱりジョージの最後の説明は簡単明瞭。魅力たっぷり。かなりややこしくなっている事件なのだけど、それをあまり考えさせないほどシンプルな解決が魅力的。

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著者プロフィール

本名モーナ・ドリス・マクタガート。別名義にE.X.フェラーズ。1907年、ミャンマー、ヤンゴン生まれ。6歳の頃、英国へ移住し、ロンドン大学でジャーナリズムを専攻。1930年代にモーナ・マクタガート名義の普通小説で作家デビューし、ミステリ作家としては、「その死者の名は」(40)が処女作となる。英国推理作家協会(CWA)の創設メンバーとしてミステリの普及に尽力し、1977年にはCWA会長を務めた。代表作に「猿来たりなば」(42)、「カクテルパーティー」(55)など。95年死去。

「2020年 『亀は死を招く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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