黒後家蜘蛛の会1【新版】 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
3.75
  • (30)
  • (48)
  • (55)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 717
感想 : 59
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488167097

作品紹介・あらすじ

弁護士、暗号専門家、作家、化学者、画家、数学者の六人からなる〈黒後家蜘蛛の会〉と給仕一名は、月一回〈ミラノ・レストラン〉で晩餐会を開いていた。会では毎回のようにミステリじみた話題が出て、会員各自が素人探偵ぶりを発揮する。だが常に真相を言い当てるのは、物静かな給仕のヘンリーだった! SFの巨匠アシモフが著した、安楽椅子探偵ものの歴史に燦然と輝く連作推理短編集が、読みやすい新装版として隔月で刊行開始!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 何十年ぶりかの再読。思っていたより給仕ヘンリーが前に出てくるし、英語がわからないと楽しめない話も多かったけれど、これぞ〈安楽椅子探偵〉安定の面白さ。それと作者のあとがきの内輪ネタも楽しめた。また続きを読もう。

  • 111108さんに影響されて読んだ本2連続。

    おじさんたちのあれやこれやの推理が、ヘンリーによって単純にスッキリ解決されていくのが、からまったネックレスがほどけた瞬間のように爽快。
    これを12連続で読めて、しかも続巻もあるなんて、なんて幸福。

    特に結末ではっとさせられたのは「会心の笑い」「実を言えば」「明白な要素」。
    特に愛すべきおじさまは、定番の冗談をヘンリーに「いささか鼻についた感じがございます」とこてんぱんにされるトランブル、メンバーを家に招いていそいそ料理を作るルービン。

    • ロッキーさん
      111108さん、どちらにもコメントありがとうございます!!

      とんでもないです、癖の強いおじさん最高です笑
      トランブル氏、ルービン氏を筆頭...
      111108さん、どちらにもコメントありがとうございます!!

      とんでもないです、癖の強いおじさん最高です笑
      トランブル氏、ルービン氏を筆頭に、どのおじさんも愛くるしいです\( ˆoˆ )/笑
      続きも楽しみです!
      2022/11/28
    • 111108さん
      ロッキーさん
      おじさん愛♡優しいですね!私は本の中の出会いでよかったと思いました。おじさん達の暴走とヘンリーのクールな決着の対比も面白いです...
      ロッキーさん
      おじさん愛♡優しいですね!私は本の中の出会いでよかったと思いました。おじさん達の暴走とヘンリーのクールな決着の対比も面白いですけどね♪
      2022/11/29
    • ロッキーさん
      111108さん
      おっしゃる通り、もし黒後家蜘蛛の会のおじさんたちが上司や親戚だったら、呑気に愛せないかもしれません笑
      ほんとそうですよね、...
      111108さん
      おっしゃる通り、もし黒後家蜘蛛の会のおじさんたちが上司や親戚だったら、呑気に愛せないかもしれません笑
      ほんとそうですよね、ヘンリーも大好きです!
      2022/11/29
  • 『小説という毒を浴びる』(桜庭一樹/著、集英社)に掲載されていた桜庭さんと道尾秀介さんの対談の中で紹介されており、無性に読みたくなりました。

    月に一度の「黒後家蜘蛛の会」の晩餐会。
    そこに集うのは、6名の会員たちとホストに招待されたゲスト、そして給仕の男が一人。
    あるときからこの会には不思議な謎が持ち込まれるようになります。
    素人探偵たちがあれやこれや推理を繰り広げますが、最後に謎を解き明かすのは、いつも給仕のヘンリーでした。

    自身の立場をわきまえつつ、静かに慎ましやかに謎を解くヘンリーがすてきです。
    本書には12編が収められていますが、やっぱり第1作目「会心の笑い」の穏やかなのにぞくっとする最後の一文がたまりません。

    本書のおもしろいところは著者のアイザック・アシモフがたびたび顔を覗かせるところ。
    まえがきだけでなく、12編の短編それぞれにあとがきが書かれているのです。
    読み終えるころには、アシモフのことを、いろいろ読者に話しかけてくるユーモラスでおしゃべりなおじ様…と思うようになっちゃいました。
    このシリーズは全5冊刊行されているので、物語はもちろん、アシモフのおしゃべりもまだまだ楽しめると思うとうれしくなります。

  • 月に一度、女人禁制の晩さん会が開かれる。その名は『黒後家蜘蛛の会』。メンバーは弁護士、暗号専門家、作家、化学者、画家、数学者、と様々だ。
    毎月ホストがゲストを1名招待し、ゲストが提供するちょっとした謎を皆で解決しようとする。しかし、結局最後に謎を解くのは会合が開かれるレストランの給仕、ヘンリーであった。

    本書は12編の短編からなり、基本的にはすべて前述の流れで話は進む。提供される謎は、学生時代のカンニングの方法や暗号解きによる遺産探し、殺人事件までバラエティ豊かである。
    皆自分たちの専門分野と興味を生かしてああだこうだ意見を述べ合うのだが、気楽な会で責任もないので言いたい放題である。自己主張の強い面々なので、けんかになることもしばしばで、仲が悪いのか?と勘違いしてしまいそうだが、きっとそのけんかも含めてわいわいすることがいい歳をしたおじ様たちの楽しみの一つなのだろう。

    読みはじめは誰が誰だかわかりにくく、キャラクターをつかみきれないところもあったが、それぞれの性格を理解できるようになると愛着を覚えてくる。そうなると、同じようなパターンが繰り返されても水戸黄門のような味わいになるから面白い。

    私の好きな話は、ゲーム好きな友人が自分に残した遺産のありかを「アリスの不思議な省略」という謎の言葉から推察する『不思議な省略』。『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』の話を知っていないとわからない部分もあるが、ゲームを解くような楽しさがあり、後味もよい。

    本書のもう一つの楽しみは、作品ごとに添えられたアシモフによるあとがきである。ちょっと人を食ったようなユーモアのあるコメントで制作秘話を惜しげもなく公開してくれていて、アシモフ自身この短編を書くのを楽しんでいたのだろうな、というのが伝わってくる。

    ちなみに、会の名前にある『黒後家蜘蛛』は、猛毒を帯びた美しい蜘蛛であるが、毒を持つのは雌のみで、雄は雌よりずっと小さく、空腹時もしくは交尾の後、雌に食べられてしまうらしい。女人禁制もむべなるかな、である。

  • こちらは前職で一緒だった人におすすめを聞いて教えてもらった一冊です。
    ミステリーでそこまで怖くなくてって話してたら、
    安楽椅子探偵なんてどうですか?と。

    月に一度、黒後家蜘蛛の会が開催されて、
    その会ではひとりだけゲスト参加も許されています。
    そこで持ち寄られた話の中の謎を解いていく。

    これ、森博嗣さんの作品で同じような形読んだことある、と思いましたが安楽椅子探偵ものだったんですね、そしてアシモフさんのが全然先ですね。苦笑

    出席者各自の意見や考え推理が展開されるなか、
    最後は給仕のヘンリーが鮮やかに謎を解き明かします。
    同じような流れの中で
    こんなにバリエーションあるのかっていう驚きと、
    各話の終わりに
    著者のコメントが載っているのが贅沢です。
    元ネタや着想など語ってくれています。
    それがまた面白くてユーモラス。

    ただ、これはめちゃくちゃ個人的なことなんですが、
    私、カタカナ覚えるのが苦手すぎて、
    誰が誰だか覚えられず、
    (名前と愛称が混ざると余計。苦笑)
    毎回登場人物紹介に戻るという。。。苦笑

    シリーズであと4冊(全5冊)あるんですよね。
    これも時間と余裕と気持ちが向いたときに、
    続きを読みたいと思います。
    最後どうなるのか気になる…(そのまま終わるのか、この会に何か変化があって終わるのか)

  • 去年の夏くらいに買った。
    基本的にどの巻から読んでも楽しめると思っている….が!やはり私は1巻から読んで欲しい。
    6人のおじ様達が、一つのミステリ的話題について、ゲストを招き、皆んなであーだのこーだの言って、最後に給仕が真相を当てると言う形なのだが…
    おじ様達のやり取りが、私はとても愛おしく感じるのである。
    各話の最後にアシモフの解説が付いているのもいい。
    短編集だから、寝る前に1つ読んで寝るとか、やっぱり今日は2つ読んで寝ようとか出来るのもよい。

    私はこれが好きで、何度か再読している。
    毎回読んでも、おじ様達のやり取りがいいんだよな。
    私はミステリを推理しながら読むことが出来ないため、そんな楽しみ方をしている。

  • アイザックアシモフの本を初めて読む。
    少し自惚れも感じさせる作者だと思ったが、確かに面白い。いろいろな推理小説を読んできた人にとって特に面白く感じるかもしれない。ダイイングメッセージが複雑なものであることが多い推理小説への皮肉的な展開が特に印象に残った。

  • このシリーズが人気の理由は、読めばすぐに理解できた。
    面白いのが通常運転みたいな連作短編集って凄い。
    会員同士の知的な会話やゲストが持ち込む謎すらも面白く感じる。
    ストーリーはシンプル、だけど満足度は高い。
    ヘンリーの控え目な推理とラストの一言も好き。
    これは全巻読もう。

  • 離脱→積読

    昔はこういうミステリ好きだったのになー!
    なんか今は読めない

  • すずめさんの感想に刺激されて猛烈に読んでみたくなり入手。短編集は一気に読まずに1日1話ずつ読んで行くのが楽しいなと気づきました。このシリーズはEQMMに連載されてたものとのことで、月一会の会合ということで各ストーリーが連続しています。アシモフはSF作家としてしか知りませんでしたが、ミステリーもいいですね。

    ただ、87年19版を入手したので今は改訂されてるのかもしれませんが、2話目で民族差別的訳語が出てくるので星一つ減。当時から悪意なく普通に使っていたところがますますたちが悪く根深い感じ。改めたいたいものです。

    各編ごとについている作者のあとがきが楽しい。それにしても、こんなふうにバーだったり居酒屋であーでもないこーでもないと楽しい時間を過ごしていたのが懐かしい。もう同じ形には戻らないかなと思うとちょっと寂しいです。

全59件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

Isaac Asimov (1920―1992 )。アメリカの作家、生化学者。著書に『われはロボット』『ファウンデーション』『黒後家蜘蛛の会』等のSF,ミステリーのほか、『化学の歴史』『宇宙の測り方』等の科学啓蒙書やエッセイが多数ある。

「2014年 『生物学の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アイザック・アシモフの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×