黒後家蜘蛛の会4【新版】 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488167127

作品紹介・あらすじ

まずは美食と談論、そして推理合戦。この様式美を長年守ってきた〈黒後家蜘蛛の会〉の集まりは、ときにささやかな例外に遭遇することもある。シリーズで唯一、女性が謎を持ちこむ「よきサマリア人」や、突然押しかけてきた若い客人の悩みを解決する「飛入り」など、変わり種エピソードが収められた第4巻でも、ヘンリーの給仕と推理の神業ぶりはいささかも揺るがない。12編の小粋なミステリを、いつでもどこでもお楽しみください。

感想・レビュー・書評

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  • アシモフの敬愛する編集者フレデリック・ダネイが亡くなった後の作品もあるためか、ちょっと大人しくなった印象の黒後家蜘蛛の会の面々。この巻では例外ゲストの異色作も。でも相変わらずヘンリーのキレはいい。「よきサマリア人」「赤毛」が好み。

  • 解くべき謎がそんなに入り組んでいなくてもかえって食事会の席の話題としてはふさわしいものに思えるし、なにより毎回よくそんなネタを考えるなぁと感心してしまうシリーズ。毎晩1話ずつ読むのが楽しい。
    しかし、毎回ゲストに問う「何を持って自らの存在を正当とするか?」という文言は日本語としてはかなり奇妙に響くけれど、すごく重い質問ですよね。存在自体のなぜあって正しいか?を問われるわけですよね。自分ならばいったいなんと答えればいいかわからない。あってはならない存在か?といわれればそんなにひどくはないと思えるけれど。人のために役立つ何かとかはその存在理由の一つにしかすぎないし、自分が思っている存在理由が否定されることもありうるという奥深さ。だけど大事な質問。軽い物語のなかに心に爪痕を残すアシモフの切れ味の鋭さですね。さて、自分はなんて答えたらいいものか?自分の謎ができた。

  • 2024/1/8読了予定。すでに4巻目。すっかりアイザック・アシモフ作の黒後家蜘蛛の会シリーズにはまってしまった。6人の男達も個性、知性豊かで絶妙なメンバーだ。そのメンバーが連れて来たゲスト…まず、あなたは何をもって、ご自身の存在を正当となさいますか?で会は始まる。…の疑問に答える面々が喧々諤々の議論。そして最後に登場する給仕のヘンリーの存在が秀逸。しかも偉ぶらずに問題解決に辿り着く。実にいい奴なんだ!この4巻目の中で『4月の月曜日』には最後ほろっとさせられた。これでは5巻目まで読まずにはいられない。

  • 従来のシリーズとは一線を画す事態が頻出する第4巻。

  • 今回は、ちょっと変わった趣向の作品集。
    ゲストがいなかったり、女性が登場したり。
    こういうのも、ときには面白い。
    どんな時でも変わりないヘンリーが頼もしい。

  • 定石を作り,それに基づき日常の謎が展開され,解決に導かれる.ほぼ型通りの流れが続くが,古今東西の知識に精通したアシモフだからこそ構築できる日常の謎に,この型は依存している.決して他者はこれ程までの連作を真似できまい.

  • 相変わらず口煩い面々が、教養や雑学を戦わせ、時に仲間内の貶し合う恒例の食事会。しかし、このレストラン「ミラノ」ってロシア料理も出てくるし、ロブスターも出てくるし、どんなレストランなんだろう。

    ゲストが齎す謎について、侃々諤々の議論の最後に奥床しい給仕、ヘンリーの推理でオチと云うお決まりのパターン。1篇は短いし、安心して読んでいられる。けど、色んな話が出てくるので、飽きない。最初ほどの驚きは減ったかもしれないけど、「赤毛」「帰ってみれば」の単純なネタに却って感心した。

    あと、もっとオジサンたちはもっと煩く口喧嘩して欲しいなあ。その方がヘンリーの物静かさと対比があってイイと思うだが。

  • 第四集。ネタは小さいし日本人にはわかりにくいし、という部分があるのだけれど。なぜか楽しく読めちゃうんだなあこのシリーズ。ただし、絶対自力で謎を解くことはできません(苦笑)。
    お気に入りは「飛入り」。これでますますヘンリーのファンになりました。「温情を採るのが筋かと存じます」が良いなあ、と思ったのだけれど。ラストで示した解決策がまたむごくて素晴らしい(笑)。いつも穏やかなヘンリーの静かな憤りを見た気分ですが。しかし思い返せば、第一作目の「会心の笑い」でもけっこうむごいことしてたよね、彼。

  • 六千四百京の組み合わせ/バーにいた女/運転手/よきサマリア人/ミカドの時代/証明できますか?/フェニキアの金杯/四月の月曜日/獣でなく人でなく/赤毛/帰ってみれば/飛入り

    各回のゲストとヘンリーと作者あとがきが大好きです ♪

  • 外れが無いこのシリーズ。今回も安定した面白さだった。4巻目にもなると、パターンを変えたくなるのか、シリーズ初の女性ゲストが現れたり、飛び入りゲストが現れたりしている。それでも、他の会員が気付かない点から独自の推理を展開するヘンリー。そのキレ味は鈍る事が無い。
    ただ私は、こうも毎回水準を保っている短編より、傑作と凡作の差が激しいエラリークイーンの短篇の方が何か好きだなあ(^-^)。

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著者プロフィール

Isaac Asimov (1920―1992 )。アメリカの作家、生化学者。著書に『われはロボット』『ファウンデーション』『黒後家蜘蛛の会』等のSF,ミステリーのほか、『化学の歴史』『宇宙の測り方』等の科学啓蒙書やエッセイが多数ある。

「2014年 『生物学の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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