ひとりで歩く女 (創元推理文庫 M マ 12-1)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488168032

感想・レビュー・書評

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  • 西インド諸島出発の日に、存在しない庭師から手紙の代筆を頼まれた。さらに米国に帰る船上で起きる幻のような数々の出来事。誰かが私を殺そうとしている。長い手記から始まるこの話は、一言で言えば見事な引っ掛け小説なのである。文章で読ませるからぐいぐい読めちゃう。まさに探偵小説黄金期の人気作家のひとり、引っ掛けられても気持ちいい。

  • 短い日にち、狭い舞台。でもこんなに誰が犯人か分かりにくいミステリーは久しぶり。
    先へ先へ読み進むのが楽しかった。
    細かい描写もくどすぎないのに伏線は多い。
    本格的ミステリーと言えよう。

  • 思いだすのは子どもの頃に読んだ江戸川乱歩ではないか。なんか微妙に次に展開を引っ張る感とか。そして何より何故か丁寧語なので。いやこれは翻訳の問題かもしれんけど、でも江戸川乱歩って語り口が妙に丁寧だったような記憶。丁寧語で展開される小説な不思議な空気感ってなんか懐かしい。こういうの翻訳者はどうやって書き分けるもんなんかな・・
    まぁそんなこんなで、もうやだー気になるーって読み進めてって、最後にババーンって犯人はこの人です!っていう流れもなんだかレトロでね、こういうのも良いよね。って思ったけどコナンとかも毎回犯人ババーンだった!
    しかし南国に暮らしても暑いだけで休暇で行くだけで十分って言葉には説得力があるやね。しかも田舎じゃやることは他人を詮索するだけって日本もどこも変わらんわー。田舎恐るべし。

  • ★3.5
    16章のタイトル通り『お金は人をけだものにする』の一言に尽きる。
    お金をめぐる悲劇をただの凡作にすることなく、人間の愚かさ醜さ滑稽さを非常に巧く描き切ったマクロイの力作。

  • 技巧派ミステリーのお手本のような小説。解説が秀逸。

  • 裏表紙より転載:西インド諸島を発つ日、わたしは、存在しない庭師から手紙の代筆を頼まれた。さらに、白昼夢が現実を侵したように、米国へ帰る船上で生起する蜃気楼めいた出来事の数々。誰かがわたしを殺そうとしています・・・・。一編の手記に始まる物語は、奇妙な謎と戦慄とをはらんで、闇路をひた走る。めまいを誘う構成に秘められた狡知、縦横無尽に張り巡らされた伏線の妙。超絶のサスペンス!

  • 叙述トリックというと、折原一だとか、新本格の人々を想起するけれど、本書は非常にこの種のトリックを巧みに使っているな、と感じた。既に出だしから叙述トリックを思わせる形式になっているので、マニアの読者ならすぐに気を付けて読むだろうと思うけれど、なかなか複雑でよく考えれていると感心した。まあ、解説に書かれていた矛盾もあるのだけれど、そこはこの手のミステリーではご愛嬌で許されるレベルではないかと思う。

  • 3+

  • 10万ドルの現金を巡るサスペンス。
    元々、本格ものを書いていた著者だけあって、サスペンスといっても謎解きの醍醐味も楽しめる。
    新しいカバーの雰囲気もいい。

  • 西インド諸島からアメリカに向かう客船で書かれた手記。友人であるルパート・ロードからの依頼で届け物の封筒を受け取った女性。出発直前ルパートの庭師と名乗る男から妻「レスリー・ドースン」あっての手紙の代筆を頼まれた女性。途中ルパートの友人トニーが旅に同行。封筒の中身が10万ドルの現金と判明。庭師と名乗った男がパーサーとして船に乗船していた。ハーリー博士の飼う毒蛇。途切れた手記。船で起きた女性の転落死。被害者は手記を書いた女性か?庭師と名乗ったメンドーサの正体。メンドーサの妻の死。再びの転落死。被害者はメンドーサ。捜査に当たるウリサール警部。蛇にかまれた被害者たち。シッカリと閉じ込められたはずの蛇が逃げだす謎。下船直前に死んだ蛇。

     2011年9月5日読了

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著者プロフィール

Helen McCloy

「2006年 『死の舞踏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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