悪意の夜 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 68
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488168131

作品紹介・あらすじ

夫を事故で喪ったアリスは、亡夫の書斎でミス・ラッシュという知らない女性の名が書かれた封筒を見つける。そこへ息子のマルコムが、美女を伴い帰宅した。美女の名前はラッシュ……女性が去ったのち、封筒も消えていた。彼女は何者で、息子に近づいた目的、夫の死との関連は? アリスの疑惑と緊張が深まるなか、ついに殺人が……。迫真のサスペンスにして名探偵による謎解きミステリでもある、ウィリング博士もの最後の未訳長編。

感想・レビュー・書評

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  • うーん。なんだかまとまっているのか、どうなのか?この作品だけなかなか翻訳されなかったらしいが、作者っぽくないというのが感想で、これを最初に手に取った人は作者の認識が難しい。一応主役探偵出てくるし解決するけど、仕方なくって感じで、作者はこの人物好きなのか?この距離感が作者の持ち味のような気もしていたかもだが、ちょっと今回は作者が冷血に感じられたなー。

  • 精神科医ウィリング10作目。

    夢遊病とミステリーと言う組み合わせはどうも胡散臭い気がして、
    面白くなかった。
    例え、死体のそばで目覚めたとしても、
    夢遊歩行者が犯人じゃないんだろうと、
    たかをくくていたというか。

    しかも危険な香りのする女と、
    両家の息子と言う組み合わせにも、
    既視感があったし、
    息子は19歳にしては、ちょっと大人すぎ。

    殺害現場から帰る際に、
    車に乗せてくれた親切な男性が、
    探偵役であるウィリング博士だというのが、
    ちょっと意外だったぐらいかな。

  •  ウィリングもの最後の訳出作。なぜ最後まで残されたのかについての解説者の推測がうなずける。転落死した夫の遺品にあった謎の女に関する資料。不審を抱くアリスの前に当の女が息子の友人として現れる。はたして女の意図そして夫の死との関連はという謎解きなのだが、単調でふくらませ方が足りずあっけなく終わってしまう。読者が知りようがない古い事件がそもそもの動機だったり、謎の女の死という第二の殺人事件にしても、ほぼ二家族しか登場人物がいないので意外性に乏しい。マクロイにしては不出来すぎる。

  • 80年代のヘレン・マクロイと言えば、「絶版の女王」。
    ウェブのない時代に片田舎の高校生には古本屋での僥倖頼みでした。
    大人になったら神保町で探すと心に誓った(ちと大袈裟)あの頃から、早や幾星霜。今じゃ復刻版が図書館で読めるし。
    何でもアリの昨今からすれば、「古き良きミステリ」の域を出ないのが寂しいなあ。

  • 前半がややくどめ。後半一気に展開しますが、割と予想してた通りの展開。あんまりドロドロしてなくてシンプルです。

  • これはホームズ物の長編スタイル(注:『バスカヴィル家の犬』を除く)と思っていたら、同じような考えをネットで見かけました。マクロイ作品ではお馴染みの<夢中歩行>も出てくるし、マクロイなのでどんどん読めるのですが、主人公のアリスがかなりヒステリックなのに少し引いてしまうのと、ラストがあっけない感じがしました。空の封筒の中身がどこにあるか、については面白かったですが。
    原題"The Long Body"「長い身体」という概念は興味深かったです。

  • 未邦訳だった最後のウィリング博士もの長篇。
    『ウィリング博士』のシリーズである、という前提を知らなければ、子離れ出来ていない母親がどんどん狂気に追い詰められて行く昼メロ的なサスペンスなのかと勘違いしそうな冒頭から、シリーズ探偵登場後は一気に謎解きミステリへと変貌する。巻末の解説にはある登場人物の退場が早すぎることが指摘されているが、嫁姑バトルの前哨戦のような序盤の展開から、後半へ繋がる落差の激しさが、これまで邦訳されていなかった原因なんじゃないか……と思えてならないw

  • 2018/09/02読了

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著者プロフィール

Helen McCloy

「2006年 『死の舞踏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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