氷の家 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ウ 9-1)

  • 東京創元社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488187019

感想・レビュー・書評

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  • なんでしょうか?
    単なる謎解きと思えば、意外性もあってそれなりに面白い。

    ただ、事件の背景や原因となる事があまりにおぞましい。イギリスの田舎町ってこんな感じなのかと絶句する。日本の村八分とあまり変わらないというか、もっと陰湿かも。

    あまりカタルシスのないお話でした。

  • かつて当主が失踪したといわれる屋敷で胴体を食い荒らさらた死体が見つかる。誰の死体なのか?見事なストーリー展開と巧みな人物描写。このデビュー作で一躍女王となったミネットウォルターズだけにページをめくる手を止めさせない。ここまで面白いともうトリックなどどうでも良い。ミステリも小説であるからには、一流であるためにはトリックよりも小説としての面白さなのだとつくづく思わせる逸品。

  • ウォルターズ作品では、3番目に読みました。最初は主人公3人が嫌な感じの人かと思ったり、刑事さんも誰が中心になるのか分かりにくくて、読みずらかったのですが、途中からとても面白くなり、一気に読みました。いつもながら、意外な展開がよかったです。

  • ミネット・ウォルターズのデビュー作。彼女らしい味わいは既に十分、出ています。完成度は後の作品ほどではありませんが。

  • ずいぶん昔に読んだんだけど忘れたなぁ。もう一度読んで見なきゃ。

  •  この作者は初読。長年忘れられていた庭の奥の氷室から、10年前に失踪した夫とおぼしき腐乱死体が見つかる。10年前の担当者ウォルシュ首席警部と相棒のマクロクリン部長刑事らが捜査に当たるのだが。屋敷には周辺住人から異端者扱いされている3人の女性が共同で暮らすというほかは、ありきたりの警察小説のように思ったら大間違い。こうくるかという異筋が続いて思わぬ展開になる。いろいろとストーリーに無理っぽい点もあるが、だれが主役なのと意表を突くという点では成功していると思う。ただ主役陣の人物造型がアン以外いまひとつで魅力に乏しいのが残念。脇役の酒場の主人とか聞き込み先の老婦人とかのほうがよほど生き生きと書かれている。肝心の事件の結末はとってつけたようで尻すぼみ。法の遵守という点でも疑問が残る。

  • 出来事が次から次、面白かった。
    これが彼女のデビュー長編とはびっくり。
    彼女の他のミステリーも極上です。

  • ネットで見かけて。

    「フレッド・フィリプスが走ってる」
    すごい始まりだ。
    思わせぶりなところはなにも無く、ただ事実を述べているだけなのに、
    それがわざわざ語られなければならないところに、インパクトがある。
    あっという間に作品に引き込まれる。

    行方不明者と身元不明死体。
    田舎の村とスキャンダル。
    守るべき秘密と明かされるべき感情。
    それは面白くならないはずがない。

    結局語られなかった、
    主席警部と部長刑事の過去の関係性が気になり過ぎる嫌いはあったが、
    ミステリーとしては面白かった。
    恋愛ものとしては、どうかな。

  • 図書館で。
    警察側が悪意の塊な感じで色々とイライラしましたが…今でもあんな感じの尋問方法なんでしょうかねえ?段々と部長刑事氏が感じよくなってきて助かりました。閉鎖的な地方独特の偏見と集団いじめみたいなものって怖い。それが嘘でも本当でも人々の意識が一つになってしまうとそれがそこでの常識になってしまうんだろうなあ。
    でも結局最後、まだましな警察官は警察を辞めてしまうのだろうか?…色々な意味でお先真っ暗だなあ(笑)

    初めて読む作家さんなのでどんな最後にするのかハラハラしておりましたがバッドエンドではなかったので良かったです。うん。

  •  多くの小説では、物語の中心となる人物やその性格というのがだいたい定まっていて、読者はその人物の視線、気持ちに寄り添いながら物語を理解していくというのが一般的な流れなのではないかと思いますが、本書は、そう言った意味ではちょっと普通ではない変わった構成をとっています。
     例えば、次々に別の登場人物へと視点が切り替わっていくので、誰を中心に物語を理解すればいいのかわからない。しかも、出てくる登場人物がみなアクの強い性格付けがなされているうえ、視点が変われば印象もガラッと変わる始末で安易な感情移入すら拒絶されます。寄り添うべき視線が定まらないとういのがこれほど不安感を煽るものだとは思いもよりませんでした。そして、そのことが物語に息苦しいような緊迫感を与えて、先の読めない展開にもう夢中になってしまいました。
     ただ、少し残念に思うのが、中盤以降にその緊張感がやや途切れてしまったように感じられることです。ストーリーは面白いし、後半も読みどころは多いのですが、前半のインパクトがあまりにも大きかっただけに、一気に読んだにもかかわらず、数日開けて続きを読んだ時のような少し醒めた印象を受けてしまいました。正直、謎と謎解きに拘らなければもっと面白くなったのでは?などと思ってしまいましたが、それじゃあミステリにならないですね (^_^;)

     この物語は、無責任な噂や偏見といったものがテーマの一つになっているように感じられます。感想の最初に「視点が変われば印象もガラッと変わる始末で安易な感情移入すら拒絶されます」、などと書きましたが、そもそも安易な感情移入、表面的な印象や先入観に基づく勝手な理解こそ偏見そのものなのかもしれません。私の場合、最初は結構好きかもと勝手に肩入れしていた人物が、実はかなり非道い一面を持っている人間だとわかってちょっとショックでした。

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