暗闇の薔薇 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488262020

感想・レビュー・書評

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  • 晩年のブランドの作品
    車の入れ替え、死体の発見という序盤の展開ですごくワクワクする
    最盛期には及ばないものの、謎やプロットの錯綜のさせ方にブランドらしい切れ味が光っている
    個性ある登場人物たちも楽しい
    本格好きなら十分満足できる作品

  • 3

  • 倒木で車が通れなくなり、倒木の反対側で停車していた同車種の車両と一時的に交換、翌日その交換した車両から死体が発見されるという冒頭のエピソードは非常に面白い。
    最初のページに「配役」の一覧表があり、「以上の九人のなかに、殺人の被害者と犯人がいる。この殺人には共謀はないものとする」と宣言されているので、当初は犯人当ての本格もののように思ったが、最後まで読むと、正直肩透かしといった印象。最後の数ページになるまで犯人はわからないし、曖昧な書き方で終わっている。
    犯人偽装のトリックが使われてはいるが、あまりパッとしたものではないし、論理的な推理もない。
    複数の登場人物が隠し事をした結果、真相が見えにくくなっている事件。それを解きほぐすのが主眼のミステリだが、真相を知っても納得感はなかった。

  • この本もまた、都筑さんのエッセイでとても魅かれ、
    「はやく、はやく、はやく、読まなければ…」と
    じりじりと焦って、
    焦りながらもBBの本屋さんで『名作復刊』と
    並んでいるのを横目に通り過ぎ、
    図書館で検索、書庫から出してもらって借りました。

    クリスチアナ・ブランド、お名前はかねがね、
    でも読むのはお初、です。

    厳密にいうと以前、いつものミステリ指南本で
    読もうと思い立ち、
    図書館で手にした早川ポケミス版の「はなれわざ」が
    版が古いのか、何かの信念なのか、
    ちっちゃい「っ」のところが、全部大きい「つ」に
    なっていて、
    「そうだつた」「思つた」「だつたら」と言う風で、

    『…………、プワー!!どうしても駄目だ、
    気になってストーリーに集中できない…!!!!」となり
    断念した過去はある。
    (旧仮名遣いという訳ではないの、そこだけなの)

    この作品の粗筋、
    元映画女優のサリー・モーン、
    自分のリバイバル映画を観に行った帰りに嵐にあい、
    目の前で巨木が倒れ、通れなくなる。
    ちょうど向こう側でも立ち往生していた、
    『偶然全く同じ車』の持ち主の男性と
    ひとまず車を交換し、それぞれ目的地へと
    車を走らせるが…

    主人公はとても美人で優しく、
    ユーモアがあるけれど、
    どこかエキセントリックな印象。

    サリーの取り巻きのような存在
    通称『八人の親友たち』もそれぞれ
    個性豊かで、魅力的な人々。

    ただ、私の好みをあえて言わせていただければ、
    あんまりハチャメチャと言うか、
    常識破りの人に魅力を感じないので、
    なんとなく冷ややかな目で見てしまっていたけれど、

    読み終わって、そこから、
    締めていったネジがゆっくり逆回しになる様な感覚、

    「あ、そうか、ああ、そう言う訳でね、
    あ!、つまりそれでね、そう言うことか…」
    と言う感じで
    次々と色んなことが腑に落ち、どっと納得。

    読み終わってしばらくたった今でも、
    色々な感情がまぜこぜに押し寄せてくる、
    魅力ある小説。

  • 登場人物のほぼ全員が奇天烈な言動。そのせいで滑稽な喜劇を観ているような気持ちになるのだが、最後の最後で、実はこれは悲劇だったのだと気がつく、そんな話。

  • 読解力落ちてるかも。理解しきれず。

  • 東京創元社の2015年復刊フェアにて購入。
    元映画女優でやや(かなり?)エキセントリックな女性をヒロインに据えたサスペンス。どうもこの主人公のヒステリックかつエキセントリックなところに引き摺られて、相対的に周りの登場人物が微妙に霞んでしまうのが残念だった。ストーリーの盛り上がりやトリックは面白かったのだが。
    最後まで読み終えると、どうも彼女は独り相撲で全てを失ったのでは……と思えてならない。

  • ミステリーとして有名なブランドもの。
    その名の示す通りブランド品で庶民にはちょっと手の届きにくい内容・・・どたばたなんだか、本格なんだか。
    それでも格調高いって訳でもないけれど不思議な翻訳本。
    個性豊かな登場人物たちにシテヤラテタ感はありました。

  • 何度主人公滅べと思ったか。
    エト結婚してー。

  • 自分の命が狙われていると怯える元映画女優のヒロイン、ゲイの衣装デザイナー、出自の不明なイタリア人などエキセントリックなキャラクターが次々と登場し、最初から最後までサスペンスフルな展開に、映画を見ているようなミステリだった。どちらかというと「イヤミス」ですw
    これが遺作なんですね。
    ラストに畳みかけるように襲いかかるどんでん返しにはさすがブランド!といった感じですが、なぜか非常に読むのに苦戦しました…。

    なぜだろう。訳文のせいかしら…。
    「チキンサンドイッチ」の事だと思うのだけれど、それを「チッキングサングウィッチ」とか、いかにも発音ベースっぽい表記になっている記述がちらほら含まれていて、非常に読みにくかった。
    何か、原文の方でこういう表記をしなきゃいけない、「訛り」的な記述になってたのかなぁ。。。謎。

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著者プロフィール

Christianna Brand

「2007年 『ぶち猫 コックリル警部の事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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