殺しへのライン (創元推理文庫 Mホ 15-7)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488265137

作品紹介・あらすじ

『メインテーマは殺人』の刊行まであと3ヵ月。プロモーションとして、探偵ダニエル・ホーソーンとわたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは、初めて開催される文芸フェスに参加するため、チャンネル諸島のオルダニー島を訪れた。どことなく不穏な雰囲気が漂っていたところ、文芸フェスの関係者のひとりが死体で発見される。椅子に手足をテープで固定されていたが、なぜか右手だけは自由なままで……。年末ミステリランキング完全制覇の『メインテーマは殺人』『その裁きは死』に続く、ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ最新刊!

感想・レビュー・書評

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  • アンソニー・ホロヴィッツによるホーソン警視庁顧問のワトソン役を務めるシリーズの第三弾。

    チャンネル諸島にあるオルダニー島で開催される文芸フェスに参加するためにホロヴィッツとホーソンが出かけていくと、そこで殺人事件に遭遇します。

    被害者は梱包テープで椅子に体を縛り付けられ、なぜか右手だけは固定されず自由なままでした。
    なぜ、犯人はそんなことをしたのか…?(ホワイダニット)
    そして、第二の殺人がすぐ起こります。


    事件が起こるまでが長く、何の話かよくわからなくて後半まではイライラして読むのが少々辛かったです。
    殺された人物は、島民やブックフェスの登壇者からもみな恨みを買っている人物で誰が犯人でもおかしくありません。

    最後に犯人が明らかになりますが色々な人物関係がごちゃごちゃして読みづらかったですが、やっぱり一番○○○○な人物が犯人でした。


    ミステリが読みたい!2023年版海外篇2位ですが、私は星4つです。
    でも、第四弾は東京創元社さんの予告によると、舞台はロンドン、テーマは演劇、そしてなんとホロヴィッツが○○されるという驚きの展開だそうです。
    面白そうなので期待しています。

  • ★5 犯人は誰、動機は何? 総合力No1本格ミステリー ホーソーンシリーズ第三弾 #殺しへのライン

    推理小説としての完成度が高すぎて尊い。
    今回もど真ん中ストレートな推理小説。思いっきり犯人当てを楽しめます。

    まず読み始めて数ページ。
    シリーズを読んでいる人とっては、いきなり大爆笑できます。
    相変わらずの二人かよっ て感じで物語がスタート。

    そして島に二人で行くなんて、何か起こるに違いない! 超期待で胸が膨らむ。
    次々と出てくる登場人物が怪しいのなんのって。金持ちや霊媒師や詩人とか、キャラクター付けが完全にザ・ミステリーでワクワクが止まりません。

    とにかくミステリーの組み立てがうますぎるんです。
    特に序盤中盤の少しずつ登場人物の思惑や人間関係をチラ見せしていく手法はマジで天下一品。説明も多いんですが、いかにも重要なヒントが隠れてそうで、ついつい読み進めてしまうんですよね。

    そして肝心の事件の真相にも唸りました。
    わかんねーよ相変わらず! 率直な感想としては、特に今回は難しかった。犯人はもちろん、動機も、方法もさっぱりわかりません。

    伏線もいっぱい仕込まれている気はするんですが、容疑者も動機も怪しい情報も絶妙に多くて、ぼんやーり見えるような見えないような。今回こそはロジカルに解き明かしたかったのに、結局終盤まで真犯人はわかりませんでした。

    特に今回は動機が秀逸、理由も含めて見抜けた人は気持ちよかっただろうなぁ く、くやしい。

    ■推しポイント
    タイトルとおり「殺しへのライン」です。

    ほんのたった一つの事柄から、犯人も動機も手法もすべてがつながっているという。読み終わってこんなに気持ちのいいミステリーはありません。
    本シリーズは、まさに推理小説を組み立てる、プロの技術を体感できます。ミステリーファンとしてはこんなに幸せなことはないですよね。

    二人のキャラクターや関係性も完全に板についてきて、これからの展開が楽しみです。次回作もホーソーンシリーズということで、期待してます。

  • 巻末の「解説」っている?

    うーん、難しいテーマだ
    もちろん新しい気付きを与えてくれることもある
    感謝の念さえ覚えることもある
    また、そこから新たな世界(物語)へ誘う道が示されることもある

    だがしかし「そんなん言われるまでもなく分かっとったわ!」ということもある
    なんでちょっと怒っているのか
    傲慢な読者だ

    さてアンソニー・ホロヴィッツが綴る探偵小説の肝は情報の需要と供給バランスの完全崩壊にあると思われる

    圧倒的に供給が多い

    そしてその圧倒的供給量の中に真実に続く「読者が本当に必要としている」情報がちょっぴり隠されている
    ずるい(いやずるいて)

    それにしても、相変わらずワトソン役のホロヴィッツの間抜けっぷりが良い
    これによりちょっとでも読者の考えてることが彼と重なってたときのがっかり感が五割増しになる

    自分もあの人ちょっと怪しくない?って思ってました
    はぁ〜がっかりがっかり(がっかり教の教祖か!)

    ただ全体として今作はちょっと薄いなーって思っちゃいました
    本人はそんなん一切気にもとめてないかもしれないけどこのミス海外五連覇は厳しそうって自分は思いました
    あなたはどう?

    • 土瓶さん
      ははっ。実は、北方謙三さん。水滸伝。まったく読んでない(笑)
      もっと昔の「友よ、静かに瞑れ」とか「さらば、荒野」のシリーズで止まってる。読み...
      ははっ。実は、北方謙三さん。水滸伝。まったく読んでない(笑)
      もっと昔の「友よ、静かに瞑れ」とか「さらば、荒野」のシリーズで止まってる。読みやすくて入院中に読んでたんだけど、続きが読みたくて読みたくて、こっそり買いに行ったっけ(笑)

      「姑獲鳥の夏」は、最初図書館で借りて読んで、ふ~ん、くらいにしか思わなかったんだけど、なぜかしばらくたってから気になって古本屋で購入して、読み返してみたらおもしろくてびっくりした!!

      当時ノベルズでしか出てなかったんだけど、新しい作品が出るたびにぶ厚くなっていって、「レンガのようだ」なんて言われて、最後にはもう物理的に無理だったのか、上下巻に分けて出してきたときは本屋で笑いました。
      「絡新婦の理」なんて上下二段組ののノベルズで829ページもある(笑)
      変態的に厚い。でも読んでしまう。
      「塗仏の宴 宴の支度」「塗仏の宴 宴の始末」なんて合わせると1248ページ。
      いったい何文字あるんだか?
      でもほとんど一気に読んでしまう。
      狂気の沙汰ですよね~^^

      ああ、ペース数を確認するために引っ張り出してきたらまた読みたくなってきた。
      困る〜(⁠ー⁠_⁠ー⁠゛⁠)

      似た者同士ヽ(`▽´)/バンザーイ
      2022/11/19
    • 土瓶さん
      おっ! 「妖奇庵夜話シリーズ」おもしろそうじゃないですかぁ~。
      今まででどこに隠してたの〜。
      「後で買う」にポチッとしましたぜ(⁠^⁠3⁠^...
      おっ! 「妖奇庵夜話シリーズ」おもしろそうじゃないですかぁ~。
      今まででどこに隠してたの〜。
      「後で買う」にポチッとしましたぜ(⁠^⁠3⁠^⁠♪
      2022/11/19
    • みんみんさん
      やった〜\(//∇//)\
      ちなみに榎田ユウリは女性ですよ!
      やった〜\(//∇//)\
      ちなみに榎田ユウリは女性ですよ!
      2022/11/19
  • 期待値が上がり過ぎたためか、普通に面白かったのに物足りなさも感じてしまった。ホーソンが出版社や文芸フェスのトークショーで妙に人気があるのをホロヴィッツがやっかむ所など、二人の関係は面白く今後も期待。ホーソンの裏の顔も見えてくるか?

    • 111108さん
      ポプラ並木さん、コメントありがとうございます。
      ホロヴィッツ楽しいですよね!
      ヨルガオはカササギと同じ編集者が主人公の長編ですね。上下巻でボ...
      ポプラ並木さん、コメントありがとうございます。
      ホロヴィッツ楽しいですよね!
      ヨルガオはカササギと同じ編集者が主人公の長編ですね。上下巻でボリュームありますけど一気読みしてしまいました。
      2022/11/27
    • ポプラ並木さん
      111108さん、「ヨルガオはカササギと同じ編集者が主人公の長編」
      そうなんですね。
      完敗だったので、次はリベンジしたいです。
      確かに...
      111108さん、「ヨルガオはカササギと同じ編集者が主人公の長編」
      そうなんですね。
      完敗だったので、次はリベンジしたいです。
      確かにボリューミーですよね!
      頑張ります!ちょっと先かな?
      2022/11/28
    • 111108さん
      ポプラ並木さん、カササギは完敗でもヨルガオは案外いけるかも知れませんよ!読み始めると止まらないので、お時間ある時にぜひ‥。
      ポプラ並木さん、カササギは完敗でもヨルガオは案外いけるかも知れませんよ!読み始めると止まらないので、お時間ある時にぜひ‥。
      2022/11/28
  • 好きか嫌いかと聞かれればもちろん好き。
    だが確かにこれは1位ではない。

    ”メインテーマは殺人”の刊行を控える中、マーケティングの一環としてオルダニー島で開催される文芸フェスに参加することになったホーソーンとアンソニー。
    ぽっと出のフェス、いまいちぱっとしない招待作家達、島内にはびこる送電線誘致計画をめぐる対立、その中心に居る文芸フェスのスポンサーでもある”スピン・ザ・ホイールコム”のいけ好かないCEOチャールズ、果ては前作で明かされたホーソーンの退職の過去に関わりを持つデレク・アボットの登場にアンソニーの心は陰鬱になるばかり。

    そこへ発生したチャールズ殺害事件。
    恨みの買い先なら事欠かないこの被害者を殺した犯人は誰なのか、ホーソーンがふてぶてしき捜査を敢行する。

    物語の中で、現実世界の話がちょっとずれた時間軸の中で溶け合う感じだったり、どこまで行ってもドライなホーソーンの立ち振る舞いが好き。
    また、アンソニーに対しては絶対見せない、ときに友好的でオープンな姿は本当に謎。
    どちらが本当の姿なのか、どちらも本当の姿なのか。

    シリーズ通しての大いなる謎があり、色々なことが少しずつ日にさらされていく過程があるのがこのシリーズの一番の魅力。
    ただ、この作品一つに絞ってみると、いささかひねりが少なかったかなぁと感じ、シリーズの中では低温な作品と言わざるを得ないのかなと。

    全ての作品で二重丸はありえない。
    山谷はあるもの。
    あのクリスティー作品達だってそうなのだ。
    そういうものと思って楽しんでいる。

    • 111108さん
      fukayanegiさん、おはようございます。

      〈好きか嫌いかと聞かれればもちろん好き。
      だが確かにこれは1位ではない。〉そうそう、そうな...
      fukayanegiさん、おはようございます。

      〈好きか嫌いかと聞かれればもちろん好き。
      だが確かにこれは1位ではない。〉そうそう、そうなんです!これ読んで読後本当にそう思いましたよ。二人の関係性めぐる部分は楽しいのになって。

      〈あのクリスティー作品だってそうなのだ〉そうそう、そうなんです!今まさに、クリスティーなのに先に進めない作品が手元にあります‥。
      2023/01/29
    • fukayanegiさん
      111108さん、こんにちは。

      やっぱそうですよねー。
      読後感を共感してもらえて嬉しいです。

      人によって感じ度合いや対象作品はそれぞれで...
      111108さん、こんにちは。

      やっぱそうですよねー。
      読後感を共感してもらえて嬉しいです。

      人によって感じ度合いや対象作品はそれぞれでしょうけど、何かもの足りないんだよなーってときありますよね。
      それが次の作品で払拭されてたりすると余計嬉しかったり。

      先に進めないクリスティー、何だろう。
      早く壁、越えられるといいですねw
      2023/01/29
    • 111108さん
      fukayanegiさん、お返事ありがとうございます!

      そうですね、「なんだ、残念」と思うより、「次回乞うご期待」と思えば許せますね。

      ...
      fukayanegiさん、お返事ありがとうございます!

      そうですね、「なんだ、残念」と思うより、「次回乞うご期待」と思えば許せますね。

      クリスティーの、だんだんメジャーでないものが残っててそのうちの1つなんですが、最初の数ページから人間関係がよくわからないw
      早く壁越えたいのですがついつい別の積読本を優先させてるので、読了かなり先になりそうです‥
      2023/01/29
  • やっぱり今回も面白かった。
    伏線が次々に回収されて行くのにびっくり。ミステリーとしてフェアなのです。語り手&ワトスン役のホロビッツの役割が際立つ。
    最後の章の終わり方で次を期待させて、読み終わったところで見返すと表紙の絵、題名がまた良いです。
    観光、グルメの話題もあり。ヨーロッパにブックフェスティバル行ってみたいな。事件に巻き込まれるのは勘弁だけど。

  • 他の積読を読もうとしていたけど、本屋で目にしてしまい、つい買ってしまいました。諸般の事情で集中して読む時間がなく、読了するのにものすごく日にちを要した。

    色々書くとネタバレになるので止めておきますが、満足のいくものでした。

    気になるところでは、ホーソーンは何故一人でアボットに会いに行ったのか分からないまま終わった。すこしづづホーソーンの過去が見えてくるようで、それでいて次回に続く意味ありげな終わり方。。。4段目を期待してしまっている。

  • シリーズ3の一冊。

    今作は島で起きた殺人事件。

    相変わらずいろいろな要素で読み手をストーリーの中に閉じ込めてくれるのが巧い。

    ホーソーンの意外な一面、外ヅラの良さにホロヴィッツと同じくびっくり。

    ホロヴィッツのもやもやした胸中も手に取るようにわかり面白い。  

    殺人事件の真相はド派手さはないものの、細かい点で、ホーソーンの卓越した視点で丁寧に読ませてくれた印象。

    ホーソーンの過去が犯人、真相へと辿り着くラインを波打ちながら複雑にしてくれたのも良い。

    そして何より思いもよらぬ、ひらりと舞い込んだ"言葉"に胸騒ぎが止まらない。

  • ホーソーンシリーズ三作目。1作目の「メインテーマは殺人」の販促として文芸フェスに参加するため会場の島を訪れたホーソーンとホロヴィッツ。フェスの関係者や主催者達にはどうも裏がありそうで不穏な空気が漂う中、自宅の屋敷の離れで一番胡散臭い出資者が右腕だけが自由な状態で椅子に縛られているという不可解な状況下で死体となって発見される。大量に渦巻く裏を一つずつ暴いていく流れなせいか今回の真相はやられた!と膝を打つ所まではいかず。でも相変わらず伏線回収は見事だ。ちやほやされるホーソーンにやきもきするホロヴィッツが相変わらず。ミスをしたと指摘されてぐぬぬとなるのも相変わらず。それよりも今回はホーソーンの因縁の相手が登場して距離が縮まったように見えた2人の間に爆弾投げ入れ。いや何も言わないホーソーンも悪いが次どうなる?

  • ホーソーン&ホロヴィッツシリーズの3作目。
    もうすぐ刊行される『メインテーマは殺人』のPRのため、オルダニー島で行われる文芸フェスに参加することになった2人。
    孤島が舞台の殺人事件…というだけでわくわくします。

    かなり序盤から怪しいと思っていた人物が犯人だったのですが、ただただ怪しいと思っていただけで証拠にも動機にも考えが至らず、犯人当てに成功したとは到底言えません…くやしい。

    ホロヴィッツとホーソーン、書く者と書かれる者の関係は前2作よりも前進したかなと感じる場面もありましたが、元々自分のことは語らない謎深いホーソーンなので、本作で垣間見えた姿も氷山の一角に過ぎないのでしょう。
    事件解決後、不穏な気配を残す最後の1章に胸をざわつかせながら読了。
    ああ、続きが読みたい…!

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著者プロフィール

Anthony Horowitz
イギリスの作家。1979年、冒険小説『Enter Frederick K. Bower』でデビューし、YA(ヤングアダルト)作品「女王陛下の少年スパイ!アレックス」シリーズ(集英社)がベストセラーとなる。ドラマ『刑事フォイル』の脚本、コナン・ドイル財団公認の「シャーロック・ホームズ」シリーズの新作『シャーロック・ホームズ 絹の家』(KADOKAWA)なども手掛ける。アガサ・クリスティへのオマージュ作『カササギ殺人事件』は、日本でも「このミステリーがすごい!」「本屋大賞〈翻訳小説部門〉」の1位に選ばれるなど、史上初の7冠に輝く。続く『メインテーマは殺人』『その裁きは死』『ヨルガオ殺人事件』(以上、東京創元社)も主要ミステリランキングで首位を取り、4年連続制覇を達成した。


「2022年 『ホロヴィッツ ホラー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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