厳寒の町 (創元推理文庫 M イ 7-5)

  • 東京創元社
3.59
  • (3)
  • (13)
  • (11)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 140
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488266073

作品紹介・あらすじ

男の子の年齢は十歳前後。地面にうつ伏せになり、体の下の血は凍りはじめていた。アイスランド人の父とタイ人の母の間に生まれた男の子は、両親の離婚後母親と兄と一緒にレイキャヴィクのこの界隈に越してきた。人種差別からくる殺人が疑われ、エーレンデュルら捜査陣は、男の子が住んでいたアパートや通っていた学校を中心に捜査を始める。世界のミステリ界をリードする著者が現代社会の問題にメスを入れた、シリーズ第5弾文庫化。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アーナルデュル・インドリダソン『厳寒の町』創元推理文庫。

    レイキャヴィク警察シリーズの第5弾。アイスランドのミステリー小説。

    何時にも増して平坦なストーリー展開が続く、そして結末もつまらない。実際の警察捜査はこういうものなのかも知れないが、ミステリー小説であるからにはドラマティックな展開や驚愕の展開が欲しいところ。

    シリーズを重ねる毎に劣化が激しいな。

    アイスランド人の父親とタイ人の母親との間に生まれた10歳の男の子が何者かに刺殺される。タイ人の母親は離婚後、シングルマザーとして二人の男の子を育てていた。エーレンデュルらが事件を捜査するが、男の子の5歳上の兄も行方不明となり、捜査は難航する。人種差別による殺人も疑われる中、エーレンデュルがたどり着いた真実は……

    本体価格1,300円
    ★★

  • アイスランドを舞台とした社会派ミステリーのこのシリーズ、毎回テーマがあってしかも、刑事たちの個性が引き出されつつあり、また、続けて読んでしまった。

    今回のテーマは移民問題に絡めて、尚かつ異常児童性愛や教育問題と現在の世界のどの地域でも起こりうる問題なのでストーリーが進み展開してゆくと目が離せない。
    並行して行方不明の女性(夫婦間のいざこざ)も気になるところで、これもまた、万国共通のネタ。
    ページが残り少なくなって行くのに解決の方向性が見えず読者的にはハラハラしてしまったけれど、まさかの犯人像。そしてお粗末すぎる動機と結果。
    これからもこのシリーズ、続きが気になります。

  • 文庫落ちにて再読。
    やっぱりメインが微妙。

  • 日本と違う独特の捜査方法があり、毎回楽しんでいます。

  • シリーズ5作目。
    際立って優秀な捜査官が登場するわけでもなく、
    驚きのトリックやどんでん返しがあるわけでもなく、
    手に汗握るアクションシーンがあるわけでもない。
    いたって地道な捜査に延々と付き合わされるのに、
    それでも読むのをやめられないどころか癖になる。
    どちらかといえば地味なお話ですが、
    このシリーズの面白さは、
    むしろ登場人物たちのプライベートな部分の
    描写にあるのではないでしょうか。
    なかでも主人公である捜査官の、
    トラウマともいえる幼少時代の経験と記憶は、
    シリーズを通してずっと語られるもののひとつです。
    フィクションとはいえ、
    作家の思いや考え方、経験といったものは、
    かならずどこかに表れるはずです。
    それがなんなのか、つい想像してしまいます。



    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
    http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

  • エーデンデュルシリーズ

    毎回、下劣でイライラさせる人物が出てくるけど、先が気になる展開で読み始めたら止まらない。
    日本では3作目「湿地」からの刊行されているけど、ぜひ1作目から読んでみたい…

  • 人種差別が原因なのか?そうではないのか?という殺人事件を主軸に話が進みます。

    ただ所々に、気になる小さなサイドストーリーたちを挟んできて、且つ、いづれもはっきりとは結論が分からず終わります。

    ので、どちらかと言うとサイドストーリーの方が気になります。笑

  • 私が一番好きな北欧ミステリーがこの<エーレンデュル捜査官>シリーズ。邦訳五作目となる今作は、外国人の少年が刺殺体で発見された場面から物語が始まる。今回はアイスランドの移民問題という現在進行形のテーマに焦点を当てているが、肝心な事件の真相は些か精細を欠く。然しながら、それこそが今作唯一の救いだと述べるあとがきにはハッとさせられた。多文化共生は日本とて例外ではないが、私自身も外国人の同僚と相互理解を図る難しさを日々痛感している次第です。独特の情感が味わい深いこのシリーズ、次作の発売は果たしていつ頃なのだろう。

全8件中 1 - 8件を表示

アーナルデュル・インドリダソンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×