印 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488266080

作品紹介・あらすじ

その女性はサマーハウスで首を吊っているのを発見された。夫によると、数年前に母親を病で失って以来、精神的に不安定になっていたらしい。死後の世界に興味をもち、降霊術師のもとに出入りしていたことも。本当に自殺なのか? レイキャヴィクの捜査官エーレンデュルは、わずかな疑問を胸に捜査を進める。暴かれる悲痛な過去に心の奥底までゆさぶられる。アイスランド推理小説大賞受賞、北欧ミステリの巨人によるシリーズ第6弾。

感想・レビュー・書評

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  • アーナルデュル・インドリダソン『印』創元推理文庫。

    レイキャヴィク警察シリーズ第6弾。

    サマーハウスで起きた首吊り自殺の謎だけではなく、主人公であるエーレンデュルの家族や過去と共に30年前に起きた失踪事件を描くことで、ストーリーに重厚感が増しているようだ。焦ってはいけない。これは、ゆっくりとじっくりと味わうべきミステリーなのだ。


    歴史学者のマリアがサマーハウスで首を吊って死んでいるのをマリアの友人のカレンが発見する。マリアの夫によると、数年前に母親を癌で失ってから彼女は精神的に不安定になり、死後の世界に興味を持ち、降霊術師の元に出入りしていたらしい。

    マリアの死は自殺とされ、荼毘に付される。マリアの自殺に疑問を抱いたカレンは犯罪捜査官のエーレンデュルに相談する。エーレンデュルは捜査するうちにマリアの死に疑念を抱く。

    やがて明らかになる悲痛な過去。

    本体価格1,260円
    ★★★★

  •  安定の暗さと面白さ。死後の世界に魅了された女性の自殺とその裏側…。エーレンデュルはエヴァリンドと少し関係が良くなってきた感じ。最後、遂に弟への気持ちを整理するのかな?
     次回も待ち遠しいです。

     アイスランドの寒さや美しい風景が目に浮かぶ、この時期にぴったりの作品だと思います。

  • 文庫化にて再読。

  • うーーんやっぱり好きだ。極寒の地、湖…漂う空気が大好きだ。この淡々と流れていく時間がいいんだよな。現在と(もう誰も知ることはできない)過去の時間…それを交互に垣間見ることができるのは実際に物語を見ている私たちだけなんだよなあ、なんて。登場人物も味があって好きな場面も多かった。これからも追いかけていきたい。

  • 地名人名が長くて覚えられないほかは
    相変わらず渋くて、
    きちっと解決しないような、
    間に合わないような、
    救いがあるような無いような結末に痺れます。

    相手が英語を使うと電話をガチャンと切る
    エーレンデュル、笑える。

  • <エーレンデュル捜査官>シリーズ邦訳第六作目。降霊術士の元に通う女性が自殺死体で発見されるというオカルトチックな筋書きだが、従来通りエーレンデュルが丹念な聞き込みを繰り返すことで、事の真相が明るみに出ていく。今作では彼の家族問題に改善の兆しが見え、娘のエヴァが彼の弟に言及する場面が印象的だ。毎度、謎が解けても全くスッキリしないシリーズだが、自身に課された贖罪かの如く【居なくなってしまった】人々の行方を追い続ける彼が行方不明者の家族にかける言葉に救われた。しかし、この調子だと本来の業務に絶対支障出ますよね?

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