- Amazon.co.jp ・本 (481ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488279066
作品紹介・あらすじ
ドイツと講和条約を締結して和平を得たイギリス。政府が強大な権限を得たことによって、国民生活は徐々に圧迫されつつあった。そんな折、ロンドン郊外の女優宅で爆発事件が発生する。この事件は、ひそかに進行する一大計画の一端であった。次第に事件に巻き込まれていく女優ヴァイオラと刑事カーマイケル。ふたりの切ない行路の行方は-。壮大なる歴史改変小説、堂々の第二幕。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
1巻に続き、またしても読者である自分は一傍観者でしかないのかと思い知らされる。主人公はこれからどうなってしまうのだろう。こんな中途半端に、人生の決定的瞬間だけ見せられて、本を閉じるなんて。ダヴリンと一緒にいる主人公に共感できたのが読んでいて楽しかった?不誠実であることには気づいていても、心のこもった性的交流と愛称のよさ。周りは仲のよいカップルと言ってくれる。クープシューのママにほほえましいものを見るような目で見られたのを思い出した。
大活躍のカーマイケルが30代ではなくなんと20代なのは作者の好みの問題としかおもえない。マイナス2点。
もし今夜ふたりの殺害に成功しても、それはやつらの側に新たな武器を提供するのと同じこと -
1がとても良かったので、勢い込んで読んだのだけど、ちょっと肩すかしかな。前作のルースとデイヴィッドが、文句なく肩入れしたくなる魅力的なキャラクタだったのに比べると、今回のヴァイオラはやや共感を誘いにくいし、デヴリンはもう一つ人物像がはっきりしない感じがする。さらに、1のようなミステリ的興味も薄い。完結篇に期待したい。
-
ファージング3部作の第2作。1作の数ヵ月後の話。なかなかおもしろかったが、前回同様最後があっけない。3作目は違うのか。期待。
-
ファージング1はフーダニットだけど2はサスペンスっぽい仕上がり。内容の構成として、徐々にカーマイケル警部補にシフトしている感じ。ロイストンもいなくなっちゃうしね涙
-
ジョー・ウォルトンが送るパラレルワールドの「つなぎ」にあたる本書。ナチス・ドイツはソビエト・ロシアとクルスクで膠着状態にある。アメリカではファッショを信奉するリンドバーグ(実話)が大統領に就任し、イギリスは「ファージング・セット」による右傾化した政権運営が行われていた。物語はひょんなことで「首相と総統の暗殺」に関与することになった女優の手記とスコットランドヤードの捜査官の記録の二頭立てで進んでいく。歴史が雄弁に語るように、「暗殺計画」などというのは突発的に思いつかれ、杜撰に幕引きを迎えるものだ。『暗殺のハムレット』でも、まるで四則計算でも解くかのような容易さで爆弾が製造され、暗殺の舞台となる劇場に据え付けられる。政治家や革命家は大義名分を声高に叫び、人々を煽情するものと思いがちだが、人間の行動など案外単純で、思いつきで出し抜けに為されるものかもしれない。捜査官は前作の『英雄たちの朝』から引き続き物語の中心におり、いくつも脛に傷を負わせられながら、パラレルワールドをヒタヒタと歩かされる。つなぎのせいかややダレるが、彼の背中を見つめながら読み進める価値あり。
-
このラーキン姉妹のモデルって絶対にミットフォード姉妹だよね。
-
ファージング3部作の2作目。
「英雄たちの朝」と異なり面白くなってきました。
時代背景については・・・うん、なるほどね。