競作五十円玉二十枚の謎 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ん 3-1)
- 東京創元社 (2000年11月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488400521
作品紹介・あらすじ
店に入るなり男は一散にレジを目指し、五十円玉二十枚を千円札に両替してくれと言う。渡された札を奪うように受け取ると慌てて出て行く。本屋のアルバイト嬢に忘られぬ印象を残した、土曜日の珍客。爾来、彼女が友人知人にこの謎めいた両替男の話題を提供するたび談論風発、百家争鳴すれど決定打は出ないまま。…という紆余曲折を経て成立した、世にも珍しい競作アンソロジー。
感想・レビュー・書評
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読みたかった本。若竹七海のお題にミステリー作家と一般人の解答を集めた異色アンソロジー。倉知淳の猫丸先輩作品が一般人枠で載ってたり、その頃覆面作家をやめた北村薫が度々ネタにされたりと意外な所を楽しんだ。有栖川有栖の解答編が好き。
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決まった曜日決まった時間に五十円玉20枚を持って1000円札に両替にくる謎の男。
これだけでも興味をそそられるのに、その謎に対する解答編。というアンソロジー。
プロの作家さんだけでなく、一般の方が書いたもの。
どれも素晴らしい作品だった。
同じ謎だけで、こんなに幾通りもの小説が書けるってすごい。
似たような解答でも、作風やそれまでの設定が違うからどれも新鮮で面白い!
どれも面白くてこれが1番ってのが決められない…
こんなに素晴らしい小説には出来ないけど、謎自体は日常会話で使えそうだし楽しく読めた。
この本に出会わせてくださったフォロワー様に感謝☆ -
毎週土曜、五十円玉20枚を千円札に両替してと依頼してくる珍客…なぜなの? 名難題ミステリーの競作!
1つの課題に対して、ミステリー作家たちと一般公募で回答作を集められた、名作アンソロジー。面白い試みでミステリーファンにはたまらない作品ですね。これ読みたかったんですよね~
実際考えてみても、陳腐で月並みな案しか出ず、ぜんぜんロジカルなストーリーが思いつかない… 皆さん難しい問題にもかかわらず、見事に回答ができていてスゴイと思いました。
一般公募では優秀作2本と最終秀作はさすがといった感じ。掌編で短い物語ですが、お話としてもミステリーとしても成立している。構成もうまいし、文章も丁寧だし、もちろんロジカルで納得性が高かったです。
プロの作家さんたちも、各々個性を出しつつも根拠の構築ができていて素晴らしい!
学生アリスなどのシリーズキャラクターもいっぱい登場して、思わずニヤニヤしちゃいました。
ただ一気に全作品読もうとすると、正直飽きてきちゃう。積読を消化しつつ、合間合間に読むのがより楽しめる読み方だと思いました。本格ミステリー好きは一度は目を通しておいた方が良い作品、おすすめです。-
autumn522akiさん こんばんは
レビューを拝見して「これ、読みたかったやつだ!」と思い出しました。
確かに同じお題なのでちょっと...autumn522akiさん こんばんは
レビューを拝見して「これ、読みたかったやつだ!」と思い出しました。
確かに同じお題なのでちょっと‥となりましたが、学生アリスとか法月さんとかお馴染みさん達が同じ謎に挑む面白さもありましたね。
楽しかったです。思い出させていただきありがとうございました♪2022/02/22 -
111108さん コメントありがとうございますっ
自分もいつも楽しくレビューを拝見させてもらっておりますmm
まさに本作は、ミステリ...111108さん コメントありがとうございますっ
自分もいつも楽しくレビューを拝見させてもらっておりますmm
まさに本作は、ミステリーの大喜利ですよね。座布団一枚っ!
おっしゃる通り、ファンの作家さんの解法を楽しむこともできて最高でした。2022/02/24 -
autumn522akiさん、お返事ありがとうございます♪
「ミステリーの大喜利」確かに!楽しみました〜
これからもレビュー楽しみにしてま...autumn522akiさん、お返事ありがとうございます♪
「ミステリーの大喜利」確かに!楽しみました〜
これからもレビュー楽しみにしてます。
よろしくお願いします(^^)2022/02/24
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決まって土曜日の夕方に五十円玉を二十枚持って、両替を頼む謎の男性。
彼はなぜ毎週土曜日に両替のためだけに本屋にくるのか?
五十円玉がそんなにたくさん彼の手元に集まるのはなぜか?
その謎に対する解答編の小説が12話と漫画が1話。
一つの謎に13の解答。この中に正解はあるのだろうか?
ミステリーの競作は初めて読んだけれどとても面白い。
こういう本は他にもあるんだろうか。
一般公募の優秀作も、作家さんの作品に負けていないと思う。
ミステリーを書ける人ってすごいなぁと、今さらそんなことを考えてしまう。-
ミステリー書かれたことあるんですか!?すごいですね!
私は穴があってもあまり気づかないというか…、お話とアイディアが面白ければそれで楽しめ...ミステリー書かれたことあるんですか!?すごいですね!
私は穴があってもあまり気づかないというか…、お話とアイディアが面白ければそれで楽しめてしまうのでミステリー好きの方とはまた見方が違うかもしれません。
円軌道の外さんはレビュもとても魅力的ですし、小説も面白いものを書かれていたのではないでしょうか?とても気になります(笑)2012/05/18 -
takanatsuさん、ふたたびこんばんは♪
あっ、ホントだ!読んでらっしゃいますね!
本棚検索もせずにおススメしちゃってゴメンナサ...takanatsuさん、ふたたびこんばんは♪
あっ、ホントだ!読んでらっしゃいますね!
本棚検索もせずにおススメしちゃってゴメンナサイ(;^_^A
これに収録されてる有栖川作品、確か学生アリスシリーズだったと
思うんです・・・がっ、わたしの読んだのがずいぶん前なので、
記憶違いだったらまたまたゴメンナサイっ。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。2013/07/29 -
九月猫さん、コメントありがとうございます!
「本棚検索もせずにおススメしちゃってゴメンナサイ(;^_^A 」
いえいえ、私もブクログ始める前...九月猫さん、コメントありがとうございます!
「本棚検索もせずにおススメしちゃってゴメンナサイ(;^_^A 」
いえいえ、私もブクログ始める前に読んだ気がしていたので検索せずにたぶん読んだとか言ってしまいました…(>_<)
「記憶違いだったらまたまたゴメンナサイっ。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。」
大丈夫です♪
それにしてもこんなにハマってしまうなんて自分でもびっくりです(笑)
2013/07/30
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本屋のレジカウンターに毎週土曜日になると現れる中年の男。手には20枚の五十円硬貨。「千円札に両替してください」
若竹七海が大学生時代、本屋でアルバイトしていたときに遭遇したという謎の男。なぜ毎週本屋で両替するのか?なぜ五十円玉は彼の手元に貯まるのか?
この謎に仲間の推理作家が挑戦。そして、今度は一般読者からの公募作も織り交ぜて、「五十円玉20枚の謎」に挑んだアンソロジー。
リドルストーリーとして設定は文句なし。推理作家があれこれと推理を働かせ、謎を解こうとする姿もご愛嬌。
一般公募作品といっても、選ばれた人は猫丸先輩の倉知淳など、今ではプロ作家になっている人もいて、レベルは高い。謎解き自体は「これは面白い!」といえるものはなかったけれど、よくぞここまで話を作り上げられるな〜と感心しきり。
でもまあ、同じ謎を十何作も読み続けると飽きてきて、最後は食傷気味。
1番好きなのは優秀賞受賞の榊京助氏の作品。これはゾクっと来た。ついでに密室殺人トリックまで描いてほしいと思うくらいでした。
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◆ お風呂でミステリ ◆ 第二十一回
「競作五十円玉二十枚の謎」
池袋のある書店で、毎週土曜日、必ず現れて五十円玉二十枚を千円札に両替していく男……。
なぜ?
という“謎”に現役ミステリー作家13人が挑んだ短編競作です。
出題者は若竹七海……。
なんと、ホントにあった話、だそうです。
さて、どんな解答がでたのでしょうか……。
2017年10月31日 -
若竹七海の学生時代、書店のレジ係をしていた彼女の元に奇妙な男が訪れます。彼は毎週土曜日のお昼過ぎになると、五十円玉を二十枚レジに渡して「千円札への両替」を要求するのです。その後彼女はバイトを辞めてしまったので、結局その男の正体は解らず終い。「なぜ本屋で毎週五十円玉を千円札に両替をするのか?」「五十円玉はどうして毎週彼の手元にたまるのか?」をお題に、プロのミステリ作家たちと一般公募の読者が回答します。
解答は大まかに「提示された謎を明確にせず、小説としてうまくまとめたもの」と、「謎に対して正面から取り組んだもの」の二通りに分かれた印象。前者に関しては楽屋落ち話が多く面白くありませんでした。
後者はクオリティーに差がありますが、その中でも一般公募の谷英樹、榊京助の回答はなる程と思わせてくれるものでした。
有栖川有栖と佐々木淳(倉知淳)の作品は解答としてだけでなく、一篇の小説としてよく出来ていると思います。 -
とある書店のレジに、毎週50円玉20枚を千円札に両替しに来るお客、という若竹七海さんが実際に出くわした謎がテーマ。作家はもとより一般からも解決編を募集する、という実に斬新なアイデア。
当時リアルタイムで楽しみたかったなぁ。選考の様子もリアルで良かった。 -
題材に惹かれて買ったが、全体としてミステリーに不慣れな人にとっては不親切な構成であるように感じた。もともと、ミステリーファン向けに書かれている本で、初心者向けではなかったのかもしれない。
出題編の後、冒頭のプロ作家による回答編の二つは、ミステリー作家の身内ネタがたくさん含まれていて、その手の硬派なミステリー作家を読んだことがない身としては、ちょっと入りにくかった。ネタとして笑えるところはあり、かつ、きちんと謎の回収はきちんとしていたのだけど、敷居の高さが残った。
その後、審査会の様子を挟んで本格的な回答編が始まるという構成で、致命的なネタバレはないにしても、本編前にこれを載せるのはいかがなものだろうか。
ということで、少しお休み中。