- Amazon.co.jp ・本 (1182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488415044
感想・レビュー・書評
-
開口部を完璧に閉ざされたダッソー家で、厳重に施錠され、監視下にあった部屋で滞在客の死体が発見される。現場に遺されていたナチス親衛隊の短剣と死体の謎を追ううちに三十年前の三重密室殺人事件が浮かび上がる。現象学的本質直感によって密室ばかりか、その背後の「死の哲学」の謎をも解き明かしていく矢吹駆。二十世紀最高のミステリ。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
4番目
-
人のおススメを聞いただけなのだけど、読んでみたくなりました。
物語を展開していく着眼点がすごい!すごそう。
これをきっかけに哲学書をかじるようになったらいいなあという
ちゃっかり心もあり。 -
名探偵矢吹駆がパリを舞台に活躍する本格推理小説。哲学がキーワードになり、単に殺人事件を解決するだけではなく、哲学的な思索が作品の骨組みを作っている。とてつもなく豊かな読書経験を与えてくれる、僕にとっては最高と言っていいほどのミステリであった。
30年の時間をおいた、二つの3重密室は、それだけで興奮できる不可能犯罪である。そしてその背景で、事件の欠かせない要素であるナチによるユダヤ人虐殺は、それに関わった人たちに心理を含め、鳥肌が立つような迫力で迫ってくる。こういったことと正面から向き合うには、確かに哲学が必要だと思う。
「死」の持つ意味や、豊かな「生」をつかむことなど、読んでいて考え込んでしまうことも多かった。単なる推理小説としてもすばらしい完成度を誇る重量級の作品だけど、哲学書(とまで言っていいかどうか、僕にはわからないが)としても、興味深いものであった。
すばらしい時間をもらえた。
2005/4/1 -
■時空を超えて共鳴する、ふたつの“三重密室”
開口部を完璧に閉ざされたダッソー家で、厳重に施錠され、監視下にあった部屋で滞在客の死体が発見される。現場に遺されていたナチス親衛隊の短剣と死体の謎を追ううちに30年前の三重密室殺人事件が浮かび上がる。現象学的本質直感によって密室ばかりか、その背後の「死の哲学」の謎をも解き明かしていく矢吹駆。1100ページ超の全1冊で贈る20世紀最高のミステリ! -
物理的にも内容的にも、シリーズ中最大重量級。重いうえに難解。だけどそれに充分見合うくらいにミステリとしても面白かったので満足。三重密室×2にわくわく。
しかしやっぱりカケルの言ってることちっともわからない……。劣等感に苛まれる一冊であることも間違いないので、その点も留意して読むべし(笑)。読み終えると、すごーく勉強したぞっ!という気分にもなれるけどね。 -
ハルバッハの「死の哲学」は、ナチスの生んだ「大量死」の現実の前に砕け散った
(試合に勝って勝負に負けたとでも言うべきか)
一方でナディア・モガールは、ハルバッハを応用して、自分なりの「愛のかたち」を発見する
しかしそれは結局、「特権的な死」の夢想を、裏返したにすぎないものではないか?
久々に読んだけど、あらためて超名作と思いました
けど、607ページのイラストおかしくないだろうか
あれカンヌキ抜けなくね? -
ちょっと長すぎる気もします。
-
第4話『涼宮ハルヒの退屈』