- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488419158
作品紹介・あらすじ
雪が舞う岩手県の山奥、アルファベットのオブジェが散らばる『アルファベット荘』に招かれた個性的な面々。だが招待者は現れないまま、夜は更けていく。翌朝、「創生の箱」の中で招待客が屍体となって発見される。しかし死体を運ぶために通ったはずの中庭には足跡は無くて……? 売れない役者、変人にして小劇団の看板女優、そして何も持たない探偵が奇妙な屋敷の幻想的な事件を解き明かす。当代きってのトリックメーカー・北山猛邦、幻の長編!
感想・レビュー・書評
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懐かしい感じがするのは90年代が舞台のせいか著書の持ち味なのかわからないが、不可能犯罪専門の探偵など癖のあるキャラクター達と合っていて結構好み。トリックは評価難しいが「雪の山荘」事件と『創生の箱』という魅力的小道具でわくわくした。
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雰囲気が良かった一冊。
舞台は岩手県の山奥。
その名もアルファベット荘。
そこで起きた招待客の殺人事件。
雪の中、足跡はないのにどうやってこの殺人が成立したのか…というなんとも興味津々の謎解き時間。
プロローグから雰囲気バッチリ、関わったものは死に至るという「創生の箱」もまた心そそる。
果たしてこの殺人事件の解明の鍵はどこにあるのか。
ミーコ、美久月、ディのキャラバランスが良い。
疑心暗鬼になる中、美久月のキャラに時々和み、絶対解決へのディの言葉、存在が安心感をもたらすこの雰囲気が良い。
雪の夜の事件、最後まで楽しめた。 -
アルファベットのオブジェが散らばる山荘に招かれた人々。そこには手にした人々を不幸にしてきた「創生の箱」があった。そして、ドイツで16年前に起きた事件のように、空だったはずの箱から死体が発見されて─。
復刊の声も頷ける面白さ!個性的なキャラに怪しい館と箱、雪のクローズドサークルと揃った仕掛け。手がかりはまるで山荘に散らばったアルファベット。あからさまに転がっているのに、並べ替えなければ意味を持たない言葉のよう。すべての手がかりが意味を持った瞬間の鳥肌がすごかった。
売れない役者で語り部の未衣子。先輩で看板女優だが舞台を降りるとだらだらな美久月。名も感情も家族も過去の記憶も持たないが、不可能犯罪を必ず解く探偵・ディ。この凸凹トリオが軽妙に事件をかき回し、暴き、読者を叩きのめしてくれる。文章という雪の中に忍ばせた伏線の数々にはやられたの一言。
人の心を凍らすのも溶かすのも最後は人なのだ。人はクローズドサークルに閉じ込められるだけではなく、自分から閉じ込められているのかもしれない。人の輪が織り成すドラマが最後の雪を溶かす演出は印象的だった。 -
巨大なアルファベットのオブジェが散在する屋敷のパーティーに招かれた10人。しかし主催者は現れず、雪に閉ざされた中で殺人が‥
トリックやキャラについては初期作品の復刊ということで納得。現実感がなく幻想的な雰囲気。関わった者は死に至るという不吉な「創生の箱」がワクワクする。 -
著者の初期の作品がようやく復刊となってくれた。前々から読みたいとは思っていたが手に入らずに悔しい思いをしたことを思い出す。内容としてはド直球に本格ミステリ。正直に書くと現実的かどうかはともかくとしてトリックとしてはわりかし簡単にわかる方だとは思う。でも最後に判明する動機の点が素晴らしい!犯人だけではなく個々のキャラの造形が凝っているからこそ出来上がった作品だと言える。他の方も書いていたけれどシリーズ化してほしいなぁ。
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うーん、評価が結構い良いので読みましたが、うーん
そんなトリックうまくいく??って感じです。
読み始めて、これはシリーズ物なのか?と思ってしまった。
メインの3人キャラ立ってるのに、この作品だけなのかな~ -
クローズドサークルもので初版は2002年刊行の作品。
初読みの作家様でしたが帯にあるトリックメーカーに相応しい幾重にも張り巡らされたトリックはThe本格で、同じく帯に幻想本格ミステリとあるけど幻想部分は読み終えた後はちょっとほろ苦い後味。