オーブランの少女 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
3.83
  • (58)
  • (125)
  • (84)
  • (11)
  • (0)
本棚登録 : 1134
感想 : 106
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488453114

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 短編集。真っ向の犯人当てと言うより、物語の核に謎がある。異国の描写が読みやすい。人に対してドライな印象を持った。小川洋子を感じた。表題作と氷の皇国が好き。

  •  ひとつ目の感想には、「巧いなぁ!」が出てきました。
     読んでいて、建設的に物語の要素が姿を現して、風呂敷が広げられていくのが分かります。そういう感覚を読者に感じさせない小説も好きだけれど、読者を置いて行かないどころか手をぐいぐいと引かれるような構成に力強さを感じました。

     それぞれの短篇は舞台も時代も、ミステリーの性質もてんでばらばら。一つの話から次の話へ移った瞬間は戸惑ってしまうけれど、どの物語の世界もしっかりと濃い色と厚みを持っていて、どれほどの労力と時間がこの一冊に費やされたのだろうと驚くばかりでした。
     とくに最後の「氷の皇国」は、氷に閉ざされた大地、石造りの城塞、色硝子のランプに揺らめく炎など、異世界ファンタジー好きには堪らない情景をこれでもかと描き出しています。解説にて、作者は長編用にこの世界設定を練ったとあるので、ラズラト河河畔の漁村やユヌースク帝国全体を舞台にした超大ファンタジーへの期待に胸が高まります。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    美しい庭園オーブランの管理人姉妹が相次いで死んだ。姉は謎の老婆に殺され、妹は首を吊ってその後を追った。妹の遺した日記に綴られていたのは、オーブランが秘める恐るべき過去だった―楽園崩壊にまつわる驚愕の真相を描いた第七回ミステリーズ!新人賞佳作入選作ほか、異なる時代、異なる場所を舞台に生きる少女を巡る五つの謎を収めた、全読書人を驚嘆させるデビュー短編集。

  • 読み進めるほどにこの世界に入り込んでいった。
    一箱古本市で題名目隠しして、選んだ本。

  • 「オーブランの少女」「仮面」「大雨とトマト」「片想い」「氷の皇国」から成る短編集。時代や舞台がこんなにバラバラで、でもどれも面白いミステリが書けるって、すごい。しかもデビュー作とな。
    私は「仮面」と「片想い」が特に好き。
    「仮面」はなんかこう…登場人物みんながイヤーな感じが良い。冷たくて、利己主義な感じがたまらない。
    「片想い」は女学生同士の話(百合ではない)。なんかこううまく言えないけど、誰かの特別でありたい気持ちっていうのがすごーく伝わってくるし、共感できる。ミステリぽくはないけれど。
    ほかの作品も読んでみたいなー。

  • 少女たちを中心に据えた物語集。
    表題作は美しいイメージが入ったが意外と骨太な物語だった。

  • 一度目より二度目、繰り返し読むとますます感動が深くなるよ。あさってに横浜でトークイベントがあるそうです。サイン貰えるみたい!楽しみ!

  • 表題作の語り手が、事件に関わってしまった自分の娘に対して何の感情も示さないのが、事件そのものより怖い。

  • 図書館で。
    面白くない訳では無いけれども…という感じ。
    オーブランの少女は色々無理がある気がする。ユダヤの女の子のシェルター、という着眼点は面白いけどわざわざ生活苦の子供たちを集めたのもなんだかなぁ?という感じだしオネエサマの豹変ぶりもちょっとおかしい。さらにその後のエピソードまで年が立ちすぎてないか?というような。なんか…うん、無理があるんですよね…。

    大正ロマンみたいな女子学生さん二人の話が一番可愛かったかな。あまり罪のない感じが。他の話はあまり印象に残らなかったかな~ 

  • 2017.6.27読了 73冊目

全106件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

深緑野分(ふかみどり・のわき)
1983年神奈川県生まれ。2010年、「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。13年、入選作を表題作とした短編集でデビュー。15年刊行の長編『戦場のコックたち』で第154回直木賞候補、16年本屋大賞ノミネート、第18回大藪春彦賞候補。18年刊行の『ベルリンは晴れているか』で第9回Twitter文学賞国内編第1位、19年本屋大賞ノミネート、第160回直木賞候補、第21回大藪春彦賞候補。19年刊行の『この本を盗む者は』で、21年本屋大賞ノミネート、「キノベス!2021」第3位となった。その他の著書に『分かれ道ノストラダムス』『カミサマはそういない』がある。

「2022年 『ベルリンは晴れているか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

深緑野分の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ピエール ルメー...
米澤 穂信
宮下奈都
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×