オーブランの少女 (創元推理文庫)

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  • 東京創元社
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感想 : 105
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488453114

感想・レビュー・書評

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  • 誰からお借りしたかわからなくなっている本
    多分、Tぬっぽい

    それはさておき、最初海外設定かぁという感じで、取っ付きにくい印象だったのが、なかなかに唸らせる内容に驚き。
    どの話も重たく響いてくる感じでした。
    たまにこのくらいダーク?な感じのものを読みたくなるかも。

  • 美醜を突き詰める気高い筆致、一貫した無常観に作家性の強さがあって、作者は今後すごいことになりそう。というかもうなってる?

  • 請求記号 913.6/F 72

  • 短編集。「大雨とトマト」が映像化したら面白そう。「世にも奇妙な物語」あたり、どうでしょう?

  • 少女は、秘密を抱いて微笑む。

    表題作だけでなく、どの作品も、何かしらの偽りや秘密を持った少女が登場する。明かされた真実は残酷だったり、やるせなかったり、切なかったり。後味は、それほど悪くない。さっぱりした文章だと思う。特に舞台が外国のものは、翻訳小説のように感じた。

    「オーブランの少女」管理人の姉妹、老女の死体、それらの正体は誰なのか? 重要なのは、真相としてここで述べられている手記も、語り手の脚色を含むということ。閉ざされた庭といえば、「秘密の花園」だが、もっと怪しげである。

    「片思い」これだけは舞台が日本、おそらく少し前の。女学校の生徒たちの友情と秘密。吉屋信子のような世界。女子校、女子の世界、女子の友情(優しいver.)、というものを楽しみながら読めた。

  • 傑作『戦場のコックたち』の著者である深緑さんの処女作となる短編集です。作品の舞台は架空の国家、19世紀のイギリス、現代の日本など様々ですが、いずれの作品も少女が主人公もしくは物語の鍵を握る役割として登場するところが共通しています。
    表題作「オーブランの少女」をはじめ、海外の翻訳小説を読んでいるような独特の雰囲気と舞台設定の妙が印象に残りました。作者の筆力によるところが大きいと思うのですが、海外を舞台にした作品でありがちな「つっかかる」ところがほとんどなかったので、読み心地は非常に良かったです。
    難点をいえばミステリとしてはちょっと弱いところがあったことと、「大雨とトマト」は設定が現代の日本ということで本作品集の中ではちょっと浮いた感じがしました(展開自体は割と好きではあるのですが)。とはいえ本作はデビュー作。『コックたち』を経て、次回作でいったいどこまで飛躍してくれるのか非常に楽しみであります。

  • 「オーブランの少女」ナチスドイツ。
    「仮面」霧深きロンドン。
    「大雨とトマト」現代日本。
    「片想い」エスの文化の日本。
    「氷の皇国」架空の北欧の王国。

    舞台も文体もフレイバーも全然異なる、幅の広い短編集。
    表題作の陰惨さ、「片想い」のゆりゆりしさ、「氷の皇国」の魔性。
    豊潤な翻訳小説のよう。まさに。

  • 美しい庭園の秘密・・・一気読みするくらいの展開と少し哀しい物語がよかった、
    映画でもよさそう

  • 強か。少女といえども女性ということなのだろうか。ほんのり怖く、逞しく生き抜く少女たちの物語。
    あらすじ(背表紙より)
    美しい庭園オーブランの管理人姉妹が相次いで死んだ。姉は謎の老婆に殺され、妹は首を吊ってその後を追った。妹の遺した日記に綴られていたのは、オーブランが秘める恐るべき過去だった―楽園崩壊にまつわる驚愕の真相を描いた第七回ミステリーズ!新人賞佳作入選作ほか、異なる時代、異なる場所を舞台に生きる少女を巡る五つの謎を収めた、全読書人を驚嘆させるデビュー短編集。

  • 舞台となる国、時代は様々ですが、どれも見事な筆致で描かれています。キャラクタの設定も良くできています。少しブラックなところがあるストーリーも魅力的です。

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著者プロフィール

深緑野分(ふかみどり・のわき)
1983年神奈川県生まれ。2010年、「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。13年、入選作を表題作とした短編集でデビュー。15年刊行の長編『戦場のコックたち』で第154回直木賞候補、16年本屋大賞ノミネート、第18回大藪春彦賞候補。18年刊行の『ベルリンは晴れているか』で第9回Twitter文学賞国内編第1位、19年本屋大賞ノミネート、第160回直木賞候補、第21回大藪春彦賞候補。19年刊行の『この本を盗む者は』で、21年本屋大賞ノミネート、「キノベス!2021」第3位となった。その他の著書に『分かれ道ノストラダムス』『カミサマはそういない』がある。

「2022年 『ベルリンは晴れているか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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