青空の卵 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2006年2月24日発売)
3.75
  • (634)
  • (841)
  • (873)
  • (118)
  • (48)
本棚登録 : 6958
感想 : 807
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (394ページ) / ISBN・EAN: 9784488457013

作品紹介・あらすじ

外資系の保険会社に勤める僕・坂木司には、一風変わった親友がいる。自称ひきこもりの鳥井真一だ。複雑な生い立ちの鳥井は外部との接触を極力避け、僕を通じて世界を見ている。そんな鳥井の関心を外の世界に向けるため、彼との食卓に僕が出会った身近な謎を披露していく。大人の視点で推理し、子供の純粋さで真実を語る鳥井は、果たして外の世界へとはばたくことができるのか。著者デビュー作にして人気の〈ひきこもり探偵〉シリーズ、待望の文庫化。文庫版著者あとがき=坂木司/解説=北上次郎
■目次
「夏の終わりの三重奏」
「秋の足音」
「冬の贈りもの」
「春の子供」
「初夏のひよこ」

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

日常に潜むミステリーを解き明かす物語は、個性的なキャラクターたちの心温まる友情を描いています。自称ひきこもりの鳥井真一と、彼を支える純粋な友人坂木司の二人が、さまざまな謎に挑む姿が魅力的です。通り魔の...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 坂木司さんのデビュー作。
    日常に潜むミステリーを解き明かしていくのは自称ひきこもりの鳥井真一。彼を支え、同時に支えてもらっているのが純な男、坂木司。
    不器用な二人の生き方と友情に惹かれる。
    今回は、男を襲う通り魔の謎、視覚障害者を尾行する人の謎、若手歌舞伎役者に届けられるプレゼントの謎、迷子の少年の秘密などを鳥井達が解き明かす。理知的でぶっきらぼうな鳥井は魅力的だ。いつも本質をずばり突いている。でも、涙もろく善意の塊のような坂木がいるから、鳥井は鳥井らしくいられるのだ。
    読んだ後があったかい。

  • 「ショートケーキ。」がすごく良かったので、デビュー作を読んでみた。
    が、これはあまり好みではなかった。
    鳥井くん、口が悪いのはまあいいとして初めて会った人に「じじぃ」呼びはさすがにないかな。
    なんとなく他の登場人物にも好感が持てず、話に入り込めなかった。

  • 再読シリーズその4。
    ひきこもり探偵シリーズ第一作にしてデビュー作。

    ご存じない方のためにまたまた少しだけ説明させていただくと、ひきこもり探偵・鳥井真一は家から一歩も出ないタイプのひきこもりではなく、友人でワトソン役の坂木司の言葉を借りれば『ひきこもり気味の人間嫌い』であり近所に買い物するくらいは一人でできるし坂木が付いていれば電車にも乗れる。

    ミステリーとしてはいわゆる日常の謎を解き明かすタイプでインディゴシリーズのように人が殺されるようなことはない。だがだからと言って軽いテーマばかりとも言えないのが特色だろうか。

    初読(2009年)の時はそれほど感じなかったのだが、十年以上の時を経て改めて読み返すと、どうも鳥井の乱暴で攻撃的な態度が鼻に付く。一方で坂木が少しでも悲しんだり困ったりするとたちまちパニックに陥る。
    野性的と言うか、まるで卵からかえったヒヨコが坂木という親を見て彼にべったりするような、そんな印象を受けた。

    だがそれも仕方のないことかも知れない。
    母親は彼を生んですぐに出ていき(そもそも子供は嫌いだったようだ)、父親は海外での仕事が多いことにかこつけてほとんど彼を顧みない(だが優しくはあるようだ)、彼を幼いころ育てた祖母は嫁(坂木の母)を罵り続け…と、とても家庭的とは言い難い状況で育ってきたのだから。

    一方の坂木もまた単なる良い人ではない。中学時代にいじめられ追いつめられていた鳥井に声をかけ、以来友人になるのだがそれは『卑怯なタイミング』だったと自身で邂逅している。
    その分鳥井がパニックに陥ることがあれば激しく取り乱すほどに動揺し仕事も放りだして駆けつけ、『僕は裏切らない』と『ありったけの声で叫ぶ』。
    乱暴な表面も裏を返せば正直さゆえという彼の魅力をすべてを知っている坂木は、なぞ解きの度に彼の世界が広がっていくことを嬉しく思う一方で、いつか自分から離れていくのではと恐れてもいる。

    二人の相互依存の関係が強すぎて、間に割って入れないほど濃厚過ぎて、時に痛々しいものを感じてしまう。
    坂木は自身のことを『あまりに凡庸な家庭で育った型通りの人間』と評しているが、語られない部分で坂木自身にも何らかの傷を抱えているのかも知れない、などと勘ぐってしまった。
    過去の自身のレビューを振り返ってもそのようなことは書いてないのでどうだったかは忘れてしまったが。

    この二人だけで物語が延々進むのなら途中で挫折してしまうところだったかも知れない。
    が、良い緩衝材となってくれる二人のおかげで少し楽になれる。
    一人は高校時代の同級生で現在警察官の滝本。『誰にでも調子がいい』フレンドリーさはあるが、警察官だけに視点のするどさもある。
    そしてもう一人は職人の木村栄三郎おじいちゃん。江戸っ子口調で気持ちが良いし、鳥井の態度も受け入れつつ言うべきところは言う格好良さもある。

    他の方々のレビューにもあるように、ミステリーと言うよりは様々な人間模様、人生ドラマという要素が強い作品だった。
    謎解き中にも鳥井の説教が始まったりするので、それが苦手な人もいるかも知れない。
    鳥井・坂木コンビと同世代だったり若い人なら楽しく読めるだろうか。
    三部作なので続編はあと二作あるが、再読はしなくて良いかなと思ってしまった。
    坂木さん、ごめんなさい。

    興味のある方のためにシリーズ作品一覧を挙げておきます。
    ①「青空の卵」本作
    ②「仔羊の巣」
    ③「動物園の鳥」

  • 大好きな坂木さんのデビュー作♬
    ひきこもり探偵シリーズ第1弾!

    自称ひきこもりの鳥井真一と、その友人、坂木司の2人が日常の謎に臨むストーリー♪
    おぉ〜主人公の1人が坂木司さん!
    時々作家さんと同名の主人公出てくる作品あるけど(道尾さんの背の眼とか)こういうのテンション上がるタイプです笑⤴︎

    ちょっとした日常ミステリーって、読み応えある〜とかめっちゃ面白かった〜とまではいかないけど、ゆるっと楽しめてなんかとても良き♡
    ☆3だけど、好きでした\♡︎/

    ゆるっと読めて、じんわり心あたたまるストーリー♪
    続編も読みたい♡

    • みんみんさん
      このシリーズわたしも好きになりました♪
      なんかちょっとクセになる感じ(^-^)
      このシリーズわたしも好きになりました♪
      なんかちょっとクセになる感じ(^-^)
      2023/06/14


  • 日常ミステリー系。


    引きこもり探偵の鳥井が個性的なキャラクターで引き付けられるが、それ以上に鳥井とその友人の坂木の関係性が気になって仕方がなかった。


    結局のところ、坂木は、鳥井に引きこもっていて欲しいのか、それとも外出してほしいのかこういう関係をずっと続けて欲しいのかよくわからない。
    共依存なのかな?
    後書きを読んでも、著者の2人の関係性についての意図はよくわからなかった。


    生きていく上での幸福は、誰かと分かち合う記憶の豊かさにあると僕は思う。
    という坂木の言葉が深くて、私の心に刺さった。

  • 「和菓子のアン」の坂木さんのデビュー作が、探偵シリーズ...?ああ、たしかにミステリー作家カテゴリーでしたよね...という気持ちで図書館から借りてきました。

    殺人..?(苦手)とか死体...?(苦手)とか勝手に想像して中々読み始められなかったのですが、思ったよりは平和なミステリーでした。謎解き的な感じかな。
    ミステリー視点もきちんとあったけど、それより「人としての」観点から色々気づかせていただくことが多かったです。そうそう!と読みながらピンクの付箋つけてたら、本上部が真っピンクにー。

    三部作らしいので、次も借りてこよう〜。

  • ひきこもり探偵という響きが魅力的で、しかもシリーズとくると、私には読みたい作品である。題名からは・・・。
    プログラマーでひきこもりの鳥井真一と保険会社に勤める坂木司は高校時代からの友人だ。
    この2人が日常の謎を解いていく。

    5つの物語があるが、いずれも中途半端な感じを受けた。人の心の中を洞察力の高い鳥井が紐解いていく。ミステリーとしては後出しジャンケンのようで、意外性も高くない。坂木は純粋でお人好しなタイプだ。決してワトソンタイプではない。日常の中で心の奥底で展開されるだろう物語が顕在化しているのも現実的でないと感じる。そうかといってエキセントリックでないところが、中途半端な感じにさせられる理由かもしれない。
    坂木司は作者の名前でもあり、その辺りも描写にやや空虚な感じを与えられた。

    巣田香織の異常な行動、塚田基と安藤の事故後の関係、歌舞伎役者になった安藤に届いた不審物、佐藤と息子のまりおの関係、最後は事件ではなく少しほっこりする。

    夏の終わりから始まり、初夏で終わる5つの物語、多少の季節感はあるが短い中で表現するのは難しかったのだろう。タイトルは作品の一部だと思うのである。私が読むタイミグがこの作品の描写とマッチしなかったのも残念な印象となったと思う。

  • 読了。
    やはり坂木さんの世界観はいい。

    ミステリーだけれどなんだか読み終えた後はすごく幸せな気持ちになれた一冊でした。


    子供の心をもち大人の推理力をもつ、鳥井真一。
    誰よりも素直で真面目でお人好しな、坂木司。

    このコンビの会話や生活の流れが常に微笑ましくて、一緒になって悲しくなったり嬉しくなったりしながら読んでいました。

    鳥井に、自分の心の奥底を見抜かれて、突かれて、そして思いきり本心を声に出したくなるような気持ちになりました。

    鳥井と坂木はいろんな変わった人達に出会い、囲まれて、そしてなんだかとても楽しそうで。
    私もこんな2人と出会ってみたい。

    不器用だけど、ちゃんと言葉にしないと伝わらない。人から裏切られるのは辛いし悲しいけれど、辛くても自分から一歩踏み出さないと変われない。
    色々と共感できる部分も多く考えさせられた、そんな作品でした。

  • 坂木司を子どもに勧めておきながら、この作品は読んだことがなく、逆に勧められて読みました。
    面白い。デビュー作と知ってびっくり。
    シリーズ三作品、全部読もうと思います。

  • 最初、
    (う、私には合わないかも…。)
    と、思ったのは、
    主人公の名前を見たときだ。

    『坂木 司』

    あ、著者ですね。
    と、いう事は、
    どこまでもナルシスティックな物語の始まりか?

    同名の主人公はきっとものすごくイイ人で…
    と、思っていたら、案の定。

    坂木は果てしなくイイ奴で、
    彼の周りには、いつの間にか人が集まってくると言う、
    魅力的なキャラであった。

    そして読後、
    その取り巻きのなかに私もはいっていた。(^^;

    結局、そうなってしまったのは、
    泣きのツボ、が彼と一緒だった所。

    私より先に坂木が、
    坂木より先に私が。

    とにかくどちらかが泣くと、どちらかが泣いている。

    なんか、泣き虫。

    すぐ感極まっちゃってさ…。

    相棒の引きこもり探偵(?)の鳥井(←彼も魅力的なキャラである。)
    と共に、日常のちょっとした謎を解いてくほのぼのミステリー。

    殻を破らねば目にする事もない、青空の果てしなさがとても眩しかった。

  • もう返す言葉もありません。
    ぐうの音も出ません。
    自分がどれほど臆病だったか思い知らされてしまいました。

    真っ直ぐな坂木さんと無愛想だけど相手を無視しない鳥井さん、そんな2人が他人に言えない悩みを抱えた人の秘密を暴き、1人じゃ解決出来なかった問題を一緒に考えてくれる。
    坂木さんは優しく微笑み、時に涙ぐみながら。鳥井さんは迷惑そうだけど、実は誰より相手の気持ちに寄り添っている。

    そして相手の抱える問題が明らかになるにつれて、その問題を薄々知っていて見てみぬふりをしていた自分の姿を突きつけられる。
    1人で解決出来る問題なんて本当は存在しない。
    なのに他人の悩みや問題に手を出すことに脅えているんだ。
    誰かの内に踏み込むことをおそれているんだ。

    拒絶されることだったり、飲み込まれることだったり‥いろんなことを怖がっている。
    相手を受け入れることも、相手に自分を受け入れてもらおうとすることも、どっちもすごく勇気のいることだって知っていた。
    でも知らないふりをしていたし、そんな相手がいないって目をそらしていたと思う。

    「僕は裏切らない!」
    坂木さんのように確信を持って叫べたら、
    「もう、真一が幸せでない限り、私は幸せにはなれないんだよ」
    こんな言葉を心から言えたら、その1点においては自分を信じることが出来るのに。
    私も絶対揺らがない何かが欲しい。

    そして坂木さんと鳥井さんの関係が何があっても揺らがない安定したものになりますようにと願ってしまう。
    続きが読みたいけど、ちょっと読むのが怖い気持ちもあり…。

    • まろんさん
      takanatsuさん、あけましておめでとうございます。

      新年早々、私の大好きなこのシリーズをtakanatsuさんが読み始めてくださって...
      takanatsuさん、あけましておめでとうございます。

      新年早々、私の大好きなこのシリーズをtakanatsuさんが読み始めてくださって
      この歳にしてお年玉をもらえたかのように、うれしいです♪

      包み込み、慈しむ坂木、殻に閉じこもっているようで必死に手を差し伸べ続ける鳥井、
      鳥井に見抜かれ、坂木に救われて、ふたりに温かく関わり始める人々。
      ひととひととの繋がりが胸に沁みる作品ですよね。

      卵→巣→動物園と、タイトル通り、鳥井の行動範囲も広がって
      ふたりの関係も少しずつ変化してはいきますが
      takanatsuさんが読んで後悔するようなことはけっしてないと思うので
      ぜひあとの2冊も読んで、素敵なレビューを綴っていただきたいです(*'-')フフ♪
      2013/01/04
    • takanatsuさん
      まろんさん、あけましておめでとうございます。
      コメントありがとうございます。
      坂木さんと鳥居さんの関係がとても魅力的な作品ですね!
      た...
      まろんさん、あけましておめでとうございます。
      コメントありがとうございます。
      坂木さんと鳥居さんの関係がとても魅力的な作品ですね!
      ただちょっと心配になってしまいました。影響受け過ぎなのかもしれません…。
      「読んで後悔するようなことはけっしてないと思うので」
      まろんさんがそう言ってくださるなら安心です。
      続きも楽しみです♪
      2013/01/04
  • この熱が落ち着くまではひたすら坂木司作品を読もうと決めた。
    毎回登場人物一人ひとりの個性がすごく光っているし、読みやすくて楽しい。

    章ごとにある謎解きも、高度な伏線とかがあるわけではなく時には何となくの予想が当たって「やっぱりそうなのね」となることもあるけれど、それでも(だから?)気持ち穏やかに読める。

    今回読んだのはデビュー作品。
    主人公の坂木司の身近で起こる事件(謎?)を、彼の友人であるひきこもりの鳥井真一が解決していく。

    この2人の関係性がとても特異。共依存というのかな。普段は愛想もなくとんがった口の利きかたしかしない鳥井(本郷奏多くんのイメージ)は、坂木の感情に強い影響を受ける。坂木が泣けば不安になった鳥井も泣いてしまう。。。こうなってしまったのは、鳥井の過去が原因のようだけど。。。

    特に、おお!と思ったのは、坂木が鳥井との関係をこう表現しているところ。
    「僕は、中身のない人間だ。鳥井に反射させるほどの自己さえ、持ってはいない。たとえていうなら、刀の鞘。鳥井という刀がなければ、ただの空虚な器に過ぎない。だからきっと、僕は彼を受け止めたくてたまらないんだろう」
    そこまで!と思ったけど、なぜだかこの関係を受け入れて読めたなぁ。


    「いまの日本じゃ、欠けたもの、汚いものはモザイクの向こうに消えてるんだ。『世間』というブラウン管に映るのは、欠けたところのない、きれいなものばっかりだぜ。それを見せられていて、本質を見ることなんて、できないだろう?」

  • 鳥井真一は、中学時代の同級生坂木司にだけ心を許すというよりも坂木司が居なければ外にも出られない引きこもりの青年だ

    鋭い観察眼を持つ鳥井真一が身近に起こった謎を次々と解いていくのだが、初めは二人の関係がどうも異様に思えてなかなか話に入り込めなかったというのが正直な感想だった
    しかし、第4章「春の子供」を読んでいくうちに、鳥井の引きこもりになった原因や心にどんな不安を抱えているのか、坂木司が鳥井にとってどんな存在なのかが明らかにされていて、やっとこの本の真髄に触れた気がした

    「鳥井、鳥井!僕がいる!どんなことになっても、僕は絶対鳥井のそばにいるから!」
    扉を叩く手が赤く腫れてきた。それでも僕は叩き続ける。ありったけの声で叫ぶ。
    「僕は裏切らない!」

    なぜそこまでして坂木司が鳥井真一に関わろうとするのか

    僕らは、不思議な場所に生きている。生活のハード面ではこれ以上ないってほど快適で、ソフト面では何かがぽっかりと欠落している。そんな世界
    しかし、そんな世界でも、僕は夢を見ることができる。わくわくすることができる。それは鳥井真一という人間に出会ったからだ。
    日常の皮をつるりと裏返して、隠された世界を僕に見せてくれる鳥井。それは時に悲しい物語かもしれない
    「心の中に棲む人と暮らせば、幸せも不幸せも、本物が手に入るぞ」
    僕は、本物が欲しい。
    僕は、本物になりたい

    引きこもりの鳥井真一を何とか社会へと引っ張り出そうとお世話しているのではないのだ
    鳥井真一のおかげで、坂木司も日々、成長している
    このことは、読んでいくとよく分かる

    困っている人を見て、声をかけたことで余計なお世話だと怒られてもいい、声をかけなかったことで、重大な事態となり後悔するよりは・・・といろんな場面で出くわした人に積極的に声をかけ行動していく坂木
    これは鳥井との関わりから坂木が学んだことだ

    お互いがなくてはならない関係なのだ

    章ごとにいろんな人が出てきて、その人たちがまた後半に登場する
    それだけ鳥井を取り巻く世界が少しずつ広がっているということ。少しずつ社会への扉が開いているということ
    ではないか

    シリーズ第二弾では、どんな謎を解いていくのか、楽しみにしたい

  • 2.5

  • ずっと本棚にあって、ようやく読めた。一日の最後に一編ずつ読んだ。日中に、『今日はどんな話だろう』と考えるくらいに、ひきこもり探偵シリーズの虜になった。

  • ひきこもり探偵シリーズ①
    夏の終わりの三重奏
     男を狙う通り魔。犯人は理不尽なことをされていた女性。
    秋の足音
     イケメン盲目青年と男女の双子。バイク事故からの友情。
    冬の贈りもの
     歌舞伎俳優への貢ぎ物。成金夫婦の生い立ち。
    春の子供
     話せない、まりお君。ひとりぼっちでパパを待つ。
    初夏のひよこ
     成金夫婦、とし子&丈太郎。店を出す!!

    謎解き自体は、おもしろい!!
    けど、ひきこもりの鳥井とその友人坂木との友情が
    むず痒かったー!!
    こういう形の友情もあるのかもしれないけど、
    お互いがお互いを依存しあってるのは、
    あんまり共感できなかった。
    あと、鳥井の偉そうな口調もあんまり好きじゃない。
    の割に、坂木が泣くと鳥井も感化されて泣いて…
    おいおい、君たち、いくつだいー笑

    でも、これが坂木司さんのデビュー作なんだね!!
    それには驚きー!!!!

  • 著者と同名の主人公である外資系保険会社サラリーマンと、その友人で引きこもりの鳥井の物語。シリーズ一作目。

    二人の特異な関係性と、周りの登場人物の個性が面白い。
    鳥井が回転の速い頭脳と勘で謎を解き明かすミステリーでありながら、人間同士の関係に胸が温かくなったり、在り方について考えさせられる人情話のようでもある。

    「生きていく上での幸福は、誰かとわかちあう記憶の豊かさにあると僕は思う」

  • ひきこもり探偵シリーズの第1作でもある坂木さんのデビュー作。
    コンピューターのプログラマーをしている人間嫌いのひきこもり気味な人間鳥井真一と、そんな友人のために休みが多く比較的自由がきく外資系保険会社に就職した坂木司が織りなす日常ミステリーでした。

    最初に思ったのは、主人公と著者の名前が同じだ!ということ。思わず道尾秀介さんを思い出しましたが、ミステリー小説ではままあることなんでしょうかね。

    それはさておき、癒し系ミステリーと言ってもいいかもしれないというくらい、本書に流れる空気が優しくて、かなり情緒不安定で社会に適合できない鳥井の姿にはらはらしつつも、人の温かさに触れて安心したり、私自身癒されたりしました。

    名探偵コナンは体が子どもで頭脳が大人ですが、鳥井は明晰な頭脳を持ちつつ子どもの心を一部残していて、それは純粋な心を残しているというよりも、条件が重なると言動が幼児化してしまうというような危ういもので、鳥井が持つ闇が深くていたたまれない。

    ところで坂木さんの小説に登場する人たちは本当にみんないいキャラですね。
    この作品がシリーズものなのが嬉しいです。まだまだずっと読んでいたい。本作は短編小説の連作ですが、一番好きなのは「春の子供」。複雑な生い立ちの鳥井ですが、この章では氷が溶ける様が垣間見れて、家族っていいなぁと思わされます。

    恋人でもない家族でもない、不思議な関係の鳥井と坂木ですが、二人の友情がいつまでも形を変えながらでも続いていくといいなと願わずにはいられません。続編を読むのが楽しみ。

  • やべー!この人の本、やっぱり面白い!!
    人が死んだり、怪我をする話はあまり好きではないのだが、これは日常のちょっとした疑問が「事件」となり、怖い感じはない。
    引きこもりの鳥井が探偵役となって謎を解いていくのは気持ちいい。
    ストーリーが進むにつれ、彼の心にも変化があったり、僕と鳥井の関係、僕の気持ちがとても共感できる部分が多く、まるで学生時代に戻ったように感じられ懐かしく、感情移入してしまう。
    短編連作だが、読み終わったあと爽やかになれる。

  • 坂木司さんのデビュー作にして、ひきこもり探偵シリーズの第一作め。

    初めて読んだときは、ふだん超毒舌なのに、唯一心を許している坂木に何かあると、途端に子供に戻ってしまう鳥井があまりに鮮烈だった!

    今は、お調子者に見えて実は気遣いのできる、おまわりさんの滝本くんとか、実はみんなのつながりをお年寄りの叡智でしっかり支えてくれている木村さんとかが好きだったりします。

    それにしても、坂木さんはデビュー作から、「ちょっと(かなり?)問題アリ」的な登場のしかたをしたキャラクターも、最後まで見放さずに、大切にフォローしてあげているところが、やっぱりいいなぁ。。。

全712件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

一九六九年、東京都生まれ。二〇〇二年『青空の卵』で〈覆面作家〉としてデビュー。一三年『和菓子のアン』で第二回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。主な著書に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『肉小説集』『鶏小説集』『女子的生活』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

坂木司の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×