青空の卵 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
3.76
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本棚登録 : 4787
レビュー : 697
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488457013

作品紹介・あらすじ

僕、坂木司には一風変わった友人がいる。自称ひきこもりの鳥井真一だ。複雑な生い立ちから心を閉ざしがちな彼を外の世界に連れ出そうと、僕は日夜頑張っている。料理が趣味の鳥井の食卓で、僕は身近に起こった様々な謎を問いかける。鋭い観察眼を持つ鳥井は、どんな真実を描き出すのか。謎を解き、人と出会うことによってもたらされる二人の成長を描いた感動の著者デビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • 最初、
    (う、私には合わないかも…。)
    と、思ったのは、
    主人公の名前を見たときだ。

    『坂木 司』

    あ、著者ですね。
    と、いう事は、
    どこまでもナルシスティックな物語の始まりか?

    同名の主人公はきっとものすごくイイ人で…
    と、思っていたら、案の定。

    坂木は果てしなくイイ奴で、
    彼の周りには、いつの間にか人が集まってくると言う、
    魅力的なキャラであった。

    そして読後、
    その取り巻きのなかに私もはいっていた。(^^;

    結局、そうなってしまったのは、
    泣きのツボ、が彼と一緒だった所。

    私より先に坂木が、
    坂木より先に私が。

    とにかくどちらかが泣くと、どちらかが泣いている。

    なんか、泣き虫。

    すぐ感極まっちゃってさ…。

    相棒の引きこもり探偵(?)の鳥井(←彼も魅力的なキャラである。)
    と共に、日常のちょっとした謎を解いてくほのぼのミステリー。

    殻を破らねば目にする事もない、青空の果てしなさがとても眩しかった。

  • もう返す言葉もありません。
    ぐうの音も出ません。
    自分がどれほど臆病だったか思い知らされてしまいました。

    真っ直ぐな坂木さんと無愛想だけど相手を無視しない鳥井さん、そんな2人が他人に言えない悩みを抱えた人の秘密を暴き、1人じゃ解決出来なかった問題を一緒に考えてくれる。
    坂木さんは優しく微笑み、時に涙ぐみながら。鳥井さんは迷惑そうだけど、実は誰より相手の気持ちに寄り添っている。

    そして相手の抱える問題が明らかになるにつれて、その問題を薄々知っていて見てみぬふりをしていた自分の姿を突きつけられる。
    1人で解決出来る問題なんて本当は存在しない。
    なのに他人の悩みや問題に手を出すことに脅えているんだ。
    誰かの内に踏み込むことをおそれているんだ。

    拒絶されることだったり、飲み込まれることだったり‥いろんなことを怖がっている。
    相手を受け入れることも、相手に自分を受け入れてもらおうとすることも、どっちもすごく勇気のいることだって知っていた。
    でも知らないふりをしていたし、そんな相手がいないって目をそらしていたと思う。

    「僕は裏切らない!」
    坂木さんのように確信を持って叫べたら、
    「もう、真一が幸せでない限り、私は幸せにはなれないんだよ」
    こんな言葉を心から言えたら、その1点においては自分を信じることが出来るのに。
    私も絶対揺らがない何かが欲しい。

    そして坂木さんと鳥井さんの関係が何があっても揺らがない安定したものになりますようにと願ってしまう。
    続きが読みたいけど、ちょっと読むのが怖い気持ちもあり…。

    • まろんさん
      takanatsuさん、あけましておめでとうございます。

      新年早々、私の大好きなこのシリーズをtakanatsuさんが読み始めてくださって...
      takanatsuさん、あけましておめでとうございます。

      新年早々、私の大好きなこのシリーズをtakanatsuさんが読み始めてくださって
      この歳にしてお年玉をもらえたかのように、うれしいです♪

      包み込み、慈しむ坂木、殻に閉じこもっているようで必死に手を差し伸べ続ける鳥井、
      鳥井に見抜かれ、坂木に救われて、ふたりに温かく関わり始める人々。
      ひととひととの繋がりが胸に沁みる作品ですよね。

      卵→巣→動物園と、タイトル通り、鳥井の行動範囲も広がって
      ふたりの関係も少しずつ変化してはいきますが
      takanatsuさんが読んで後悔するようなことはけっしてないと思うので
      ぜひあとの2冊も読んで、素敵なレビューを綴っていただきたいです(*'-')フフ♪
      2013/01/04
    • takanatsuさん
      まろんさん、あけましておめでとうございます。
      コメントありがとうございます。
      坂木さんと鳥居さんの関係がとても魅力的な作品ですね!
      た...
      まろんさん、あけましておめでとうございます。
      コメントありがとうございます。
      坂木さんと鳥居さんの関係がとても魅力的な作品ですね!
      ただちょっと心配になってしまいました。影響受け過ぎなのかもしれません…。
      「読んで後悔するようなことはけっしてないと思うので」
      まろんさんがそう言ってくださるなら安心です。
      続きも楽しみです♪
      2013/01/04
  • ひきこもり探偵シリーズの第1作でもある坂木さんのデビュー作。
    コンピューターのプログラマーをしている人間嫌いのひきこもり気味な人間鳥井真一と、そんな友人のために休みが多く比較的自由がきく外資系保険会社に就職した坂木司が織りなす日常ミステリーでした。

    最初に思ったのは、主人公と著者の名前が同じだ!ということ。思わず道尾秀介さんを思い出しましたが、ミステリー小説ではままあることなんでしょうかね。

    それはさておき、癒し系ミステリーと言ってもいいかもしれないというくらい、本書に流れる空気が優しくて、かなり情緒不安定で社会に適合できない鳥井の姿にはらはらしつつも、人の温かさに触れて安心したり、私自身癒されたりしました。

    名探偵コナンは体が子どもで頭脳が大人ですが、鳥井は明晰な頭脳を持ちつつ子どもの心を一部残していて、それは純粋な心を残しているというよりも、条件が重なると言動が幼児化してしまうというような危ういもので、鳥井が持つ闇が深くていたたまれない。

    ところで坂木さんの小説に登場する人たちは本当にみんないいキャラですね。
    この作品がシリーズものなのが嬉しいです。まだまだずっと読んでいたい。本作は短編小説の連作ですが、一番好きなのは「春の子供」。複雑な生い立ちの鳥井ですが、この章では氷が溶ける様が垣間見れて、家族っていいなぁと思わされます。

    恋人でもない家族でもない、不思議な関係の鳥井と坂木ですが、二人の友情がいつまでも形を変えながらでも続いていくといいなと願わずにはいられません。続編を読むのが楽しみ。

  • 坂木司さんのデビュー作にして、ひきこもり探偵シリーズの第一作め。

    初めて読んだときは、ふだん超毒舌なのに、唯一心を許している坂木に何かあると、途端に子供に戻ってしまう鳥井があまりに鮮烈だった!

    今は、お調子者に見えて実は気遣いのできる、おまわりさんの滝本くんとか、実はみんなのつながりをお年寄りの叡智でしっかり支えてくれている木村さんとかが好きだったりします。

    それにしても、坂木さんはデビュー作から、「ちょっと(かなり?)問題アリ」的な登場のしかたをしたキャラクターも、最後まで見放さずに、大切にフォローしてあげているところが、やっぱりいいなぁ。。。

  • 一言でいえば、微笑ましく人情あふれる癒し系ミステリーでした。この本は「引きこもり探偵」のお話だということで、半引きこもりな私は親近感を覚えて買いました。ですが、読んでみると、引きこもり探偵の彼は、優柔不断で内気な私とは全然違って、とても芯がしっかりしていて、人を見る目が鋭いのはもちろん、料理も上手いし、色々なことを知っているし、かっこよくて憧れてしまいました。それでもつらい過去を持つ彼は時々不安定になります。そんなときに心強いのが唯一無二の親友の存在です。親友の人柄もとても温かく真っ直ぐで魅力的です。二人の友情と成長は大きな感動を届けてくれました。他にも色々な事情をもった色々なタイプの人間が出てきますが、どの人も素敵な心の持ち主でした。作者さんの描写も感性豊かで言葉ひとつひとつが胸に響きました。続編があるようなので、必ず読みたいと思っています。

  • やべー!この人の本、やっぱり面白い!!
    人が死んだり、怪我をする話はあまり好きではないのだが、これは日常のちょっとした疑問が「事件」となり、怖い感じはない。
    引きこもりの鳥井が探偵役となって謎を解いていくのは気持ちいい。
    ストーリーが進むにつれ、彼の心にも変化があったり、僕と鳥井の関係、僕の気持ちがとても共感できる部分が多く、まるで学生時代に戻ったように感じられ懐かしく、感情移入してしまう。
    短編連作だが、読み終わったあと爽やかになれる。

  • 鳥井はすごい動物感があって引かれる。その点では坂木と同じなのかも知れない。でも鳥井という友達がいる坂木にも憧れる。鳥井の情緒不安定なところが好きです

  • 読者が坂木司と鳥井真一の関係を受け入れられるかどうかにかかっていると思われる。。わたしは微妙。

    [BOOKデータベースより]
    僕、坂木司には一風変わった友人がいる。自称ひきこもりの鳥井真一だ。複雑な生い立ちから心を閉ざしがちな彼を外の世界に連れ出そうと、僕は日夜頑張っている。料理が趣味の鳥井の食卓で、僕は身近に起こった様々な謎を問いかける。鋭い観察眼を持つ鳥井は、どんな真実を描き出すのか。謎を解き、人と出会うことによってもたらされる二人の成長を描いた感動の著者デビュー作。

  • 坂木司先生まいどまいどオモロデス。

    トリイ初登場。人の暖かさに触れられるとてもいい作品です。ほっこり。
    間違いない。おもろ。3冊まとめて再読します。かならず。

  • 良かったです☆面白かった☆最初の短編は解決までの過程でちょっとキツイ、厳しい書き方をしていてわたしには不向きかな…と思いましたが、読み進むにつれ尻上がりに面白かったです。 なにより愛すべきキャラ☆鳥井が良かった!ドラマとかになったら面白いかも。

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著者プロフィール

1969年東京都生まれ。2002年『青空の卵』で<覆面作家>としてデビュー。続く「ひきこもり探偵」シリーズとして人気を得る。ナイーヴで魅力的な人間像、緻密に描かれ、爽快に解かれる日常の不思議とこころの謎が圧倒的な支持を集めている。13年『和菓子のアン』で第2回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。他の著作に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『僕と先生』『肉小説集』『女子的生活』などがある。

「2017年 『鶏小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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