千弥の秋、弥助の冬 (妖怪の子預かります10) (創元推理文庫)
- 東京創元社 (2020年6月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488565121
作品紹介・あらすじ
千弥の様子がおかしい。もともと弥助に対しては過保護だったが、最近度が過ぎる。物忘れも激しい。心配する弥助に対し、千弥は何でもないの一点張りで、ふたりは初めて激しい喧嘩をしてしまう。以前千弥は月夜公に執着する女妖の魔手から弥助を救うために、妖怪の誓いを破った。ほんの一時のことだったが、誓いを破ったことに変わりはない、その報いを受けねばならないのだ。そしてついに……。大人気シリーズ第1期クライマックス。
感想・レビュー・書評
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千弥が妖怪の誓いを破った報いがこれだったとは…!千弥と弥助はどうなってしまうのかとハラハラしながら読み進めました。
納得のラスト。そして第二部へ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第一部完結。最後に千弥の弱さが見えて、弥助の強さが見える。7巻から続く流れの中で、ご都合主義的にならずに、きれいに着地できていると思います。
第2部は数年後になるのかな。 -
弥助との愛おしい日々を忘れていく千弥。
その事実を前に、千弥と弥助が選んだ道とは…?
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二度と手にしないと誓った大妖の力。
養い子・弥助の命を救うためとは言え、誓いを破り、力を取り戻した代償は、容赦なく千弥を襲う。
日々、千弥の中からこぼれ落ちていく…
そんな千弥の異変に気づき、動揺する弥助。
そんな2人が出した“こたえ”とは…?
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表紙絵で弥助がおおきくなっていてびっくり!
この巻の弥助は15歳になっています。
いやーホントに大きくなったなあ…(親目線)!
途中から、結末は想像できてしまいましたが、今まで弥助が妖怪の子どもたちと触れ合ってきたのは、ここにつながっていたのか…と納得しました。
「失ったものを嘆くより、毎日得られる日々を尊び、喜べ」(150ページ)
千弥と弥助のしんどい今を見ているわたしたちだからこそ、この言葉にはとてもうなずいてしまいました。
過去を嘆いたり、そこに捕らわれていても、過去は変えられません。
それよりもこれから歩む道をどうしていくかを考え、これからの喜びに胸おどらせていく生き方を選びたいものですね。
ただ「千弥の秋、弥助の冬」というタイトルは、内容とかみ合っていないような気がしました。
千弥にとっての秋?弥助にとっての冬とはなんだったのだろう…??
タイトルと内容の親和性は、本当に大事ですね。
この巻をもって、妖怪の子預かりますシリーズは第1部完結だそうです。
第2部はいつ始まるのか、またどんな登場人物たちが活躍するのか?まだ何もわかりませんが、第2部始動が楽しみです。 -
2020年6月創元推理文庫刊。書き下ろし。シリーズ10作目。長編。思いも寄らない形で終わってしまいました。弥助は、子預かりを続けて行くだろうし、たいへんだけど、千弥とも楽しく暮らして行くだろうし、これからのことが目に浮かんでくる仕舞い方です。新シリーズまたは、外伝を示唆するようなあとがきも良かったです。マンネリ気味の展開もありましたが、8作目からのラストに向けた展開は見事でした。シリーズものの面白みを堪能できました。可愛い妖怪の子供たち、大妖怪たちや、それにかかわる登場人物達も良かったです。
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泣いた。めちゃ泣いた。
元どおりでは無かったけれど、それでも2人が一緒に居られるなら良かった。 -
弥助も大きくなって随分としっかりしてきた。
ところが千弥に大問題が……
それしかなかったかもしれないが千弥のとった道は、弥助にはとても辛い道だった。そんな道は嫌だという弥助の思いが別の道を取らせてくれる。その道の先に幸多かれと祈るばかり。 -
一部完、だそうで。
弥助?も15歳になったというのに妖怪の面倒見るだけで仕事しなくて大丈夫なのかな?と思ったら。こんなことに。
お医者の先生の所で弟子でもすれば何とか食っていけるのか…イヤ、あれは妖怪相手だから無理か。
ホント、どうするんだろう。
という気になるところで一部完。
個人的には主人公コンビより魅力的な脇役陣の今後も気になったり。久蔵さんとこの家族とか可愛いしな~ -
帯に「大団円」って書いてあるのを見逃していて、最後に驚いた。
優しい文体な一方でリアルな残酷さも盛り込むシリーズなので、呪いが解けることはないだろうとは思っていたけど。
なんでタイトルが、千弥が秋で弥助が冬なんだろう?
もう一回読んでみよう。