神の目の小さな塵 下 (創元推理文庫 654-2)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (508ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488654023
#SF

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  • <マッカ-サ->号から離れた着陸艇が、「神の目」と名付けられた赤色巨星近辺の惑星の住むモ-ート母星に降下した。人類が初めて出会ったエイリアンたちは、高度な文明を保持しているが、繁殖力に富み、爆発的な人口増加を戦争で抑圧する歴史を繰り返してきていた。一見温和そうなモート人の表情の下には、したたかな外交政策を練る危険性を孕んでいた。 果たして、モート人は敵か味方か?。〝・・・モート人が宇宙に散らばるのを許すわけにはいかない。銀河系に疫病が猖獗を極めることになるのだから。そして、この種の疫病には、たった二つの対策があるだけである。「隔離と根絶」だ・・・〟かつて人類が歩んできた、忌まわしき歴史を皮肉った、L.ニーヴン&J.パーネルの共作による、壮大な宇宙叙事詩。

  • 1978年に出版された有名なSFだが、絶版のため入手困難な本。「合いの子」だとか、「ぎっちょ」だとか、今時点ではアウトな日本語訳なので、絶版のままなのかもしれない。
    人類のモート人とのファーストコンタクト物。スペース・オペラでもある。人類は、西暦2008年オルダースン航法(超光速航法)を完成させ、第一次人類帝国建国(2250年)、分離戦争(2603~2870年)を経て第二次人類帝国を建国(2903年)していた。ニュー・シカゴの反乱(3016~3017年)の鎮圧に功を上げ、損傷した宇宙巡洋艦マッカーサー号の修理の任に当たっていた艦長付副官であるロッド(ロデリック・ハロルド・ブレイン中佐)が、大至急提督執務室に出頭を命じられるところから物語は始まる。そこでロッドは、マッカーサー号艦長に任命され、サンドラ・ブライト・ファウラー(反乱軍により収容所に囚われていたファウラー上院議員の姪)と、豪商ホレス・フセイン・ベリー(インペリアル・オートネティックス社社長で反乱の黒幕の疑いあり)を首都星ニュー・スコットランドに送り届けることを命じられる。ところが、途中、ニュー・カレドニア系に侵入しようとする正体不明の飛行物体が発見され、マッカーサー号にはその進路を遮断し調査を行う新たな任務が与えられる。その飛行物体は、赤色超巨星マーチンスンの目に近いところにある小さな黄星モートから来たものとみられた。モート人とは一体何者でどんな意図を持つのか、人類に友好的なのか帝国への脅威なのか。学者、宗教家、産業家、軍人、政治家それぞれの思惑が絡まる中、人類はどう立ち向かうのか。
    原題は、『The Mote in God's Eye』。Moteは塵とモート人の二つの意味。聖書に出てくる『ちりと梁』(The Mote and the Beam)というたとえ話が、本書冒頭に引用されている。
    徐々にモート人の秘密が明らかになる下巻は、ストーリー展開が早く、ワクワクしながら読み進められる。同じファーストコンタクト物でも、『ソラリス』よりずっと楽しんで読めた。登場人物の造形に深みがなく、どことなく古さを感じてしまう面もあるが、楽しんで読めた。科学的にどうかよりも、物語として面白いかを重視する人にはおすすめ。

  • 古書購入

  • 読了

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