銀河英雄伝説〈9〉回天篇 (創元SF文庫) (創元SF文庫 た 1-9)
- 東京創元社 (2008年6月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488725099
感想・レビュー・書評
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早い段階から布石は置かれていましたが、ついにとうとうという感じですな。どうしてそうなるのかと思えば、意外と呆気ないというかちょっとした切っ掛けで歴史は動くものだと思わされたりもしました。そういう意味でロイエンタールの行動は始まりはドタバタに紛れた感じでしたが、終わりは自らの意志で動きそれがまたカッコいい。とことんカッコいい人物でした。
またラインハルトの求婚騒ぎにしても同じで、全く違う方面の出来事が影響を及ぼすのですから「桶屋が儲かる」気持ちですね。しかしラインハルトの求婚は微笑ましいというか何というか。
未来への布石も感じられた9巻。さて、次はとうとう最終巻だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いろんな意味で銀河帝国、ラインハルトの転換期と言えるのではないでしょうか。ミッターマイヤーが可哀相で、その苦労に十分報いるだけのロイエンタールの親愛でしょうか「遅いじゃないかミッターマイヤー」
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ロイエンタールの格好良さが際立つ。
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ヤンがテロに斃れ、宇宙のほぼ全域がラインハルトのもとに統一され、平和が訪れようとした矢先、地球教の陰謀はあったにせよ、もともとロイエンタール元帥の中に巣くっていた野心によって、叛乱が発生します。旧友ミッターマイヤー元帥によって、斃され乱は終結する、というのがこの巻の大きな流れです。
いよいよ次巻は最終巻。銀河の歴史はここに大詰めを迎えます。
それにしても印象的なフレーズがテンコ盛りで、いろいろ不自然な点はあるものの、物語をずんずんと展開させていく作者。一時代を築いただけのことはありますな。
星雲賞
辺境にて◆夏の終わりのバラ◆鳴動◆発芽◆ウルヴァシー事件◆叛逆は英雄の特権◆剣に生き…◆剣に斃れ◆終わりなき鎮魂歌
著者:田中芳樹(1952-)
解説:永瀬唯(1952-) -
シェーンコップ中将!ポプラン中佐!ユリアン君に構っている場合ではありません!皇帝陛下が大変な事に!!大至急、一時停戦して色恋の道を一から教授お願いしますww…と、おふざけは置いといて、ロイエンタールの件は、キルヒアイスの時よりヤンの時より辛く悲しかった。感動したというのは変だけれど、物語の始まりから今までで一番揺さぶられた。地球教の思惑通りにラインハルトが動かないことを祈る。
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ロイエンタール死す。物語も収束して後は地球教徒のみと思われる。ラインハルトも結婚するらしい。寂しくなっていく。
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次々と死んでいく出演者たち。最初からそういう物語を目論んだのであろうが、様々なドラマを読み手が勝手に想像する余地がたくさんあって、何度でも再読できるのかもしれない。
それにしてもミッターマイヤーはほとんど聖人みたいなキャラになってきたな。 -
乱世の中でしか生きられない男がいることを、かわいそうと思うだろうか。
友情に泣く。お互いを信頼し、敬意を払い、その才能を高く評価するからこそ、戦う道を選んだ。悲しい選択があまりにもカッコよすぎて、悔しいどころか、美しさを感じる。
とにかく私はミッターマイヤーが好きなんだな、と思った。