銀河英雄伝説〈9〉回天篇 (創元SF文庫) (創元SF文庫 た 1-9)

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  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488725099

感想・レビュー・書評

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  • 内容(「BOOK」データベースより)
    前指導者の遺志を継ぎ、共和政府を樹立した不正規隊の面々。司令官職を引き受けたユリアンは、周囲の助力を得て、責任を全うすべく奔走する。帝国では皇帝暗殺未遂事件が発生、暗殺者の正体を知ったラインハルトは過去に犯した罪業に直面し、苦悩する。そして新領土総督ロイエンタール謀叛の噂が流れるなか、敢えて彼の地に向かうラインハルトを、次なる衝撃が待ち受けていた。

  • ロイエンタール&結婚話。
    物語終結に向けて詰め込んだ感あり。

  • 今回はほぼ全篇がロイエンタールの叛逆についてだった。全ての要因が悪い方にはたらいた末の悲劇。常に、どうしてこうなってしまったのだろうと思わずにはいられなかった。
    銀英伝7巻より「みごとな死はみごとな生の帰結」という文章をピックアップしたことがあるけど、小説だけでなく、現実においても、これは真実だと思っている。だから私は、小説・漫画を読むとき死の場面を集中して読むし、解釈する。今回の9巻においても確かなものだった。

  • 銀英伝って、読み返しても面白い。この面白さってなんだろう、とか他の本であるかなあと思ったけれど、なかなか似たようなものって難しい。あえていうなら、「スター・ウォーズ」かもしれない。歴史的視点とキャラクターの魅力が組み合わさる楽しさが似ている気がします。
    そして銀英伝は、皮肉さが私にはとても魅力で、それ以外の魅力もたくさんあって、一人ひとりがその魅力を「見つけられる」、見つけられる「余白がある」というのがおそらく最大の魅力なのではないかと思います。あらすじだけ読んで「面白そう!読む!」というひとは特に女性には少ないだろうと思いますが、これは女性も好きになれる要素がもりもりありますの。もちろん男性にも魅力的な点ももりもり。普遍的な面白さと、細かい面白さを兼ね備えている、奇跡的なシリーズだなあと思います。

  •  もう、読み始めると止まらない9巻目。
    8巻で打ちひしがれてしまって、この先どうモチベーションを持てばいいかと思っていたら、まさかのラインハルト様がヒルダ嬢に諸々すっとばしてプロポーズしてしまうという萌えるしかない展開に、読む気完全復活。

     比類ない美貌と冴えわたる知性に行動力、判断力をもつ皇帝陛下の私のこれまでの印象は完全に「鑑賞物として超一流」という扱いで、中身は子供っぽいし怒りっぽいし重度のシスコンだし、というものだった。
    なのに、権力で己の色欲を欲しいままにするような前王朝の皇帝たちと同じになりたくないとか、こうなったからには責任がとか、プロポーズの理由はいまひとつ残念さが勝つけれど、あれだけの容姿と才能に恵まれつつも、他の欲に比べて肉欲がふんだんに欠けているあたりは、ここにきて好感度が上がってしまうのも無理はない、参りましたという感じ。
    不器用なのも、しまらないプロポーズも、何でも微笑ましくて許せてしまう。

     そんなほんわかと始まった9巻も、かなり激しいものだった。同盟滅亡後敵が居なくなったと思ったら、陰謀によって帝国内の内紛という形での戦闘が始まり、これはまた前巻に負けず劣らず、哀しく切ない展開にー。
    ばったばったと皆殺し旋風が吹き荒れて、退場者が続出。そして、本編は残すところあと1冊ー。
    早くも、ちょっともう寂しくなってきた。

  • 刊行:1987年、P.104「言葉では伝わらないものが、たしかにある。だけど、それは言葉を使いつくした人だけが言えることだ」「だから、言葉というやつは、心という海に浮かんだ氷山みたいなものじゃないかな。海面からでている部分はわずかだけど、それによって、海面下に存在する大きなものを知覚したり感じとったりすることができる」
    P.106「いや、ユリアン、そうではないと思う。なにかを憎悪することのできない人間に、なにかを愛することができるはずがない。私はそう思うよ」・・・「ヤンは増悪を奨励しているのではなく、愛がすべてを解決するという思考の根本的な矛盾を指摘しているのだ。」

  • (2015.12.11)
    (363P)

  • 2014/12/10読み始め
    2014/12/21読了

  • 感想は最終巻で。

  • 所持しているのは、初期にカッパノベルズから出版されたもの。1989年にこの小説に出会い、色々な意味で影響を受けました。

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著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞(日本長編部門)を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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