- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488745028
感想・レビュー・書評
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数学や物理学などの理系ネタ、アカデミックディストピアが得意な著者、待ってましたの文庫オリジナル短編集はディストピア×ガールがコンセプトの詰め合わせ。「六十五歳デス」と「ペンローズの乙女」はウェブで発表されたときに読んで気に入っていた作品。他の未読のを読むのが楽しみ♪ カバーもかわいい♪
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12月にでてすぐに買っておきながら、なかなか読み始められなかったけれど、仕事が一段落して、読み始めてみたら厚いのに(既読作品あるとはいえ)あっという間に最後まで読んでしまった。再読した「六十五歳デス」はやっぱりかっこよくてよかった。「ペンローズの乙女」は壮大に切ない。
「秋刀魚、苦いかしょっぱいか」は小学生の夏休みの自由研究の話、マイルドな内容なので小中学生読者の(松崎作品?SF?)入門用にもおすすめ。
初読の「太っていたらだめですか?」「異世界数学」「シュレーディンガーの少女」もそれぞれおもしろかった。女子高生が数学の禁じられた王国にトリップしてしまう「異世界数学」は安野光雅の挿絵が脳内に浮かぶ世界だった。数学苦手派にも数学好きにもそれぞれにおもしろく読めるのがいい。「シュレーディンガーの少女」は「シュレーディンガーの猫」の思考実験や量子自殺という考えについてけっこう勉強になった。フレンドAI藍がほしくなる。
6篇それぞれがまったく違うディストピアでありながら、ちょこっとずつ重なり合う設定があったりするのも楽しくてよかった(わかりやすいのは「おねがいモラヴェック」だけど、他にもこまごまと…)。
文身(ぶんしん)=彫りものというのはこの本ではじめて覚えた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
SF小説は恐らく初挑戦?だったかも。「六十五歳デス」や「異世界数学」は設定が面白かっただけに、もっと物語を広げて、長編で読みたい気持ちになった。秋刀魚の話も良かった。
最後の2編くらいは、話がなかなか理解できないところもあったので星3 -
タイトルのは最後。ディストピア系だけれどはっとするのもある、ほっとするのもある
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913-M
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爆発的ではないけどジワジワおもしろい佳作揃い=かなり好みの面白さ。
この本を読まない世界、まだ読んでいない世界...どうなってるのかな。
本筋と全く関係ないけど、高校の描写が完全にあの場所でニヤリとしてしまった。 -
バラエティ豊かなSF短編。
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★なんでも早めに引退するのが好きでね(p.40)
[○]「六十五歳デス」/カッコいいおばあさん/人口減らすため六十五歳前後で死ぬ人工病原体/六十五歳までにしたいことリスト/喫煙率増加/死の恐怖を癒す無免許医/自分と同じ痣のある少女を引き取る/少女との心の交流。
[△]「太っていたらだめですか?」/政府が行う肥満者撲滅デスゲーム。その(二重の)結末は?
[△]「異世界数学」/数学は好きやけど(ほとんど忘れてるけど)、さすがにこの展開は無理あらへん?/ま、も一回数学を学び直したくはなりました。
[○]「秋刀魚、苦いかしょっぱいか」/まさか秋刀魚の塩焼きをSFにできるとは・・・
[△]「ペンローズの少女」/地球外知的生命体との遭遇率/コンデイ島=生贄の島/漂流してきた少年ヨーイチとコンデイ島の美少女サヨ/ペンローズ族。
[△]「シュレーディンガーの少女」/観測者/シュレーディンガーの猫実験/美少女アンドロイド対ゾンビ/時間軸の分岐/パラレルワールド/量子自殺。 -
想像の何十倍もつまらなかった
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SFは食わず嫌いだったけど、これは面白かった。入り込みやすいしわくわくした。
『六十五歳デス』超かっこいい。映像化希望。
『太っていたらだめですか?』オチにやられた。
『異世界数学』チートもハーレムもない。自力で導き出した逆転劇。『博士の愛した数式』を読んだ時も、数学ってなんて美しくて奥深いんだろうと思った。学校の数学は苦手なのに。結果だけ求められる授業が嫌いなだけだった。
『秋刀魚、苦いかしょっぱいか』小学生が自分で頑張る姿だけでなんかじんわりする。AIをこんな風に使えれば、教育に取り入れる意義は大いにある。ところで、日本人がディストピアを描くと、必ず食べ物が味気ない描写が入るという話を思い出した。