人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492223444

作品紹介・あらすじ

【人は簡単に、「働かないオジサン」になる】
「働かないオジサン」と聞いて、あなたは同じ会社の「あの人」を思い浮かべ、怒りを覚えているかもしれません。
でも、人事のプロの目から見ると、若い頃どんなに優秀でも、8割の人は「働かないオジサン」になってしまいます。
「働かないオジサン」とは、未来のあなた自身の姿なのです。

【働かないオジサンを分類し、原因を特定】
人が働かないオジサンになってしまうのは、その人の人格的な問題ではなく、構造的な原因があります。
本書では、働かないオジサンを4種類に分類し、働かなくなる原因を解明します。

【働かないオジサンに「ならなかった」オジサンを分析し、7つの共通点を明らかに】
本書には、たくさんの働かないオジサンに「ならなかった」オジサンが登場します。
彼らはなぜ、構造的原因を回避し、イキイキと働き続けていられるのでしょうか?
イキイキと働くオジサンの「7つの共通点」を明らかにし、いくつになっても成果を上げられる秘訣を解明します。

【働かないオジサンにならない4つの働き方を紹介、向いている人と注意点を明示】
働かないオジサンに「ならなかった」オジサンたちの働き方は、4つに分類できます。
それぞれの働き方を紹介すると共に、その働き方に向いているのはどんなタイプか、
その働き方を目指すときの注意点を明らかにします。

10年後、周囲から「働かないオジサン」と揶揄されたくないなら。本書がきっと、あなたのお役に立てるはずです。

感想・レビュー・書評

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  • 自分も1年前ぐらいは仕事が全然うまくいかず、うつ気味になり会社に行ってもほとんど仕事らしい仕事をしていない時期があり、給料泥棒で申し訳ないという思いがあった。
    (いまは、うつも回復し問題はないと自負しているが)
    この本では働かないオジサンが生まれるのは個人の資質だけではなく、会社や社会の構造的な問題もあるという。
    新卒一括採用を基本に、まだまだ残る年功序列に、働いても働かなくても給料は一緒であるという意識の低い人間だけの話ではなく、長く働いていると「誰の役に立っているかわからない」「成長している実感が得られない」「このまま時間が過ぎていいのだろうか」という気持ちになりやる気がなくなるのだという。
    私も1年前は同じ感覚があり、仕事ができていないことに罪悪感もあったが、家族もいるのでしがみついてやろうと思いながらうつの回復を待ち、元から内発的にやる仕事は苦にならないタイプだったので、うまく回復できた。この本を読んでも、働かないオジサンというのは甘えだと思う一方、そういう日本的雇用に守られていた事実もあり複雑な気分になった。

  • 昔読んだ時には面白かった。いまは、ふーんとなった、、なぜだろう

  • 身の回りに絶対いる、働かないオジさん。
    残念ながら、働かないオジさんには誰もがなりうる。
    なぜなら、属人的問題だけでなく構造的問題も絡んでいるから。

    そして、働かないオジさん自身も苦しんでいる!


    ↓以下要約↓

    【序章】「働かないオジサン」は未来の自分自身

    そうならないために、「自分の代わりがいない」という確信を持つためのビジョンを持ち努力すること。
    「こうした仕事をやりたい!」と言えること。
    自らの個性を活かして働くこと。


    【第一章】あなたの隣の働かないオジサン

    「いい顔」で働けない = 「働かないオジサン」
    商店街の働かないオジサンとサラリーマンの働かないオジサンには大きな違いあり。顔つき。
    人の表情が輝いたり魅力的になるのは、相対的な役職を上昇させたり、合理的な思考を高めることから生まれるものではないのだろう。
    働かないオジサンは、個人の資質というより、構造的な問題。
    働かないオジサン自身も苦しい。

    ◆働かないオジサンへの対処法
    ①無気力タイプ
     特徴 若い頃は一生懸命だったが、入社後の人事評価や生活環境の変化などで、自分と会社との間に生じた溝を修復できなくなった。
     対策 関わらない! こちらのモチベーション下がる どういう理由で活力を失ったかを知っとくのは将来の自分のためになる

    ②批判評論家タイプ
     特徴 批判するが自分では動かない かつては出世ルートに乗っていると思っていたが、どこかで挫折した経験のある人が少なくない 自分には力量があるのだと周囲に示したい心情がうかがわれる
     対策 ヨイショして機嫌良くしてもらう ただ、彼らの言動によってこちらの仕事が増えるのであれば対応策必要 上司と相談して、一定のルールを作って彼に申し渡す、仕事の範囲を明確にするなど。 攻撃は得意でも守備は弱い人が多い。口は達者でも社内で権限を持っているわけではないので、淡々と対応策を。

    ③定年前嘱託タイプ
     自分の立場はわかっているはずたが、自身の中で切り替えができない。異動した心境、現在の仕事への見解、仕事での自分の機能発揮についての認識、残りの会社人生をどう過ごしたいか。
     対策 本人の話を徹底して聞くこと それから対応策 なぜ自分のことを分かってくれないのだろうという気持ちを抱えていること多い
    現在の仕事の重要性を話し、期待する仕事のレベルを明確に示すこと。そのうえで、そのレベルが達せなければ再度の配置転換もあり得ることを付け加える。硬軟両様の対応。

    ④団体行動タイプ
     特徴 自分では仕事をやっていると思っている。ただ本音では、もはや会社から期待されていないことに気づいている。そのために、仕事へのモチベーション下がり、職務範囲を無難にこなせばよいと自分本位になりがち。いつも同じメンバーで群れてサボりがち。
    上司の言うことはそのまま受け入れ、部下や後輩に対する態度と大きく異なっている。
     特徴 会社以外のことには関心薄く、居場所も持っていないので、一緒に働く仲間から認めてほしいという気持ちは人一倍強い。彼らを持ち上げて、周囲と協調して機嫌良く仕事をしてもらえれば、自分たちの仕事も助かる。(だいたいヒマ)
    ただ、会社の中の自分の立場には敏感なので、出世した同期の話などはしないほうが良い。


    【第二章】働かないおじさんを生む会社の仕組み

    新卒一括採用とピラミッド構造が働かないオジサンを生み出す。管理職への道から外れた者が、出向や働かないオジサンへ。

    ・新卒一括採用とメンバーシップ契約。社員「全員」に「一体感」を持たせる組織運営
    未経験者に色んな職種を経験させながら、適材適所を図ることが可能な合理的な制度。


    欧米の 一対一の労働契約 少数のエリート社員が、多くのノンエリート社員を引っ張っていく

    ・ピラミッド構造は変更できるのか

    結論は難しい。組織設計のはじめの一歩は、プログラムとヒエラルキー。
    ヒエラルキーとは、、 
    実務層がルーチンワークの精確な遂行
    ミドル層が現在の業務の例外処理判断
    トップ層が長期の戦略思考

    ・なぜ働かないオジサンの給与が高いのか
    若い頃にモーレツに働いた 貢献度高 賃金低 
    50になり逆転。
    中高年社員は会社に対して、過去の実績に基づく、何らかの既得権的なものを持っている。
    現在の貢献を正確に評価する時価評価ではない。
    組織の中での一定のポジションがある種の安心感を生んだり、全員参加型の組織運営を可能にする源泉になっている。

    【じゃあ私達はどうしたら良い?】
    40歳 管理職前後で働き方の変革が必要
    ★自分を変えるのではなく、自分と組織との関係を変える
    ★自分の得意分野を把握する 今の仕事から、何ができないか?
    ★社会のニーズを把握する

    25-40 組織の中で一緒に働く仲間や顧客に役立つ自分をどう作り上げていくか 成長の後押し
    40- 自分自身が老いることを意識、どのような距離で組織と向き合っていくか 
    「満たされない」気持ちにどう対処するか。

  • 今は人生100年時代って言われているけど、
    この本が出版された当時は人生80年って言われていたんだ。

    10年経っていないのにな〜

  • 働かないオジサンへの批判本ではない。それを生み出している会社や本人達の要因は考える書。一時点のオジサンの状況をみて判断するのは速いが、オジサン達も自分の存在意義を見出すことができずに揺れ動くことは確かにある。それだけで、高い給料をもらい続けられるほど、余裕のある会社はなくなりつつあるが。

  • ビジネス

  • 思った以上に良い本でした。
    本書中に心の定年と記載があるように、今後のキャリアをどう組み立てようかとちょっと戸惑いがある中、軽い気持ちで読みましたが、若手会社員の方が読んでも有益だと思われる内容でした。

    日本的会社構造の中での会社員としての将来像を想像しつつ、どのような心積りで仕事および会社と向き合うかで、イキイキと仕事をできるか、そうではなくなってしまうかということが非常にわかりやすく示されています。

  • 働かないというか、働かない社会人の分類。
    大きく4種類に分類されていたが、頷ける点も多く、また、その原因に目が向けられつつ、気を付けていける点が記載されているのが参考になる。

  • 自分がならないためにと、なってしまったオジサンを救い出すために

  • サラリーマンは、組織での仕事にある程度メドがつく40歳前後に「こころの定年」に陥る。老いや死を意識し、組織での働き方に限界を感じ、惑い、追い込まれる葛藤状態であり、通過儀礼である。死に向かい下り坂を下りる道を歩きながら成熟していくことが求められる。こころの定年にきちんと向き合うことが大切。それまでに作り上げて来たものを壊し、新たな自己を作り上げる。自分の個性を生かしつつ、新しい生き方を探すこと。

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著者プロフィール

楠木 新(クスノキ アラタ)
楠木ライフ&キャリア研究所代表
1954年神戸市生まれ。1979年京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。人事・労務関係を中心に経営企画、支社長等を経験。47歳のときにうつ状態になり休職と復職を繰り返したことを契機に、50歳から勤務と並行して「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組む。2015年に定年退職した後も精力的に活動を続けている。2018年から4年間、神戸松蔭女子学院大学教授を務めた。現在、楠木ライフ&キャリア研究所代表。著書に、『人事部は見ている。』(日経プレミアシリーズ)、『定年後の居場所』(朝日新書)、『定年後』『定年準備』『転身力』(共に中公新書)など多数。

「2022年 『自分が喜ぶように、働けばいい。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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