システム思考―複雑な問題の解決技法 (BEST SOLUTION)

  • 東洋経済新報社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (497ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492532638

作品紹介・あらすじ

なぜ組織に優秀な人を集めても、全体では平凡なレベルの行動と結果に終わるのか?なぜよかれと思った行動がかえって悪い結果につながるのか?なぜほとんどの人が「これは問題だ」とわかっていながら、同じ問題が繰り返し起こるのか?この複雑なる世界を読み解く最強の武器。

感想・レビュー・書評

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  • AT5でいう「システム」という言葉や研究はいろいろ存在するが、おそらく最も近くて参考になるのがMITのフォン・フェルスターのもとで発展した「システム・ダイナミクス」で、それをしっかりと受け継ぎ、体系的に整理したものが本書です。内容の堅実さはお墨付きであるが、がっちりとページ数的にも歯応えがある本なので、入門書を先に読んでからの方が良いかもしれません。

  • 複雑な構造をシステムとして捉え、モデル化するための考え方を記述した本。
    ページ数が多いが、意外と理解することはできる。
    ただし、実践は難しい。これを1回読んだだけで、システム思考のアプローチが取れることはなく
    訓練が必要と思われる。
    それでも、「システム思考」に理解するのにはおすすめの本。

  • U理論勉強会でのテキストに引用されていた

  •  本書の主題であるシステム思考とは、簡単に言うと複雑な依存関係をもつ組織の問題点を発見し、それを解消することで、組織を改善する方法である。 「学習する組織」の英語題名は、fifth disciplineであり、この5つ目のデシプリンこそ、システム思考である。つまり、学習する組織にとっては、システム思考が非常に重要なメソッドであり、また、私個人的には「学習する組織」こそが目指すべき組織であることから、本書の内容は、非常に重要である。ただし、「重要なことほど難解である」原則(もちろん、「重要なことほどシンプルである」という原則もある)にシステム思考もマッチするため、本書は難解でかつ、導き出される結論は、私の直感をはるかに超えたものであり、このため読了にはかなりの努力が必要になる。また、500ページもあるヘビー本なので、肩もこる。

  • 硬直的な労働市場での「残業ゼロ政策」は景気後退期に企業倒産を続出させるだろう。残業制度は労働力需要変動への緩衝材となり、企業を頑健にする。労働時間の硬直性は企業を不安定にする。
    参考『システム思考―複雑な問題の解決技法』9.8 労働力管理と在庫管理との相互作用

    ‪「残業ゼロ」は「いいことづくめ」ではない。賢明な企業は、来るべき景気後退局面を想定し、生き残れる人数に留めて雇用する。すなわち雇用が潜在的な労働力需要よりも低いレベルにとどまる。正社員のパイは増えない。それでいいんだろうか。

    参照した分析で面白いのは次の点。需要がある時点で瞬間的に増加し、その後一定になるという仮定で、つまり需要は単に増えるだけで減らないのだから、一見良いことに思える。しかし、それが企業にひどい不安定性(人員と在庫の大変大きな振動)をもたらす、ということ。

  • 「システム思考」の入門書的なものは、いろいろあるのだが、その次に、何を読むか、というと、あまり適当なものがなかった。

    というところで、出てきたのが、システム思考、システム・ダイナミクスのバイブル(?)らしい本書の翻訳である。

    早速、買ってみたのだが、なかなか難しいそうで、入門書から、中級編を飛ばして、いきなり上級編教科書になってしまったような印象。

    でも、観念して、読み始めれば、意外に読みやすく、やや難しめの中級編の教科書というレベルかな?

    それにしても、この本は、すごく私の個人的なツボにハマった。

    というのは、自分は、意思決定論に長らく関心があって、サイモンの限定合理性とか、行動経済学に関心をもってきた。で、システム思考の前提となる個人の意思決定は、限定合理性が深く関連しているはずである、と思っていた。

    ということが、極めて、理論的に明確に示されていて、とてもすっきりしたし、勉強になることが多かった。

    あと、ループ図では、表現しにくい、ストックとフローの概念の表記法も勉強になったし、システム・ダイナミクスを具体的にどのようにビジネスに活用していくかの事例も大変参考になった。

    システム思考は、
    ・一つは、神秘主義的、自己組織化的、自己探求的、メンタルモデル探求を重視する方向
    ・もう一つは、ロジカルシンキング的、工学的、オペレーション・リサーチ的、具体的な課題解決を重視する方向
    という、2つの方向性がある感じがする。

    最近は、前者的なものが多い気がするが、この本は、どちらかという後者のアプローチ。

    結構、ロジカルシンキング的なところが強いのだが、いわゆる要素還元主義的ではないし、人間の心理とか、思考パターンを十分に考慮した新たなロジカルシンキングという感じ。

    システム思考も、奥が深いなー、と思った一冊であった。

  • 3

  • 思考方法の幅を広げられる良書

    普段どうしても
    原因→結果
    と短絡的に考えてしまいがちだが
    本書にあるように
    「自身もその環境に影響を与え
     かつ影響を受ける、システムを構成する一部である」
    ということを踏まえて事態を捉えると
    短絡的な原因→結果とは異なる側面が見えるようになる。

  • Business Dynamics: Systems Thinking and Modeling for a Complex World ― http://www.toyokeizai.net/shop/books/detail/BI/3fd8729bbf4858bedbe0495df183d9ee/

  • 問題解決の一つの手段として利用できないかとこの本を読んでみました。
    第1章「複雑なシステムにおける学習、複雑なシステムについての学習」は難解でこの本を買ったことを後悔しました。

    第2章以降から実例に基づいた解説になり、面白くなっていきました。

    事象の因果関係から原因や解決方法を探っていく考え方は非常に勉強になりました。。ループ、ストックとフローの図の書き方は簡単な物をかけるようになりたい。

    第7章から9章については興味のあるところだけ読んで後は飛ばし読みしました。第9章9.7.1で解説されている「ビール・ゲーム」はぜひ一度やってみたい。

    この本は私のような初学者向けではありません。かなり深く理解して方なら読みこなせるでしょうが、私にはとても難しかったです。
    特に数学の積分、微分が理解できる方がいいでしょう。
    私は改めて、「入門!システム思考」とか「システム・シンキング入門」を読み直すことにしました。

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