龍の寺の晒し首 (本格ミステリー・ワールド・スペシャル)

著者 :
  • 南雲堂
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784523265016

感想・レビュー・書評

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  • 旧家の花嫁の首なし遺体、連続首斬り殺人。血を吐く龍、天に昇る龍、さまよう生首など怪奇ガジェット目白押しの中、二転三転する結末。トリック過剰な作者のミステリーの中で、これはなかなかバランスが良かった。ご本人が横溝正史にハマり、こういうのが読みたいということで、島田荘司に出会い、今に至るとのことですが、旧家、集落型ミステリの伝承者として、引き続き頑張ってほしい。

  • 名探偵海老原と浜中刑事の出会い作かな。群馬県の寒村首ノ原で起きた連続殺人事件。次々殺される女性とその後見つかる首。
    時代設定も昭和だし、たしかに横溝正史的なミステリ(といっても実はまだ横溝作品全然読んだことないのですが)。最終的にサクサク解けちゃう海老原さんの名探偵ぶりが光る作品。

  • 控えめに言って「傑作」、大きく言うと「大傑作」。
    そのくらいの作品ですね、これは。

    星6点くらい付けたい勢いです。

    島田氏との共作『天に還る舟』から、
    『十三回忌』、『扼殺のロンド』、
    そして本作と、島田氏の後継を担う書き手として、
    大きな期待を込めて小島正樹氏の作品を続けて読んできましたが、
    本作で大きなブレイクスルーを遂げたように思います。

    作者は自身のミステリーのことを「やりすぎミステリー」と
    呼んでいるようですが、これでもかというくらい
    奇想と謎を盛り込んだ作品創りの集大成ですね、本作は。

    ただ、惜しい点もいくつかあって、
    まずは終盤の登場人物入り乱れてのゴチャゴチャ感。

    そして、それに付随する被害者家族、友人の描写の少なさ。

    全体通して刑事と海老原中心に話が進んで
    伴う被害者家族、友人は一乃をのぞいて
    ほとんどモブキャラ扱いで描写がないのに、
    終盤、突然濃厚な人間関係がわっと出てくるから
    唐突感があって混乱してしまいました。

    3刑事はそれぞれキャラクターがしっかりしていただけに
    ここはちょっと残念でした。

  • これでもかこれでもか!というほどに魅力的かつ大掛かりな謎がてんこ盛りのミステリ。因縁めいた物語やらいわくありげな現場やら、はたまた意味深な過去の物語に相当無茶な不可能犯罪状況。おなかいっぱい、大満足です。
    派手派手しい事件の数々がきちんと繋がるさまは爽快。あれやあれにも意味があっただなんて。個人的には唸り声を上げて血を吐いた龍の謎が好きです。雰囲気盛り上げるためだけの要素じゃなかったのかー。それにしても犯人よりも、諸悪の根源であるあいつは許せませんねえ。
    個々のキャラも魅力的でした。浜中、確実に刑事が天職です。気の毒だけど(笑)。そして最強キャラの一乃ばあちゃん! この人、素晴らしすぎるなあ。

  • 05月-20。3.5点。
    群馬の旧家、娘が結婚式前日に首を切断され、殺害される。
    連続殺人に発展、探偵海老原も協力し。。

    おどろおどろしい、王道のミステリという感じ。
    終盤、どんでん返しの繰り返し。少し詰め込みすぎた感もあるが、面白い。

  • 「飛びっきり奇妙な謎がきっちり解明されるものが好きです。島田先生の作品のような、冒頭の奇妙な謎が最終的に日常のレベルまで解明されるというものに、強く憧れます。まずは謎ありきですね。最後まで引き込まれる魅力的な謎がなければならない。解明は夢オチやSFあるいはオカルトに頼らないようにする。」

    自分の好みにかなり合っており、そうそうそう!と言いたくなってしまう。
    本作でも生首をどう運んだのか、動くはずのない龍がなぜ飛び去ったのか、などなど魅力的な謎が多数出てくる。そしてその謎全てに、納得のいく奇想天外なトリックが用意されている。
    最後に明かされる犯人にも驚かされた。

    また、小島さんの単独でのデビュー作である『十三回忌』などに比べると、文章力も上がってるように感じる。
    海老原浩一や浜中刑事のキャラクターも良かった。


  • 本当に何度も書くけど、デジタルではないミステリーが好きです。

    懐かしい雰囲気がしたし、読みやすかった。
    最後は、え、まだ?という、どんでん返しっぷり。

    シリーズだとは知らなかったので、他のも読んでみよう。

  • 浜中のキャラと不運(?)が愉快。名探偵たちのキャラも感じがいい。

  • 横溝正史の世界観を匂わせる探偵海老原シリーズ。この世界観好きなので、「えっ!ホントに!?」な部分にはつい目を瞑ってしまうw超常現象としか言えない事象(トリック)を一応理にかなった説明で解き明かすあたり、力技とはいえ毎度毎度感心。意外なところからひょっこり顔を出す真犯人は、二転三転のし過ぎでインパクトは弱めか。
    凄惨な事件の合間の浜中刑事の一乃ばあとの幼少の回想は郷愁を忍ばせ、現在の一乃ばあと彼と海老原のやり取りに和む。
    このまま寂しい気持ちで終わるのかな~と思っていた矢先のどんでん返しが最高の幕引きだった。

  • 文章が説明文みたいにくどくどしくだいぶ読み飛ばしましたが、最後のどんでん返しは面白かった。

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著者プロフィール

埼玉県生まれ。2005年、島田荘司氏との共著により『天に還る舟』(南雲堂)を上梓。2008年、『十三回忌』(原書房)で単独デビューを果たす。2015年、『扼殺のロンド』(双葉社)で第6回「駅の中の本屋さんが選んだエキナカ書店大賞」を受賞。スケールの大きなトリックと、どんでん返しを得意とする。趣味はリバーカヤックと散歩。ビールが大好物!主な著書に『怨み籠の密室』(双葉社)、『ブラッド・ブレイン1~3』(講談社)、『モノクローム・レクイエム』(徳間書店)、『愚者の決断——浜中刑事の杞憂』(南雲堂)など。

「2022年 『仮面の復讐者 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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