ファシリテーション入門

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532110260

感想・レビュー・書評

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  • ファシリテーションを、単なる会議などの進行の技術と考えていたが、本書を読んで、それが大きな誤りであることに気付いた。
    組織運営において、リーダーシップやマネジメントに加えて、ファシリテーションのスキルも重要だというのが本書の主張である。

    たしかに、マネジメントを仕組み化しても、それを動かすのは人である。
    コミュニケーション能力などが乏しければ、もちろんマネジメントも機能しない。
    また、過去の組織においては、指示命令で動く個人を対象としたマネジメントが多かった。
    しかし、現代の組織は専門分野化したセクションで構成されており、自律的な参画を促す「協働の場」のマネジメントの重要性が高くなっている。
    ファシリテーションの定義は、本書によれば「集団による知的相互作用を促進する働き」となっている。

    具体的には、以下の4つをファシリテーションの基本スキルとして解説してある。

    ①場のデザインのスキル:ファシリテーションをすすめるためのチームビルディングについて
    ②対人関係のスキル:チーム意識と相互理解をすすめるコミュニケーションのとり方について
    ③構造化のスキル:議論の全体像を整理して、論点を絞り込む手法について
    ④合意形成のスキル:コンフリクトを解消して、コンセンサスのある意思決定の導き方について

    コミュニケーションや論点の絞り方などについては、発言者への切り替えし方の細かな事例が多数紹介されており、大変参考になった。
    また、コンフリクトが発生する構造を分析し、対立を解消するためには、その背景にあるコンテクストの違いを確認することがファシリテーターの役割であるなど、有益な指摘もたくさんあった。

  • ■keyword
    ファシリテーション、協働型リーダーシップ

  • 参加者がアクティブに活動する会議や講義を展開したいと思っている。この本には、ファシリテーションの基本から実践までが網羅されている。

  • 知識や技術も必要だが、それを意識した場数がモノを言う。会議のデザイン、進行リード。意思決定をするリーダーと進行をつかさどるファシリテーターは分けて運営するのが基本。

  • リーダーシップという意味でファシリテーションを捉えているのが印象的。普通ファシリテーションというと会議の場でのテクニックに陥りがちだが、本書はそれだけでなく「なぜそうする必要があるのか」にも言及している点が興味深い。

  • 先日セミナーに参加した堀さんの本を積読してたことがわかり、
    急いで読んでみる。

    なるほど~、ファシリテーションの歴史と技術がコンパクトにまとまってて、
    初心者から、既に実践してる人まで、
    ファシリテーションに関わる人なら一読の一冊。

    入門ではあるものの、も少し具体的な実践例があると、
    より楽しめたかな~と思い-☆

    話し合いをどこか改善したいと思っている人に是非勧めたい一冊。

  • まさにファシリテーションの入門書。
    全ての知識が網羅されていると感じた。
    また、単純化して言えば組織では、ファシリテーションが足りないため、不満や閉塞感がでてくる。
    解決には、ファシリテーションが有効であり、そのひとつのツールにダイアログがあるといった位置づけであった。
    ダイアログ➡ディスカッション

    自己主張をすると、相手は防御や反対をしてくる。
    そうならないように、「非攻撃型自己主張」・・・質問を使うことが大切。
    今までは、それが曖昧表現でふさわしくないとと思っていた。
    ・個人的な意見なんですが
    ・こういう考え方も出来るのでは
    など

  •  最近、私の仕事でもファシリテーションという言葉を聞く機会が増えたので、ちょっと読んでみました。

     p.21 ファシリテーションを一言でいえば、「集団による知的相互作用を促進する働き」 とあります。そういう存在が大切なことはよく分かりますが、自分たちの組織にそういう存在がいるかと聞かれれば、いないと答える人が多いのではないでしょうか。

     p.23 会議のプロセスを舵とりするファシリテーターは、リーダー(意志を決定する人=議長)でも司会者でもない、とあります。いろいろな意味で能力が高く、上からも下からも信頼の厚い人でないと務まらないように感じました。

     ファシリテーターに必要な力がいくつか紹介されています。
    Ⅲ 場のデザインのスキル(1チーム活動の場をデザインする、2基本プロセスを使いこなす、3効果的なチームをつくる)
    Ⅳ 対人関係のスキル(1聴く力、2訊く力、3観る力、4応える力)
    Ⅴ 構造化のスキル(1主張を正しく理解させる、2ポイントと位置づけを明らかにする、3議論を構造化する)
    Ⅵ 合意形成のスキル(1合理的で民主的に意思決定をする、2協調的にコンフリクトを解消する、3学びを次につなげる)

     読みながら感じたことは、これらのスキルは、ファシリテーターだけが身に付けていればいいというわけではないということ。会議等に参加するメンバー全員が、少しずつでもこれらのスキルを共有することで、ずいぶん会議の在り方が変わるのではないかということ。そういいつつ、私もこれらのスキルを身に付けているわけではありませんので、少しずつ勉強しなければいけません。

  • ファシリテーションの基本がわかりやすくまとめられている良書と思います。
    日経文庫なので、価格も比較的安いし、ファシリテーションって何?と思った時にはまずこれを。

  • 会議が機能しない、プロジェクトで思ったような成果が出ない。
    ファシリテーションの欠如に起因しているところもある。
    人の意見をしっかり聞く、発言しやすい雰囲気を作る、議論をロジカルに集約する、コンフリクトを怖れない、といった姿勢を持てばチームの雰囲気は変わり、良質な意思決定ができるはず。

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著者プロフィール

組織コンサルタント、日本ファシリテーション協会フェロー。大阪大学客員教授(テクノロジーデザイン論)。
1960年神戸市生まれ。大阪大学大学院工学研究科修了。ミノルタにて製品開発や営業企画、経営企画に従事したのち独立。2003年に日本ファシリテーション協会を有志とともに設立し、初代会長に就任。組織変革、企業合併、教育研修、NPOなど多彩な分野でファシリテーション活動を展開している。ロジカルかつハートウォーミングなファシリテーションに定評がある。

「2022年 『ファシリテーション・グラフィック[新版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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