この「くに」の面影

著者 :
制作 : 藤原 帰一  吉岡 弘行 
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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本棚登録 : 38
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (433ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532167103

感想・レビュー・書評

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  • 難しかった。
    私の常識のなさを痛感

  • 0/1

  • 文章なのに、筑紫さんの声が聞こえるのだ。

    政治だけでなく音楽にも生活文化にも造詣の深かった筑紫さん。

    小さいところに神はやどる。

    どれほどのジャーナリストとして稀有の人であったかが分かる。
    本当に惜しい方をなくしてしまった。

    筑紫さんの問題提起を忘れず、身近でできることを考えていくことだと実感。

  • 「筑紫さんがどうしても伝えたかったこと」

    2007年5月14日、TBS『NEWS23』で肺癌であることを告げた筑紫さんは、翌年11月7日に東京の病院でこの世を去った。本書プロローグの冒頭に登場する「最後の多事総論」(WEB版)のタイトルは「この国のガン」。自分の病気と重ね合わせ、日本の現状を次のように表現した。

    「この国というのは一言でいえば〝ガン〟にかかっている。」

    オウム真理教をめぐるTBSビデオ問題が起こった時、「TBSは死んだに等しい」と内部批判した筑紫さんである。その姿勢を日本の現状に向ければ、こういった表現にならざるを得なかったのであろう。

    この本全体を読み解くために、まず一読していただきたいのが、第三章「〝連子窓〟の弟子として」である。

    これは、丸山真男氏をめぐる想い出から説き起こし、その思想を継承=「追創造」するとはどういうことかを語った講演の記録である。時事的であるがために、小刻みに展開される本書の他の文章と比較すれば明らかに違った読みごたえを感じる部分である。

    終戦時10歳であった彼が体験した、世の中全体がひっくり返るような事態。そこに生きていた責任ある(はずだった)人々の転向と変節。その中に、彼は全く例外的な存在として丸山真男氏を見出す。

    筑紫さんが、丸山真男氏の思想を最も「追創造」しなければならなかった課題は何だったのか。そのことを考え合わせながら読み進む時、筑紫さんが日本の現状について、どうしても伝えたかったことが浮かび上がってくるだろう。

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著者プロフィール

1935年大分県生まれ。朝日新聞社で米軍統治下の沖縄特派員、ワシントン特派員等を務め現在TBSテレビ系キャスター編集長。

「2010年 『戦争を平和にかえる法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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