渋沢栄一愛と勇気と資本主義

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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本棚登録 : 63
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532197469

作品紹介・あらすじ

もし、渋沢栄一が現代に生きていたら、日本の持続的成長を促すファンドをつくっていただろう-。大手ヘッジファンドを経てコモンズ投信を創業した渋沢家5代目が、自身のビジネス経験と渋沢家家訓を重ね合わせ、目指すべき資本主義社会像を語る。

感想・レビュー・書評

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  • 玄孫である著者による渋沢栄一本の1つ。

    本書では、自らが創業したユニークな投信会社「コモンズ投信」の成り立ちと栄一の哲学を、重ね合わせて綴っている。
    本書を読んで、ヘッジファンドや投信のイメージが、よい方に少し変わった。

    渋沢栄一を現代に蘇らせ、現代社会について語らせた「もし、いま渋沢栄一がいたならば……」の章が面白かった。
    子孫だからこそ許されることではあろうが、栄一の思想を深く研究した著者だけに、いかにも彼がいま生きていたら言いそうな内容になっているのだ。

  • コモンズ投信の会長であり、渋沢栄一の5代目子孫である渋澤健さんの著書。

    日本の資本主義の源流の1人、渋沢栄一さんの「愛と勇気」が資本主義を生み出した。

  • 1990年はバブルのピークであり、1960年から1990年までの30年間は、日本が高度成長し「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれた「繁栄の30年」である。その前の30年間(1930~1960年)は、それまでの常識が非常識となった戦争の時代で、「破壊の30年」といえるだろう。しかし破壊から新たな常識が生まれ、その後の30年が繁栄したとも考えられる。さらに前の30年間(1900~1930年)は、1904~1905年の日露戦争で、それまで後進国だった当時の日本が先進国に追いついた時代を象徴した。この時代も「繁栄した30年」といえるかもしれない。その前の30年間(1870~1900年)は維新であり、まさに270年近く続いた江戸時代の常識が崩れ、近代化という新しい時代の常識を築いた「破壊の30年」だった。
    このように明治維新以降の日本は、30年の破壊に続いて30年の繁栄があり、30年の破壊を経て30年の繁栄があった。この周期性が未来にも続くと考えれば、現在は「失われた10年」が「失われた20年」に延びたのではなく、「破壊の30年」がまだ続いていることになり、日本は2020年ごろから「繁栄の30年」を迎えることになる。
    2020年五輪が東京で開催されることが決まった。前回の東京五輪(1964年)は「繁栄の30年」の入り口だった。単なる偶然かもしれない。それとも必然だったのか。2020年五輪というビジョンができたことで、日本の未来がちょっと見えてきた。
    このように、景気循環が長期的な周期性があるとすれば、企業への投資も、長期的な視点をもって臨むべきであろう。我々現役世代が、子供や孫の世代の為に良い社会を残したいという小さな想いや志でもよく、この想いや志が小さな行動につながり、共感によって同様の小さい想いと行動と合流すれば、いずれ大河のように国の大きな原動力となる。ポタポタ垂れている滴が寄り集まれば大河となる。これが渋沢栄一が訴えた「合本主義」の根源となる思想であり、共感資本主義と呼ばれるものである。

  • 渋澤健さんから、20160222コモンズ投信のセミナーでサインを頂いた
    「恋」の場合は現在の二人同士しか眼中にないが、「愛」の場合は目線の先にあるのは未来だ 渋沢栄一にとって、現状維持とはすなわち「死」を意味した。実際のところ、現状をいじしていた日本は中国に追いつかれ、世界第二の経済大国の座をゆずった 自分が正しいと思っていることを揺るがず追及する欲望だ 「ミトコンドリア」と「カレーうどん」を検索すれば、間違いなく経済同友会のサイトにたどり着ける

  • 渋沢栄一の名を借りているだけ。

  • 読了。本来、ファンド運営とは哲学だ。とても勉強になる一冊。同業の方は是非ご一読をお勧めします。

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著者プロフィール

渋沢栄一の玄孫。シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役。コモンズ投信株式会社取締役会長。JPモルガン、ゴールドマンサックスなど米投資銀行での実務経験も豊富。

「2022年 『しごとってなあに?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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