How Google Works: 私たちの働き方とマネジメント

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532198343

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めた最初は、例のごとく、散文的に書かれた本かなと思って、なかなか読み進まなかったが、
    途中から、するするっと入るようになった。
    Googleに務めている人は、基本的に Super優秀な人であって、
    その職場で実践できていることは、
    必ずしも、一般的な職場で実践できるとは思えなかった。
    が、参考になる部分はあると思えたからだろうか。

    「文化」
    世間的に言われていることの逆を行っている気がする。
    仕事もプライベートも一緒にするぐらい、同じ方向性、人間性を持つ人を集めてこれる会社は、強い。
    LAXテスト、6時間雑談をしても楽しめる人を集める。
    とにかく採用が大事ということ。

    「戦略」
    市場調査ではなく、技術的アイデアに賭ける。
    これも、一般論と逆では?
    ただ、市場調査で出てくるものは、顕在化のニーズであり、非顕在化のニーズを見出すためには、
    自分の軸、自分がほしいもの、自分の情熱、自分の強みに賭けるという流れと一緒?

    「人材」
    クラスAの人間はクラスAを連れてくるが、
    クラスBの人間はクラスBだけじゃなくて、C,Dもつれてくる。
    従業員満足度の中で、
    ある一定以上になれば、自己満足、自己成長の機会などが必要。
    その中で、優秀な人と働けるというのは
    とても強いインセンティブになる。

    「意志決定」
    権限を与えることは、インセンティブになる。クラスAについて。ある一定の権限を徐々に与える
    ・会議の運営
    会議には、単一の意思決定者を置く
    ・意思決定者が自ら会議を設定する
    ・意思決定の会議ではない、ブレスト的な物でも、オーナーを決める。
    ・会議は適宜廃止する。
    ・会議の人数は8人がMax(5-6人がベスト)
    ・時間管理
    ・人数を絞る:

    採用の起きて
    ・人より優秀で博識
    ・プロダクトと企業文化に付加価値をもたらしそうな人
    ・仕事を成し遂げる人(問題を考えるだけのヒトはダメ)
    ・熱意があり、自発的で、情熱的
    ・周囲に刺激を与え、協力できる
    ・チームや会社とともに成長できる人
    ・多彩で、ユニークな興味や才能を持っている人
    ・倫理観があり、率直に意見できる
    ・最高の候補者を見つけたときのみ採用する。

    本質的には、時代に即した技術を開発し、
    その技術を最高峰に仕上げ、
    それを収益化するビジネスモデルがあり、
    そのベースに、優秀な人材が集まる環境を作れたことが成功の要因か?

    孤高の存在だからこそ、市場調査はいらず、
    自らが思う理想・妄想を実現することで、
    社会を変えていくということに集中でき、
    また、多角的に取り組める。

    その中でも資源配分は、
    あくまで、70は、本業の検索業務に取り組みながら、
    20,10と配分をしている。

    良い失敗をする。
    事業的に失敗だったとしても
    挑戦の意識、経験は生き、今後につながる。


    やはり、散文的で、読みにくい本ではあるが、
    雰囲気に浸るという読み方が良い。

  • # 書評☆3 How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) | 新時代の知識労働者「スマート・クリエイティブ」のマネジメントが全て

    ## 概要
    - 書名: How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス)
    - 副題: 私たちの働き方とマネジメント
    - 著者: エリック・シュミット and ジョナサン・ローゼンバーグ and アラン・イーグル
    - 出版日: 2017-09-01
    - 読了日: 2019-10-31 Thu
    - 評価: ☆3
    - URL: https://book.senooken.jp/post/2019/12/12/

    ## 評価
    2014-10に日本経済新聞出版社から刊行された同名書を文庫化したものとなっている。

    内容は,世界的な大企業となったGoogle社の成長の源泉となる働き方について,成功・成長している企業やベンチャーの発達過程をたどるように説明されている。

    Googleの考え方,働き方について書かれた貴重な書籍となっている。

    書籍内の至るところに,文献や研究の引用があり,ユーモアに富んだ説明があり,さすがというか知性を感じた。

    本書全体を通して,「スマート・クリエイティブ」と呼んでいる新しい時代の知識労働者,いわゆる天才のマネジメント方法が書かれている。その中で,Google社の社内制度,戦略なども書かれている。

    新しい時代では,プロダクトに根ざしたプラットフォーム戦略が重要というのも至るところで見かけた。

    ## 引用
    > ### p. 41-44 : スマート・クリエイティブ

    ここで,本書全体と通して重要な「スマート・クリエイティブ」という新しい知識労働者の重要性を説いている。

    一言でいうと天才なのだが,その最低限の特徴を抜粋すると以下となる。

    - ビジネスセンス
    - 専門知識
    - クリエイティブなエネルギー
    - 自発性

    このスマート・クリエイティブを惹きつけ,彼らがとてつもない偉業を成し遂げるられるような環境をつくり出すことが,最高のプロダクトを生み出し続ける能力となる。

    いってしまえば,本書はこのスマート・クリエイティブをうまくマネジメントするためにGoogleが試行錯誤して試した方法が書かれている。

    > ### p. 53: 楽しいプロジェクト
    > 本書は成功・成長している企業やベンチャーの発達過程をたどるような構成になっている。この発達過程は、雪玉が坂道を転がっていくうちに勢いがつき、どんどん大きくなっていくような、永続的な好循環に発展できるものだ。一連のステップは、スマート・クリエイティブを惹きつけ、意欲を高めるために企業が実践可能なものだ。その一つひとつが企業を次のステップへと押し上げていく。各ステップは相互に依存し、お互いの上に成り立っている。またどのステップも決して終わることのない、ダイナミックなものだ。

    ここではGoogleの現在の環境をつくり出したステップが説明されている。

    1. まずは最高のスマート・クリエイティブを惹きつける方法から始める。その出発点は企業文化だ。
    2. 戦略: 事業計画を支える戦略の柱こそが、事業計画そのものよりはるかに重要だとよくわかっている。
    3. 採用
    4. 合意形成の方法: 企業が成長を始めると、難しい判断をくださなければならない時期が来る。
    5. コミュニケーション: 企業の成長に伴って極めて重要に (かつ難しく) なる。
    6. イノベーション: プロダクトの優位性を維持することであり,「イノベーションの原始スープ」に満たされた環境をつくることが唯一の道なのだ。
    7. 従来型企業について
    8. 想像もできないことを想像する方法

    特に明示されていないが,暗黙の内に代表・社長もスマート・クリエイティブでないと,こういう考え方はできないだろうと感じた。

    > ### p. 88: 独立採算にしない
    > 独立採算制は、各事業部の実績を測るのに都合がよさそうだが、人々の行動を歪めるという好ましくない副作用が生じるリスクがある。つまり事業部の責任者は、自らの事業部の損益を会社全体の損益より重視するようになる。

    大企業だと,事業部ごとに独立採算制をとっているところはある。この欠点がわかった。

    ## 結論
    かのGoogle社の考え方を知れて参考にはなった。が,参考になっただけで,実際に何かに役立てるというのは難しいように感じた。

    まず,スマート・クリエイティブを集めたり,関わること自体がそもそも難しい。そんなにどこにでもいるわけではない。

    どちらかというと,自分がどうすればスマート・クリエイティブになれるのか,近づけるのか,そちらを知りたかった。

    ここに書かれている内容は,スマート・クリエイティブである創業者達が,自分たちと同じようなスマート・クリエイティブ達を集めて,マネジメントするための方法が書かれている。そのため,スマート・クリエイティブでない人間が読んでもあまり意味ないかもしれない。

    自分がスマート・クリエイティブに該当していて,スタートアップ企業などでスマート・クリエイティブのマネジメント方法を考える場合には役に立つだろう。ただし,それ以外のほとんどの人にとっては,絵空事になってしまうように感じた。

    このような環境を作るには,代表・リーダーがまずスマート・クリエイティブである必要があり,そもそもスマート・クリエイティブ自体が多くないので,届かないだろう。

    なお,今回は文庫本で読んだが,ページ数がやや多くて,ページをめくるのが面倒だったので,2014年の単行本のほうが読みやすいのではないかと思った。

  • 世界観が違いすぎる。

    グーグルはエンジニア中心の性善説を敷く。最高のエンジニアに任せていれば、全てうまくいくという考えが根底にある。

    従来のMBOや計画管理はエンジニアを不幸にする。
    「計画を前倒しで達成した例があるか?」「計画を超えるプロダクトを仕上げたことがあるか?」では、何のために計画はあるのか?ゲートベースアプローチに基づくプロダクト開発や今日の経営管理プロセスは、プロダクトの優位性を支えるだけのスピードを持たない。意思決定のスピードをあえて遅くするように設計されている。

    グーグルはプロダクトの優位性に価値を置く。それは直接ビジネスの優位性になるからだ。

    プロダクト開発のスピードとプロダクトの質を高めることを最優先すべきだ。誰のアイデアか、よりまともなアイデアかが重視されるべき。

    あなたのプロダクトの技術的アイデアはなにか?グーグルがプラットフォームを拡大するために指標とした5つの軸。スピード、正確性、使いやすさ、網羅性、鮮度

    市場調査よりも技術的アイデア。グーグルの中でとりわけ成功しているプロダクトには、強力な技術的アイデアがあった。

    グーグルの経営者にとって最も重要な仕事は、採用だという。とにかく優れた人材を採用することに集中する。それが候補者にふさわしいポストがないとしても。素晴らしい人材の集まる会社は素晴らしい仕事を成し遂げ、さらに多くの素晴らしい人材を引き寄せる。採用を全社員の担当業務に含める。採用担当者に採用を丸投げすると、質の悪い人材が集まる。全社員がひとりずつ優秀な人を連れて来ればいい。採用の質を犠牲にしてまで埋めるべきポストはない。

    スライドは会議を運営するため、あるいは意見を主張するために使うべきものではない。全員が同じ事実を共有できるようにデータを見せるためのものだ。データが誤っていたり、妥当性がないものであれば、どんなに見栄えの良いスライドを作っても意味がない。

  • 今の時代の働き方としての最適解が描かれていると思う。IT業界ならではの視点もあるが、経営者、管理職はこの本に書かれてある視点を忘れないようにする方が軋轢が少なくなるように思う。

  • GoogleはAppleやAmazonと比べるとカリスマと呼べる人がいないと思ったが、おそらくボトムアップ型の企業なのではないかと感じた。スマートクリエイティブと呼ばれる天才を破格の報酬で囲い込み、極めて高い裁量を与えることで、イノベーションを引き起こす、それがGoogle流なんだと思った。

    採用についても言及されているが、優秀な人材を採用するのは存外難しいことも分かった。Googleに限らず、転職、就職を考えている人は、転職本の内容だけでなく、このような採用のプロセスも知っておくことは損でないと思われる。

    スマートクリエイティブが物理的ロケーションを重視する傾向にあることから考えると、東京で仕事をすることにも優位性があると思われるが、著者は東京を主要な技術的ハブとして挙げていなかったことに寂しさを感じた。

  • くそ

  • Googleの組織の成り立ちやプロジェクトについて興味深く描かれている
    しかし日本の古い公務員的な組織で、非管理職として働いている自分には、日常の仕事のやり方などで改善するためにの参考点として学ぶことができることはほとんどなかった

  • Googleはどのようにクリエイティブな環境を作ったのか、多様な人材をどのようにかき集め、マネジメントしていったのか、文字通り"How Google Works"を知ることができる。

  • Eric SchmidtとJonathan RosenbergによるGoogleの組織マネジメント論。文化・戦略・人材・意思決定・コミュニケーション・イノベーションの章立てでGoogle独自の組織運営のやり方が書かれている。自身から見えるKKEの経営思想と比較しながら読むと、組織規模や注力しているプロダクトやサービスが異なるにもかかわらず、思っていた以上に共通項が多い気がして興味深かった。効果的な施策が功を奏したり、その後の企業文化の改善に至った具体的なエピソードを1つ1つ詳細に書いているので、本の主張・結論を整理し系統立てて頭に入れるのは難しかったが、Googleで活躍するスマート・クリエイティブたちの考え方を知れただけでも有意義だった。また「ラーニングアニマルであれ」という文脈で引用された、ヘンリー・フォードの「人は学習を辞めたとき老いる。20歳の老人もいれば、80歳の若者もいる。学びつづける者は若さを失わない。人生で何よりすばらしいのは、自分の心の若さを保つことだ」も刺さった。

  • Googleが採用をいかに重要視しているか分かる内容であった。
    彼らが設計した採用プロセスから採用の質を一切妥協しないという姿勢が見受けられた。

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著者プロフィール

グーグル前会長
2001年グーグル入社。同社がシリコンバレーのベンチャー企業からハイテク業界の世界的リーダーへ成長するのに貢献。2001年から2011年までグーグルCEO。2011年から2018年までグーグル会長、その後は2020年までグーグル技術顧問を務めた。グーグル入社以前はノベルとサン・マイクロシステムズで経営幹部を歴任。プリンストン大学で電気工学を専攻、カリフォルニア大学バークレー校で修士、博士(いずれもコンピュータ科学)を取得。

「2022年 『AIと人類』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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