会社が嫌いになったら読む本

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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本棚登録 : 119
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532260545

感想・レビュー・書評

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  • 「今やっていることが、誰の役に立っているのか」
    「成長している実感が得られない」
    「このまま時間が流れていっていいのだろうか?」

    こういう「満たされなさ」「生きる意味に対する疑問」に悩む状態を、
    著者は「こころの定年」と定義づけている。

    40代以降をターゲットに書かれた本のようだが、
    30代である僕もいつも感じているところである。
    生きる意味、なんてことはそれこそ10代からずっと考えている。
    だけど、いくら考えて、内省してみたところで、そんなことはわからないのだ。
    だからそのときそのときで流されて生きてきた。

    しかし、30歳を過ぎてくると、人生の最期を視野に入れ始める。
    この本では40代とか50代とは言うが、30代だってやっぱりそう思う。
    そして人生80年を逆算したときに、自分が何をなすことができるか不安になるのだ。
    死ぬ時に、いい人生だった、そう思いたいのだ。

    この本は別に転職や独立をすすめているものではない。
    しかし、そういったことを含めて、人生が変わった、
    自分の枠組みを変えて「いい顔」になった人へのインタビューを元に、
    満たされなさへの処方箋を示してくれている。
    著者自身はうつ病になったことをきっかけに自分を変えた一人のようだ。

    結論としては、自己イメージを変えていくために、
    自分と向き合うということがすべてである。
    自分にしか答えは出せない(答えすらあるのかもわからない)。
    ただ、内省するだけではダメで、人に会うなどの行動することで、
    自分の道を切り開くことが多いようである。
    選択肢を多く持ち、人に会い、そこで生まれる偶然、偶有性。
    自己分析をして、こうでなければ幸せはないと思うのではなく、
    もちろん自己を真剣に考えながらも、行動する中で何かが見えてくる。
    そういうことのようである。

    現在の自分の状態に勇気をくれる、とてもいい本だった。

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著者プロフィール

楠木 新(クスノキ アラタ)
楠木ライフ&キャリア研究所代表
1954年神戸市生まれ。1979年京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。人事・労務関係を中心に経営企画、支社長等を経験。47歳のときにうつ状態になり休職と復職を繰り返したことを契機に、50歳から勤務と並行して「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組む。2015年に定年退職した後も精力的に活動を続けている。2018年から4年間、神戸松蔭女子学院大学教授を務めた。現在、楠木ライフ&キャリア研究所代表。著書に、『人事部は見ている。』(日経プレミアシリーズ)、『定年後の居場所』(朝日新書)、『定年後』『定年準備』『転身力』(共に中公新書)など多数。

「2022年 『自分が喜ぶように、働けばいい。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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