グリーン革命 下: 温暖化、フラット化、人口過密化する世界

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532314422

作品紹介・あらすじ

トヨタのプリウス、三菱重工のタービン発電機、シャープのソーラーパネル、日産が進んで求める排ガス規制強化-日本を代表する企業がグリーン・テクノロジーで世界をリードする日は近い。専門家の多くが、日本は地球上でもっともエネルギー効率のいい先進国だと断言し、エネルギー価格高騰の時代でも繁栄する備えができているというのだ。だがいまアメリカと世界は環境規制、排ガス規制、省エネ基準を強化する政策を採用し、日本を追いかけようとしている。太陽力、風力、潮力、原子力、水力など再生可能エネルギーへの投資、ハイブリッド車、電気自動車、水素自動車など新しい自動車の開発、省エネビルの建設、高速度鉄道の新設…次なるグローバル産業はすべてグリーンから生まれるからだ。この得意分野で日本の優位を保ち、21世紀の雇用と経済的繁栄を創り出せるか。オバマ大統領も熟読し、主要政策に反映させた現代人の必読書。発売されるや、アマゾン・コムの年間ベストブック、ビジネスウィーク誌の年間ベストビジネス書に選ばれた話題作。

感想・レビュー・書評

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  • 中国とアメリカのグリーン化について知りたくて読書。

    下巻は、大きな概略のような説明だった上巻を詳しく補足するような構成。予備知識が乏しいので、下巻は少し理解度が低く感じる。

    第四部の中国を興味深く読む。著者は中国の現在の政治体制の時にこそグリーン化を一気に進め、GDP主義から、グリーン主義へ転換をするチャンスだと主張。

    本書でも取り上げられているビニール袋の一斉有料化は日本では考えられないトップダウンだ。続いて割り箸も全面有料化することができるのであれば、逆に環境先進国である日本も見習う必要が出てくるのではないか。帰省先にあるスーパーチェーンではマイバック持参で2円引きとしているが、日本の物価で考えるとその効果は疑問。

    現在、大気汚染、そして、鳥インフルエンザで大騒ぎの中国。確かに市民生活に大きな支障が起こり、健康被害も年々大きくなっている傾向にある。確かに高成長を続けることが、共産党政府にとっての求心力の元である。しかし、数年の内に変化するかもしれないと読んで考えた。

    本書の趣旨からするとアメリカ人である著者は、「アメリカよ目覚めよ。世界のグリーン化の先導しろ!」と叱咤激励しているようだ。アメリカが変われば、世界が、何より中国が変わるのではないかと。

    役者あとがきにあるように日本は、21世紀の新しい国家成長モデルを作ることができる可能性があると知ることができる。

    石油価格と新エネルギーやクリーンエネルギーの関係は実に興味深い。

    資源問題に含まれる水の問題も深刻。水が豊かな日本人の問題意識は希薄だけど、世界的には逼迫した課題なんだと読み終わっての感想。

    本書でも全文紹介されている環境サミット(1992年・リオ)でのセヴァン・スズキさんのスピーチ動画。
    http://www.youtube.com/watch?v=C2g473JWAEg

    読書時間:約1時間10分

    本書は日本領事館大連出張所でお借りしています。有り難うございます。

  • 勉強会の課題図書なので読んでみた。自分の中で、環境問題(地球温暖化問題)に対する意識が変化したのを感じた。時間のある人はぜひ読んでみるべき。これからの時代の流れが見えてきます。■簡単に本書(上下巻)は以下のようにまとめられると思う。 ・石油依存からの脱却  ・テロリストへの資金供給路を断つ  ・CO2を排出する「汚いエネルギー」からの脱却 ・クリーンなエネルギーの開発    ・風力、太陽光 ・エネルギー利用の最適化  ・経済的に最適化する仕組みを作る   今までよくいわれていた「エコ」とは一線を画する発想  ・先進国と後進国との間の技術・富の適切な移動■よくも悪くもアメリカ中心の発想が鼻につく■地球温暖化に対する危機感がよく伝わってくる(あおりすぎ?) ⇒今までよく目にしてきたいわゆる「エコ」とは発想が違う   より現実的な提言となっている。(明日からこの取り組みが始まっても   おかしくないと思わせる説得力がある)■「グリーン革命」という邦題については、やはり残念としか言いようがない。

  • 戦地における燃料問題は確かに重要だと思う。エネルギー問題を軍事問題と結びつけた章は非常に面白かった。

  • 規制は概して成長の妨げになるが、既得権益への規制は成長を促す。とすると、鳩山元首相のCO2削減宣言も悪くないか。カナダの少女の発言を引用した部分が胸を打つ。

  • 本当人事ではないなとかんじます。
    でも驚いたのはかの国にもグリーンなエネルギーに
    取り組む人がいること。
    実はお金持ちにはこのエネルギー業界の人が
    いるみたいですよ。

    面白いのは
    未来のエネルギー図。
    この時代は近いうちに来るのでは?
    節電ができない企業が淘汰される時代も。

    原子力批判があるのも必見。
    それとプリウスが何気に評価されています。

  • 上巻で大きな問題提起、それを下巻に引き継いでどうまとめるのかな…という点が気になっていましたが、さすがのまとめ方。「ビジネスチャンスは、いかにも難題の表情をしてやってくる」という言葉、個人的には刺さりましたね。下巻の内容はあくまで前向きな提案になっていたのには感心させられた。次世代大国の中国と、現状のリーダーシップを担うアメリカを対比しつつそれぞれの強みと今後のスタンスを明快に提案している。これってオバマが就任して掲げた「グリーンニューディール」の原型がすでにフリードマンによって記されている、という見方が妥当なんでしょうね。やっぱすげぇ。読み終えて、温暖化とかエネルギー問題とかに対する考えが変わった。環境に対して前向きに、かつ経済活動とも直接結びつく手が間違いなく存在する。節約だとか倫理観の主張だけでは足りなくて、もっと違う枠組みが必要だ。それを実践できた国が、次世代リーダーなんだろうな、と本当に思った。現状の経済的な立場とか、かつての歴史なんかは、もう関係なくなるだろう。

  • (上)で抽象的な提言をして、(下)ではより具体的な各国の状況や、取り組みが書かれているように感じました。
    上のほうがおもしろかったかな。

  • 「石器時代が終わったのは、石がなくなったからではない」
    サウジアラビアの石油相は、石油を高くしすぎれば
    世界は再生可能エネルギーにシフトすることを予感していたという。

    この本によれば、石油依存の社会を変えるには、法律を変えて
    石油税、炭素税を高く設定することだそうだ。
    そうすれば、太陽エネルギーの研究や
    ハイブリットカーの研究も進む。
    石油よりも安いエネルギーでなければ世の中は変わらない。

    オランウータンを救うとか熱帯雨林を守るとかいうことも、
    ただ自然を守ろうというのではなく、
    自然を守ることが利益につながるということを
    理解してもらわなければらない。

    なるほど、これから
    日本が発展するならグリーン産業でしかないな。

  • 普通に面白い。
    石油・石炭によるいわゆる汚い資源を使用する資本主義から、いかにして太陽光やバイオマスといったような資源を使用するクリーンなGDP資本主義に移行するのか。というのが本書の主題。

    このテーマ対し、アメリカはどのように動いていくべきであるのか、について書かれている。

    一読を勧める。

  • 素晴らしい。
    自分の仕事に、今後夢を持って取り組めると思う。
    新たな世界を想像して描いた部分は、世界が目指すべき姿であると思う。

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著者プロフィール

ニューヨーク・タイムズ コラムニスト
1953年ミネソタ州生まれ。ブランダイス大学を首席で卒業後、オックスフォード大学で修士号を取得(現代中東研究)。UPI通信に入社し、79年から81年までベイルート特派員。その後ニューヨーク・タイムズ社に移り、ベイルートとエルサレムの両支局長を歴任。その間、ピュリツァー賞を2度受賞。89年に帰国。95年からニューヨーク・タイムズ紙の外交問題コラムニスト。02年にテロ問題に関する執筆活動により3度目のピュリツァー賞。

「2021年 『遅刻してくれて、ありがとう(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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