WHYから始めよ! インスパイア型リーダーはここが違う

  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532317676

感想・レビュー・書評

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  • 新規事業を始める時に大切な考え方、チームで議論する上で重要な考え方を学べる本だと思う。

    最近は、よく素晴らしい本に出会う。この本もまさに名著だった。

    なぜアップルには、多くのファンが集まるのか。
    それは、WHYが常に明確でブレることがないからだとわかった。

    すべてはWHYから始まるべきで、WHATから考えたサービスはファンを作らない。
    これは著者が推奨しているWHY、HOW、WHATという3つの視点のうちの2つだが、
    シンプルにマーケティングの本質を突いていると思った。

    また、洗剤の例え話も興味深く、実際の業務での考え方の参考にあると思った。
    ユーザにどんな洗剤がほしいか?というアンケートを取ったら、よりきれいになる洗剤がいいと殆どの人が答えた。
    ただ、実際にユーザの行動を見てみると、洗い終わってから発色のチェックをしている人はほとんどおらず、
    匂いを嗅ぐ人が多いことがわかった。
    アンケートは重要だが、その本質が理解できるようなものにすべきだ。

    このように多数の具体例をもとに展開されているので、非常にわかりやすく腹落ちする。
    下記に気になったフレーズを列挙。


    普通は外側から考えるが、傑出している人は内側から考える。人はあなたのwhatを買うのではなく、whyを買うのだから。
    義理堅い顧客と、会社に尽くす社員の存在は安心感をもたらす。
    操作は有効であるからこそ危険が伴う。
    そして有効であるからこそ、操作は当然の作戦となる。
    操作↔︎感激させてやる気を起こさせる
    帰属意識はどんな文化であろうと人間が持つ普遍的なものだ
    帰属意識は非常に強力だから、私たちはどこかの一員になるためなら苦労をいとわない。
    感情や意思決定を司る脳の部位は、言語能力を司ってないため、後付けの理由は返せるが真の動機まではなかなか掘り起こせない。
    もしある企業のリーダーが製品やサービスという言葉を使わずに自社の存在意義を明確に説明できないのなら、毎日自分がなんのために出社しているのか、従業員にわかるはずがない。
    指針を明確にするには動詞にするといい。誠実→常に正しいことをしよう
    whyは信条、howは行動、whatは結果。やること、言うことすべてがwhat。
    リーダーの役割は、様々な名案を示すことではなく、名案が浮かぶよう環境を整えることだ。
    成功をするとwhatが洗練されていき、そちらに注力するので、whyとの乖離が起こりやすくなる
    人は誰かと争う時、誰も助けたいとは思わない。常に自分と戦おう。
    あなたのライバルは?と聞かれたら、いないと答えよう
    誰と比べてどこが優れているんですと聞かれたら、あらゆる点で優れているところがないと答えよう
    それならどうしてあなたと取り引きをすることがいいの?と聞かれたら、半年前の私たちの商品よりいいし、半年後はもっとよくなってると答えよう。
    操作する方法
    プロモーション=付加価値
    価格競争
    恐怖心
    上昇志向のメッセージ
    目新しさ
    ゴールデンサークル
    円の外側から
    what:企業は自身がしていることを把握している
    how:自身がしていることの手法を知っている企業もなかには存在する
    why:自分がいましていることを、している理由を明言できる企業は少ない
    ゴールデンサークルをうまく働かせる順序
    whyを明快にする
    howを訓練する
    終始一貫したwhatを貫く

  • 題名の通り「WHY」から思考する重要性を説いている。

    何をするにもWHYから考えなければ、成功ないし幸せになれない。
    そしてWHYがあるからこそ周りをインスパイアすると言うことを、生物学視点からも知った。

    今後の幸せの為に、何事にもWHYを考えて生きていきたいと思えた。

  • 確かに本書を読んでインスパイアされたし、Why の重要性も理解出来たと思う。
    が、本文中にあるように、本当に顧客はWhyを買ってるのだろうか?
    自分がものを買うときの事を考えても、正直Why を買ってるものって少ない。 勿論、音楽やゲームとかの娯楽、家電などのちょっと高めの買い物をするときはWhy を買ってるような気もするけど、大半の場合は、はやい、うまい、やすいのWhat 基準で買う。
    また、BtoBのように顧客が個人でなく組織の場合、稟議等で複数の関係者が絡んできて、より価格や性能等のWhat 面が重視されるのではないだろうか。

    とか思ってたら、アーリーアダプターとかのとこに書いてあった。Why を買うのはアーリーアダプターまでで、アーリーアダプターの心をがっちり掴んで口コミしてもらうためのWhy 重要ってことみたい。

  • WHYから始めよ。すなわち、何にどう貢献したいのか、ぶれるなといった内容の本。

    いくつか、気に入りの言葉をメモ。

    appleはWHYを基盤に自社を定義してきた。
    人の行動に影響をおよぼす方法は、二つしかない。マニピュレート操作するか、インスパイア鼓舞するか、だ。操作からは忠誠心は生まれない。操作には、大金がかかる。
    価格競争、プロモーション、恐怖心を利用、目新しさ(自称イノベーション)、、、いろいろ操作の方法あるが、

    WHYなきところに、イノベーションなし
    WHYを明快に。なにをこころざしているか。
    次にHOWを。WHYはただの心情。hはその心情を理解するためにおこす行動。することの全てがWHAT。WHATには終始、一貫性。
    リーダーには信奉者が必要。絆、同志愛、信頼。それこそが成功をもたらす。
    WHY、夢を語る人のそばに、HOW、計画を立てる人
    WHYを知る人には、
    HOWを知る人が必要。
    ビジョナリーと、ビルダー
    WHYとHOW
    セロリテスト、WHYにそぐうかどうか?一貫性があるか?
    大きくなるとWHATとWHYが乖離しやすい。
    創業者なき後も従業員をインスパイアし続けられるか?

  • 行動を起こす時は、自分のWHY(大義、理想)を明確にし、それを軸にしてすべてを始めなければならない。それができて初めてHOW(手法)を考えることができ、その結果WHAT(成果)をあげることができると言っている。著者はこのWHYを中心とし、HOW-WHATへ広げる考えをゴールデンサークルと表現していた。WHYを見失ってWHATに走ってしまい、衰退していく多くの事例はビジネスの教訓です。自分の会社にも経営理念はあるが、正直自分自身に落とし込めていないので、もう一度その意義をじっくり考えてみようと思った。

  • TEDで有名なコンサルタントが著者。
    その内容を詳細に記載したのが本書。
    非常に興味深い。
    同心円の内側からWhy(なぜその製品を生み出すのか?)、How(どうやってその製品の違いを明確にするのか?)、What(何を売るのか?)で描き、これを「ゴールデンサークル」と呼んでいいる。
    大半の企業がいちばん明確なWhatからWhyの順番で考え、行動し、顧客に伝達しているが、
    優れた企業は、WhatからではなくWhyに重きを置き、自分たちは何者であり、何をしたいのかを明確にしてそれを顧客に伝えてい。
    そして顧客はWhatではなくWhyを買う、つまり企業のWhyに共感して、Whatである製品を買うのだと説いている。

  • why(理念や主義)をまず明確にし、それにそったhow(手法)でwhat(行動)するという成功の鉄則が学べる。
    本として、テーマが全くぶれてなくて、良くも悪くもこれ一つについて延々と、アップル、サウスウエスト航空など実例とともに説明されている。


    以前、日本企業のCMはイメージを優先するものが多くて、商品の具体的な説明が少な過ぎるという話をどこかで聞いたことがあるけど、この本の考えによると、むしろ前者のほうを優先すべきとなる点が興味深い。


    確かにアップルのwhyは明快過ぎるくらい明快でこの本を語る上でこれ以上の例はない。そして、ジョブズがいなくなった今どうなるのか見てみよう。

  • サイモン・シネックがゴールデン・サークルのコンセプトを語るTEDのVideoには大いに感銘を受けたものであるが、それを著した本があることを聞いて早速読んでみた。

    ※シネックのTED(日本語字幕入り)
    http://www.ted.com/talks/lang/ja/simon_sinek_how_great_leaders_inspire_action.html

    まずゴールデン・サークルのコンセプトとは、3つの同心円の外側からWHAT/HOW/WHYとあり、通常製品をアピールしたり物事を訴えたりするやり方はこの順多いのだが、本当に人々の心に訴えかけて動かすためにはWHY外に向かってやるべきだということ。
    本書のエッセンスはこれに尽きる。

    これに従って打ち出された製品、サービスは顧客に対して多くを語らずとも共感を得ることができて、続くHOW/WHATのメッセージを受け入れてもらいやすくなる。
    反面、WHATから始まったときには、形や物事だけに集中してしまうし、企業からは「売りたい」だけのメッセージしか聞こえなくなり、顧客は忠誠心も共感も持てなくなってしまう。

    例えばMotorolaが出した携帯電話、RAZORはスタイリッシュな形(つまりWHATから入り)で大ヒットとなったが、モデルチェンジですぐに飽きられてしまったのに対して、アップルのiPhoneはThink DifferentというWHYのメッセージから始まり、今ある状況への挑戦が一つのWHYとなっていて、世の中の人々を惹きつけた例は分かりやすい。

    また分かり易い例として、大聖堂を立てているときのエピソード(おそらくバルセロナのサグラダファミリア)を上げている。
    一部の石組みだけを担当して給料も安く単調な仕事だと感じる石工と、自分の代では終わりそうにないが将来、歴史に刻まれる大聖堂の建造に参加している仕事と認識する石工との違いは前者がWHAT、後者がWHYから来ていて仕事の質や当人のモチベーションに大きな違いを与えている。

    このコンセプトは単なるコミュニケーションモデルではなく、人類の行動進化に深く根ざしていて、脳の形状において感情、意思決定を司る中心部二層に渡る大脳辺縁系と言語を司る比較的新しく出来た外側の新皮質の構成がゴールデン・サークルそのものだという。

    また興味深いことにキャズムの越え方にも言及している。
    新しい技術、サービスを一般に広めるためにはアーリー・アダプタとアーリー・マジョリティの間に横たわるキャズムを越えなくてはならないのだが、マジョリティをターゲットにした操作をするだけでは、決して思うような効果を上げられない。
    それよりもアダプタに対してWHYの答えを突きつけられれば、提供側と同じ考えにたった消費者たちが自然とマジョリティにまで届くようにメッセージを広げてくれると云う。
    この説明はキャズム越えに関する施策としては、これまで聞いた中で最も納得がいくものである。

    WHYを失った企業についても例としてのウォルマートでは、創業者のサム・ウォルトンは「地域に、従業員に、顧客に貢献する」というWHYを掲げていたのだが、彼が亡くなった後は商売を成り立たせるための低価格化を目指すだけになったことを上げている。
    最近では従業員から訴訟を受けたり、出店計画が明らかになると地元から強硬な反対行動が起こったりなど、WHYの基点を外し創業当初の姿を失ってしまった企業の状況がよく分かる。

    成功したように見えて実はWHATから始めて失敗したTiVOについても同様。
    TV生活の質を根本から変えられるコンセプトの製品だったが、市場への訴えかけは機能性ばかりで、WHATしか意識していなかった企業として痛烈に指摘されている。

    それにしても本書の3分の1くらいが占められているのではと思うほど、アップルの話がよく出てくる。
    それほどにこのコンセプトに当てはまる企業であり、ジョブスのやり方自体がゴールデン・サークルを生み出すきっかけとなったのは間違いないのだろう。
    本書は非常に重要なコンセプトを語っていることは確かなのだが、いかんせんしつこい。
    何度もアップルを取り上げて、同じコンセプトを繰り返して語るのには、終盤読み疲れてくるのは確か。
    それでも読むべき本であることは間違いなく、自身の普段の活動をハッと振り返らせてくれる力を持っている

  • ゴールデンサークルは人間の本質を表現する適切なツールである。
    日本人はスペック重視になりがちだが、他文化圏の価値観を十分に理解する必要性を実感した。

  • リーダーシップの本。立ち読み程度にしか読めていないため全ての理解できたわけではないが、whyから始めることは当たり前のように思えてしまい、自分にとっては発見がなかった。ただ、いろいろと事例がのっているのは参考になりそうだった。

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著者プロフィール

コンサルタント
2009年のTEDトークに登壇し「WHYの力」を紹介。その動画は、視聴者数ランキング第3位となる3700万回再生を記録し、45言語の字幕がつけられた。TEDトークを発展させた書籍『WHYから始めよ!』は全米で100万部を突破するベストセラーに。彼のビジネスとリーダーシップに対する型破りでイノベーティブな視点は、アメリカン航空、ディズニー、ドイツ銀行、マースといったグローバル企業から、警察といった公的組織でも採り入れられている。米連邦議会、国連、米陸海空軍、米海兵隊、米沿岸警備隊などでもリーダー論を伝授してきた。ランド・コーポレーションの非常勤研究員を務めるかたわら、精力的に講演活動もおこなっている。ニューヨーク市在住。

「2018年 『リーダーは最後に食べなさい!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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