良い値決め悪い値決め: きちんと儲けるためのプライシング戦略

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532320171

感想・レビュー・書評

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  • 残念ながら、期待していた内容と違った。
    価格の設定がどのように行われるのかが、知りたかった。
    なぜ、iphoneはあの値段なのか。
    ビール1缶の値段、映画館の値段、指輪の値段、家の値段など、各メーカーや販売店がどうやって、値段を決めたのか知りたかった。
    心理学的にというのは、ネットでもよく見る話で、本にまとめなくてもと思った。

    各メーカーは、単純にここに乗っているような内容で価格を決めているわけではないと思う。
    7800円にするのか、7600円にするのか最後どうやって、決定したのかとかが知りたかった。
    メーカーの技術力に次いで、キモな部分なのかもしれないけど。

  • 目新しい話はないものの改めて参考になる事もひとつふたつあったのでよかったかな。

  • ・売上-コスト=利益 を忘れて1個の儲け(販売単価-仕入単価)×販売数量=全体の儲け で考える・レッドDOGから、ブルーCATの居る場所へ。・悪いものは安いし、良いものは高い。これが商売の道理。・バリュープライシング 顧客はどのくらいの価格なら買ってくれるか。・人間中心の固定費ビジネスでの無料キャンペーンは、提供する人間の時間を奪うことになる。・ビジネス心理学としての行動経済学

  • デジタル・オンライン・グローバル。
    価格破壊が進み、報酬が無に限りなく近づく。

    いつまでも、コストベースの値決めをしていては、疲弊するばかり。

    だから、「値決めの哲学」を持とう、という本。

    各種知識のおさらいにはなったが、自分の仕事の参考にはならなかったかな。

    少し残念。

  • 品川Lib

  •  「企業が躓く(つまず)のは、正しい問いに間違った答を出すからではなく、間違った問いに正しく答えるからである」と言うマッキンゼー・アンド・カンパニーを立ち上げた創業者の1人、マービン・バウアーの言葉を著者が引用している。

     浮かんでくる例としては、「Leading Innovation」と言うキャッチフレーズでおなじみの東芝だ。売り上げを増やすことをひたすら追求してきて無理があったのにもかかわらず、イケイケドンドンでストップする人がいなくて不正会計に手を染めてしまう。日本だけで事情を展開しているなら、責任者が辞任しておしまいおしまいになるだろうが、アメリカでも事業を展開しているので裁判が起これば多額の損害賠償を請求されることになる。どこまで経営に影響が出るかはわからないが、オウンゴールを決めてしまったことははっきりしている。

     物が売れないからと言って安売りに頼ると失敗することがある、企業、士業と呼ばれる弁護士や会計士などにも当てはまる。安売りで企業価値まで安売りした例としてマクドナルドが挙げられている。

     金曜日に、「マックキラー」と言われるニューヨーク発のハンバーガーチェーンの「シェイクシャック」が東京・外苑前にオープンする。安売りを売り物にしない素材にこだわるのを売りにして人気の店。日本でどれだけ千分を巻き起こすことが出来るのか気になる。

     著者は「値決めの哲学」を持つことを提唱している。「心に持って行う値決め」が「よい値決め」で、「流されて行う値決め」が「悪い値決め」としている。価格以外の点、例えば利用することでの感動、楽しさと言った付加価値がないと消費者から見捨てられる。

    シェイクシャックに関する記事

    http://www.fashionsnap.com/news/2015-11-11/shake-shack-aoyama/

  • ある程度の知識がある人が読む意味はさほどない

  • ■書名

    書名:良い値決め 悪い値決め--きちんと儲けるためのプライシング戦略
    著者:田中靖浩

    ■概要

    「原価率300%」でも儲かるのはなぜ? フリーで働く人が大手との
    値段交渉に負けない「秘策」とは? 「50%オフ!」より「3着買
    うと1着無料!」が儲かる理由は? 「家族間通話無料」のからく
    りとは?──単なる「値下げ」「値上げ」ではない、新しい「プラ
    イシングの常識」を教えます!
    (From amazon)

    ■気になった点

    なし

  • 過去読んだプライシング系の本の中でも非常にわかりやすく、気付きの多い一冊。行動経済学やビジネス心理学をきちんとおさえながら学術的な書き方は一切しておらず、極めて実践的なアドバイスが盛り込まれているので今すぐ活かせそうな知見満載。

    値下げの罠にハマりまくる日本のサービス提供者。製造業で高度経済成長の成功体験を収めたために、コストプライシングによる値決めの癖がついてしまっている。それも限りなく変動費が少ないサービス業において!

    良いものをより安く、という固定観念に囚われていることに警鐘を鳴らし、良いものはより高く売ろう!を一貫して主張している。

    ■ポイント
    ・正しい問いに間違った答えを出すのではなく、間違った問に正しく答えることが躓きを生む
    ・DOGではなくCAT
     Digital Online GlobalではなくCozy Analog Touch
     デジタルデータの世界では簡単にパクれる
     オンラインだと世界中で安値競争に巻き込まれる
     グローバルだとコストの安い国に負ける
    ・値決めには変動費の価格が値決めの最低ラインになる法則がある
    ・価格決定権を持っている人間が交渉に臨んでしまうと、値下げの要請を断りきれない
    ・値下げの成功の条件は2つ
     ①変動費の比率が低いこと(=固定費体質)
     ②値下げで販売数量が大幅に増加すること
    ・値決めの初めのステップでは、変動費=材料費だけみて固定費のことは無視する
    ・①値決めで1個の儲けを決める
     ②1個の儲けを積み重ねて全体の儲けMPをつくる
     ③全体の儲けMPが固定費Fを超えた文が利益になる
     MP>Fを作れればそれが儲けになる
     商売の目的は売上を増やすことではなく、MP>Fの状態を創ること、そのために積み上げが大事
    ・値下げをした時に販売数量増加を阻む壁
     ①自らのキャパシティの限界(クリエータの落とし穴)
     ②ライバルの値下げの追随
     ③顧客の消費感情
    ・コストプライシングのままいくと、変動費ゼロの情報・サービス業は無料に向かっていくしか無い
    ・見せ方、表現の仕方で印象を変える、フレーミング効果
    ・間を取るのが好きという心理には返報性が隠れている。向こうが折れたならこっちも折れる、の結果が間を取るということ
    ・すぐに問題解決に行こうとしない、まず共感する
    ・選ぶと損するメンタルデコイを作っておくこと

  • ・値下げは、競合の値下げを呼ぶ、お客さの参照価格が下がり売れ行きが鈍化、更なる値下げを巻き起こす。市場全体のパイが伸びない中での値下げは、いたずらな消耗にしか繋がらない。

    ・値下げすることによる「売上額」の変化に捕らわれがちだが、その時の「利益額」にもっと注目すべき。その利益額を伸ばすのに、どれだけの個数増が必用かを熟慮すべき。

    ・「良いものをより安く」ではなく「良いものはより高く」という本来当たり前な発想転換が必用。良いものをより高く売るための事例を学ぶべき。

    ・「コストプライシング:コスト+利益=価格」コストがいくらかかるか、から価格を決めて行く考え方。コストが安いのに高い価格をつけるのはいけないという発想になりがち。

    ・「バリュープライシング:売価-利益=コスト」お客様はいくらなら気前よく払ってもらえるか、から価格を決めていく考え方。

    ・300円の牛丼を食べた後に、500円のスタバを飲む。価格とはいったい何なんだと思ってしまうような事象だが、これを人は受け入れている。牛丼はコストプライシングで、スタバはバリュープライシング。どちらが利益を出せるかは一目瞭然。

    ・以下、きちんと儲けるための事例。

    ・ジレットパターン。カミソリのT字本体は安くしておいて、替刃で利益を稼ぐモデル。

    ・3個買うと1個タダ!4個をそれぞれ値引きするより、1個を無料とした方が、お客様に対するインパクトが出る。無料とする1個は、変動費原価のみの損失となり、単純に4個を値下げするよりも、コストの持ち出しが少ない場合が多い。

    ・携帯電話の家族無料通話。家族同士で話す時間は全体の通話量の中で微々たるもの、そこを無料としておいて、他の有料通話でしっかり稼ぐモデル。

    ・俺のイタリアン。外食の常識は原価率30%、そんな中で「原価率300%」のメニューを『食数限定』しながら目玉として出すことで、驚きを演出。あらゆるメディアが取り上げた結果、大量のパブリシティを獲得。一気に人気店に。

    ・スイス製のMBTというスニーカー。これをはくだけで歩きながらトレーニングが出来ることが売り。一足3万円程度と高額ながら「世界最小のフィットネスジム」というメッセージとすることで、比較軸を「スニーカー」ではなく「フィットネス」に切り替えることに成功、割安感を演出。ヒット商品に。製品コンセプト、比較軸を変えることで、従来と近い製品群でも高い値段が付けられないかを考えてみる。

    ・コンタクトレンズを使い捨てに。目に入れるものだから「清潔に」というお客様の心理に合わせた需要創造。従来は3万円程度のものを1回購入させた後は、洗浄液等で僅かな追い銭を稼ぐモデルだったが、毎日使い捨てとすることで、初回購入時点での客単価は大幅ダウンも、中長期の売上は大幅増。使用頻度をどう高められるかを考えてみる。

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著者プロフィール

1963年、三重県生まれ。作家、公認会計士。田中靖浩公認会計士事務所所長。早稲田大学卒業後、外資系コンサルティング会社などを経て現職。中小企業向け経営コンサルティング、経営・会計セミナー講師、執筆、連載を行う。著書に『会計の世界史』(日本経済新聞出版社)、共著に『お金にふりまわされず生きようぜ!レストランたてなおし大作戦』(岩崎書店)など多数。

「2022年 『会計と経営の七〇〇年史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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