- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784534045225
感想・レビュー・書評
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物事を俯瞰して見てる感じが良い。仕組みを知るためには、自分の利害からある程度の距離をとって、論理的に観察する必要がある。そういうのができてる人なのかなと思う。
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これからの仕組み、仕組みの進化を学ぶために読んだ本です。
この本で学んだことは、
・既存の仕組みを回す仕事を勤務時間の20%で終わらせ、80%を新しい仕組みづくりにあてる。既存の仕組みだけでは新しい仕組みがきたときに淘汰されてしまう。また、自らの仕事が生き残る仕組みを作り、自分の居場所を作る。
・プログラマーは仕組みづくりの達人である。プログラマーは、怠惰だから、繰り返しを仕組み化でき、短気だから、おこりそうなことを先取りして仕組み化でき、傲慢だから、プライドが高く、あとから何か言われないようもってメンテナンスを続ける。それらを意識して仕組み化する。
・効率化だけでなく、安全性を向上させるという重要な役割が仕組みにはある。
という点です。
そして、
・仕事における新しい仕組みをつくることに時間をあてる
ことを明日から実践します。 -
著者は、1996年ディーエイエヌ(有)を設立、1999年オン・ザ・エッヂ(現ライブドア)CTO(取締役最高技術責任者)として、上場前の同社の礎を築いた。2004年「404 Blog Not Found」開始、人気NO.1のアルファブロガーであり、プログラミング言語のメンテナンスを担当するカリスマプログラマーとしても活躍している。
著書に「小飼弾のアルファギーグに逢ってきた」「弾言」等多数。
「仕組み」がブームの現在。巷では多くの仕組み本が出版されている。
確かに、仕組み化されたものごとの効率は、飛躍的に向上する。しかし、「仕組み本」のほとんどが仕組みの負の側面を取り上げておらず、かつ正の側面もたかが知れており、持つのところ負・正どちらにも中途半端であり、仕組みの本当の凄さについて触れていないと著者は弾(断)言している。
その上記の著者の不満を不満に終わらせるだけではなく、自らが発展的に解消しようといく試みの出発点として本書は書かれている。その新しい仕組みとは読者と一緒に仕組みを理解し、さらに進化させていくための仕組み・働き方を一緒に探すというもの。その仕組みを以下の7つに分けて解説している。
①仕組み作りが仕事になる
②仕組みの仕組み
③仕組みを作り直す
④仕組みを使う
⑤仕組みを合わせる
⑥仕組みと生物
⑦仕組みの未来
有名なグーグルの「20%ルール」として勤務時間のうち20%を自分の好きなプロジェクトに費やすようにと従業員に課しているルールは先進的であるものの著者はそれでは不十分といっている。
著者のいう本当の「20%ルール」とは既存の仕組みを回す仕事を勤務時間の20%で終わらせ、80%を新しい仕組み作りにあてるというもの。たしかに斬新。著者ならではの考えも読み進めていくにつれ納得感はましていく。
確かに上手に使えば効率は格段にも増す「仕組み」それは従来の「仕組み」をそのまま踏襲するのではなく自分たちにあった形に変える必要がある。そのカスタマイズの仕方も今までは我流であったが本書はその基本的な考えが非常にわかりやすく書かれている。
カリスマプログラマーとして活躍している著者は仕組みづくりのプロそのもの。誰もがもやもやしていた仕組みづくりの基本というものをプログラミングの基礎的な考え方を用いて平易に紹介されている章については仕組みづくりの本質がぎっしりつまっているように感じる。
著者のいうこれからは「仕組みづくり」が仕事というのも十分に理解できる。レイヤーを2つも3つもあげて先を見越して考える著者の思考方法は凝り固まった自分の頭を柔軟にするための大きな活性剤となった。
基本原則をきっちり理解しかつ、さきを見据えた中にモノゴトの「本質」は存在する。「本質」を捉えるということをキーワードに今後の「仕組みづくり」に本書を活用させることにしたい。 -
生産性を上げるには「てこ」を使うか、「奴隷」を使うしかなく、「奴隷」に「てこ」を使わせるのが一番効率がよいというのである。単語の良し悪しはあるが、仕組みを説明するにはとても分かりやすい言葉だろう。
20%で働き、80%は新しい仕組みを構築するために自由に使え、という考え方は面白い。日銭を稼ぐ20%は必要としながらも、80%は投資に当てるということ。業務拡大中のベンチャー企業ではこれくらいで対応していかないと回らなくなる。参考にしよう。
仕組み化について、プログラマーや運用担当者の視点からまとめられた珍しい観点の一冊だろう。
仕組み化の重要性を理解するため、分かりやすい言葉で説明するため、にはよい本かもしれない。暑さのわりにはさっと読めるので箸休め的に読んでみてはどうだろうか? -
・仕組みの定義と重要性
・新しい仕組を作るために注力し続けるべき(新20%ルール)
・ライブドアCTOの経験を基にした仕組みの作り方、使い方
を解説。
レイアウトが見やすく文章も読みやすく、サクサクっと読了できた。
著者の有名なブログでは、ギークよりの文章が多いけれど、この本の内容は意外ととっつきやすいものになっている。
想定している読者は、著者のファンのギークではなく、一般的な企業のリーダークラスなのかなと思った。
プログラマーの三大美徳、車輪の再発明といったIT界隈のエンジニアにはもう知られている概念を解説するくだりもあるのでなおさら。 -
仕事にゆとりを持ち、いまやっている仕事をどうにかして楽に効率的に楽しくできないかを常に考え続けることが大事なんだと感じさせられる本。
思考停止していることに思考停止中は気付かないので、普段から自分の状態を確認するのが大事。慣れてしまえば、疲れなくなるから。 -
仕組みといえば、効率良く
「仕事をこなしていくためのもの」
というイメージがあります。
しかし、今の時代効率だけを求めても
上手くいきません。
なぜならば、「結果のでないこと」をいくら
効率よくやっても、意味は無いからです。
本日ご紹介する本は、
この変化の激しい時代において
我々は「仕組み」をどのように変えて
いかなければいけないのか
という内容が学べます。
ポイントは「進化」です。
生物が進化していくように
企業や組織においても、環境の変化に伴い
生きていくための「仕組み」は進化して
いかなければいけません。
「本当の20%ルール」
もの作りの総費用はだいたい
開発費80%+制作費20%
と聞いても、まあそんなもんかな、
と納得するのではないでしょうか。
初期費用はそれぐらいかかっても
設計さえしっかりしておけば、あとは
作るだけなので、不思議はありません。
ところが、会社の業務において
会社の仕組み作りに80%の労力をつかい
商品の製作や顧客対応に20%の労力しか使わない
と聞くと、「ありえない」と思います。
でも本当は、これぐらいの仕事のやり方を
していけるようにならないと
より変化の激しいこれからの時代は
生きていけないかもしれません。
「作りかけのパズル」
仕組み作りといっても
そう簡単にアイデアがでて、
すぐに仕組みが運用できるわけではありません。
また、その仕組みが最も有効に活用できる
タイミングもあるかもしれません。
「今はまだできないけれど
あと、この条件がそろえばできそうだ」
というところまで、準備しておき
最後のワンピースがそろったら
すかさず実行する。
このような作りかけのパズルを
常にいくつか置いておくことは重要です。
本書では、
単に、「このような仕組みが役にたちます」
と言うような受け売りの内容ではなく、
仕組みへの取り組みに対するこれからの
考え方が書かれてあるので大変参考になります。
ぜひ、読んでみてください。
◆本から得た気づき◆
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「本当の20%ルール」=既存の仕事20%、新しい仕組み作り80%
会社でも個人でも。新しい仕組み作りに投資して、未来に備えるべき
「車輪の再発明」=既にある仕組みをいちから自分で考える→自分のほしい機能が既にあるかを、まず調べる
「遊び」や「余裕」から新しい仕組みが生まれてくる
「わざと壊れる」=処理できない量の仕事が入ってきたら「パンクします」と宣言できる仕組み
仕事において最も貴重なリソースは時間=時間コストを最小限に抑えらるかどうか
あと1ピースあれば実現できるところまで具体化しておき、必要なピースが出たら、すかさず拾いにいく
新しい仕組み作り=優秀なアリはエサを効率良く集めるが、新しいエサは発見しにくい
下手なアリはうろうろすることで、新しいエサを発見できるチャンスが高まる
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◆目次◆
Part0 仕組み作りが仕事になる
Part1 仕組みの仕組み 仕組みを作る前に知っておきたいこと
Part2 仕組みを作り直す 目の前の仕事を20%の力でこなす仕組み
Part3 仕組みを使う 仕組みのコストとテストを考える
Part4 仕組みを合わせる チームで仕組み合うために
Part5 仕組みと生物 「新しい仕組み」を作るヒント
Part6 仕組みの未来
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◆マインドマップ◆
http://image01.wiki.livedoor.jp/f/2/fujiit0202/13bef64b92763e58.png
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著者はプログラマ界の星 @dankogai さんなのでソフトウェアの例が多い。
プログラマはプログラミングですぐ自動化できるから「仕組み」化との相性が良い。 -
考え方が論理的であり、しかも書き方がうまいためすらすら読めます。翻訳本によくある理論的な話になると意味がよくわからないということは全くありません。
わたし自身も、数年前までは既存の仕組みを回す仕事で、業務の95%を使っていました。これではいつまでたっても自転車操業状態を克服できません。
そこで、ひとつの仕事の中で、一つひとつの作業を分割し、繰り返し作業が発生するものは「自動化」、派遣社員にできるものは「依頼」としていけば、ひとつの仕事の中で私自身がしなければならない作業は2割程度であることわかってきました。そして、時間的余裕ができた残りの8割で新しいチャレンジができるようになりました。じっくりと考える時間ができ、精神的余裕も生まれました。
ただ、人が介在する限りミスは起きてしまいます。人はミスをするものです(生物の仕組みで非効率的になっている)。ミスをしない人間は機械と同じです。つまり、ミスが起きてはいけない重要な箇所は人を排除し、機械に作業させる必要があります。「重要な部分は人」がではなく、「重要な部分は機械」が判断・作業するように仕組みを組んでいく必要があると考えます。
仕事なんかは機械に任せる。(←賛成!)