「自分で考える力」の授業

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  • 日本実業出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534050908

感想・レビュー・書評

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  • 自分の意見を整理する技術について述べられた本。
    非常にやさしく、具体的に書いてある。
    新たな視点で書かれているわけではなく、出来ている人にとっては当たり前のことを書いてあるが、そうではない人にとっては、非常に実践的なのでとても参考になると思う。

  • ・クリティカルシンキング(他人に流されずに、自分でじっくりと考えるための思考法)で重要視されるのが根拠です。意見や主張には必ず根拠がなくてはならない、という大前提がある。意見や主張は「よい」根拠がなければなんの説得力もない。

    ・1人弁証法
    自分の考えにいちいち反対する「もう1人の自分」を自分の中に作りあげて、さらに視点を増やす。
    ①「A」という考えがある。
    ②それに反対する「非A」という考を持ち出して「A」と戦わせる。
    ③「B」という、新たなアイデアが生まれる。

    ・英語文化に根付いている「意見を戦わせるときのルール」
    英語文化は、積極的に意見を言い合ったり質問し合ったりする文化。彼らはこのような日常を通じて、質問や反論をしながら意見を戦わせると自分の意見は高まるという実感と「意見を戦わせるときのルール(※)」を確実に手に入れている。

    (※)意見交換する14のルール
    1)この世に絶対的な正しい意見などない、と心得る。
    2)相手にとってわかりやすい言葉と流れで。
    3)これから話す内容の「マップ」を示す。
    4)大事な箇所は表現を変えながら繰り返して
    5)断定的な口調は避けて
    6)反論=人格否定、ではない
    7)NOは相手からの「質問」だt思おう
    8)相手の話をさえぎらない
    9)「わかったつもり」はNG
    10)相手の意見の丸呑みは「尊重」ではない
    11)相手のペースにのまれないで
    12)根拠を聞こう、口に出そう
    13)知ったかぶりをしない
    14)反対するなら代替案を

  • わかりやすく、すぐに実践に活かすことのできる考え方などがたくさん紹介されていた。たくさんのクリティカルシンキングの本を読んできたが、こと一冊でいいのでは、と思った。

  • 相手の話を聞いてないな〜自分の話し方伝わりにくいなーと感じ一読。

    本屋のレビューじゃなく自分が、
    読んで気づいた事を書く。

    結論→根拠の伝え方が説得力があって大事だと感じた。

    相手の話はとにかくしっかり聞いて、自分の言葉に置き換えて理解する。

    相手の話がわからない場合は、質問する。

    自分の意見が否定されても人格を否定されたと感じない。

    意見に正しいも間違いもない。

    議論はみんなで組み立てていく作業。

    根拠を常に意識する。

    1番印象に残ったのは、

    意見と自分はイコールじゃなく、
    意見とは自分の何万分の一の分身である。

    言葉、根拠、それを意識するだけで
    印象や感情に押しつぶされないで
    人と接する事ができる。
    そんな気づきを与えてくれた本。

  • 2013年11日
    有楽町の三省堂書店で衝動買い

    自分が分かっているかどうかを正しく判断するための教科書だとおもう。
    たくさんのノウハウが書いてあるが、心に響いたものは実行してみるようにした。

    理解し意見を持つ。そしてよい質問をして深める。

    シンプルだけど簡単ではない

  • じっくり考えながら読むことができるビジネス書です。
    というか、考え方に関するHow-to本。
    根拠をもって語ることのできる思考法「クリティカル・シンキング」について説いた本。

    システム設計やプロジェクトマネジメントのような考えや意識の「曖昧」さが、プロジェクトの正否を分けるような職業にはぴったりだと思う。
    定期的に読み直すことで自分のレベルと比較できそう。

    とかく自分は相手の話を遮る聞き方をしたりするので、否定的な考えを持たず、聞く。
    そして、自分の意見と相手の意見を重ねて「何故?何のため?」を反芻しより良いアイデアを目指すのが理想。

    【ココメモポイント】
    ・クリティカル・シンキングは、簡単に言うと「じっくりと主体的に考えるための思考法」
     P.2

    ・「自分の意見の作り方」3ステップ
     1.<あること>について自分はどれだけ理解しているのか、確認する
     2.<あること>について理解できてい
    ないことは何か把握し、「理解できていないこと」を解決するために、調べる

     3.自分の意見を持つ

    ・「比較」が人間の考えを深めてくれる、というのは、考え抜く力の常識でもあります。
     P.35

    ・「平易な言葉で説明できなければ、十分に理解しているとは言えない」
     アインシュタイン
     P.45

    ・日頃から「理解できていないことは何か」と意識するクセをつける
     →なぜそう言えるのか
     P.59

    ・「よい質問」の多くは「相手が聞かれたくないと思っている質問」、「キツい質問」
     P.65

    ・「今はAということを自分は当たり前のように感じているけれど、時代や場所、文化が変わったら、Aは当たり前といえるのか」
     P.91

    ・「実行しないと本当に困るのか」、必然性から行動を見直す
     P.134

    ・釈然としない部分に「暗黙の前提」が隠れている
     P.144

    ・「人間って興味深いなぁ」という、いい意味での人間観察の姿勢が大事
     P.201

  • 良書だと思う。読みやすく理解しやすい。自分の意見を根拠だてて言えるように、またその意見を考えられるようにするためのコツが書かれている。勉強になるポイントが非常に多かった。

  • 「ハーバード大学も提唱」、「世界のエリート」などのうたい文句やリファレンスのページがないことから、始めは、うさんくさい本なのではと勘ぐりながら読み始めたが、すぐにKWLに近い構成主義に通ずる意見の作り方や、自分のものを含め、常に主張や考えの根拠や妥当性を疑い、複数の視点から考え抜く姿勢を具体例に基づいて提示している本書は、教育の領域のみならず、自分の仕事の進め方や考え方にしさを与えてくれるものだった。

    とかく、私たちが陥りがちな「わかったつもり」や曖昧なまま流してしまい、想定外のことが起きた時にあたふたしてしまう性向を批判し、次のことを提案している。

    ーわかっていることを具体的に挙げることでわからないことをはっきりさせて、それを解決するための質問をする
    ー自分の主張を反対者の立場から考え直して、自分が寄っている根拠や前提を検証する
    ー期待されることや反対に懸念されることが実際に起こったとしたら何が起きるか、それに対して打つべき手はあるか、それらの中で実行可能なものはどれか、いますべきか否かを視覚化しながら予想し、行動を起こすこと

    確かに、どれも自分が日々接する欧米人の同僚に見られる言動であり、彼らの行動や思考の論理の背景を再確認することができた。文章の中で引用元として挙げられている"Making thinking visible"(Rom Ritchhart)や読もうと思って止まっていた"Visible Learning for Teachers: Maximizing Impact on Learning"(John Hattie)を改めて手に取ろうと動機づけてくれた。感謝したい。

  • 今まで自分は、わからないことをそのままにしていたように思う。そのため、いざというときに対応できず、残念な結果となっていたように思う。そのため、選択するときに、なぜそれを選択するのか考える、実際に質問する癖をつける、など、習慣にしていきたいと思う。
    それと、自分の意見にどうしても自信が持てず、発言をためらうこともしばしばあった。しかし、本書の中で、「この世に絶対的な正しい答えはないんだ」と自分に言い聞かせるとあり、また、相手が反論しても、反対しているのは、あなたの意見であり、あなた自身ではないとあった。そんな自分を後押ししてくれ、勇気をいただいた。
    この本をきっかけに、そんな自分を少しでも変えていきたい。

  • 考えることのハウトゥ本。とかくあまり考えずにその場が収まること重視で生きてきたので、色々考えさせれることが多い名著でした。
    理解していることを把握し理解していないことを理解して調べて自分の意見を持つ。
    根拠力を鍛える。何故それを選択するかを考える
    他人からの指摘は理解を深くするため大歓迎。
    否定的な意見が出たら、何故そのような意見が出るかを分析して感情的にならなくする。
    特にこれらは意識していきたいなと。

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著者プロフィール

慶應義塾大学、聖心女子大学講師

「2020年 『世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」の授業[増補改訂版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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