オープンダイアローグがひらく精神医療

著者 :
  • 日本評論社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535984653

作品紹介・あらすじ

「開かれた対話」を通じて精神疾患にアプローチする。この画期的な手法であり思想を、日本に導入すべく奔走する著者の最新論集。

感想・レビュー・書評

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  • 具体的なイメージが湧いて読みやすかった。
    斎藤先生の「個人精神療法は異常」という意見が清々しい。
    転移・逆転移は副作用というのも。
    今までずっとモヤモヤしてたのがスッキリした。

    精神病に「聖なるスティグマ」性を持ってしまっているという意見もすごく納得。

    オープンダイアローグは「治療的民主主義」が機能できる仕組みと理論があり、理想を実現できるんだなと思った。

    ブログでもう少し詳しく感想を書きました。
    https://kon-yorimichi.com/opendialoguegahiraku/

  • 対話の可能性を感じる内容。

    オープンダイアローグの手法としての柱はミーティングとリフレクティングの2つ。

    ミーティングは被治癒者と医療チームとの対話の場。治療として実施するにも関わらず、対話の目的を治療ではなく対話の継続性におくことも面白い。あくまで起こる結果は対話の副産物。

    医療以外の場でも、”対話”といいつつ相手を変えたい方向性が下心として意識してしまうことままあるので、相手の主観における世界観を理解するというスタンスで、”ただ対話を続ける”ことにフォーカスするという考え方はよいかもしれない。変化への抵抗は求めるから起こるのかも。

    リフレクティングは、被治療者の治療方針について治療チームがディスカッションするのを被治療者がいる開かれた状況で実施するという場。誰かのためにやることをその誰かがいないところで隠れて決めるというのは確かに信頼には結びつかない。この場において、被治療者は当事者にして第三者。

    医療の現場にいるわけではないけど、対話を知り、実践するためにオープンダイアローグについてより深く知りたくなった。

  • 医学部分館2階書架 : WM203/SAI : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410170889

  • 村上靖彦氏との対談のみ読んだ。
    斎藤環が、「ラカンは臨床家としては二流」と言っている。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/725007

  • 「オープンダイアローグ」は興味のあるところで、精神疾患の治療という文脈ではなくて、対話をより深めるという面で多くのヒントがあって、共感するところも多い。

    というわけで、日本語ででているものは、一通り読んでいるつもりだが、これまで、わかったようで、完全にわかった気になれなかった。

    もちろん、本で読むだけではわかるはずもなく、体験が大事なのだろうが、ちょっと体験してみようかなと思う感じはなかった。

    が、これを読んで、やっとわかった気になってきた。

    多分、第4部の「人間回帰としてのオープンダイアローグ」がやや哲学オタク的に、オープンダイアローグとラカン派の精神分析やポストモダン的な思想との関係など、理論的なところを整理してくれたからかな?

    やっぱ、自分は、こうした理論的基盤がわからないとなんらかの手法がわかった気にならない人なんだなと思った。

    著者がオープンダイアローグについて書いたいろいろな原稿をまとめたものなので、内容のダブりが多いのが気にはなるが、どこから読み始めてもいい、ということかもしれない。

    著者の語りが、ときどきモノローグ的な対話原理主義的に思えてしまうというのは、わたしの偏見か?

  • マインドフルネス、ACTなどにも少し触れられています

  • Odnjp

  • 内容に重複部分が多くて、少し読みにくかった部分はあります。著者が通じて書いた本があれば、読みたいと思います。

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著者プロフィール

斎藤環(さいとう・たまき) 精神科医。筑波大学医学医療系社会精神保健学・教授。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン(ODNJP)共同代表。著書に『社会的ひきこもり』『生き延びるためのラカン』『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』『コロナ・アンビバレンスの憂鬱』ほか多数。

「2023年 『みんなの宗教2世問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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